議会報告

2008年12月定例市議会 佐藤くみこ議員

図書館運営費補助金の増額について

リンゴの価格暴落と農業振興について

図書館運営費補助金の増額について

 二十三番、日本共産党市議団佐藤久美子です。
 最初に、学校図書館充実を願う立場から図書館運営費補助金の増額を求めて質問を行います。
 活字離れが言われ、読書をしない人が多い実情を変えようと、さきの国会で衆参両院は二〇一〇年を国民読書年とすることを全会一致で決議したとの新聞報道を目にしましたが、子供たちが通う学校から是非読書環境を整備するよう求めるものであります。
 豊野の小学校二校、中学校一校合わせて三校の図書館司書の報酬については、合併協定書の長野市の制度に統一という文言に沿って、合併から三年間の経過措置が切れ、今年度から激変緩和措置の中で減額が始まり、平成二十二年度には長野市と同額となります。
 図書館司書の勤務について、旧豊野町の時代から昨年まで一日八時間で、授業日勤務の週五日を原則に年間百六十三日、時間数は千三百四時間が基本でありました。それが今年度から、小学校が一日五時間で百八十日、年間九百時間となり、四百時間の削減です。中学校は、一日五時間で百六十五日の年間八百二十五時間になりました。同じ時間当たり単価で計算すると、来年は一日四時間、再来年は一日三時間の勤務内容となります。今までの半分以下となります。

 そこで伺います。
 現在の長野市の図書館職員の勤務時間数の一年間の平均は、何時間ですか。児童一人当たりの貸出冊数と勤務時間数との関係はどうですか。また、不明本は、多い学校では年間何冊になっていますか。当面の目標として一日五時間、週五日という目標がありますが、全市的に実現するために、どのぐらいの経費で何年かかると試算されているでしょうか。 豊野町では、子供たちの読書環境が大幅に後退することに対し、先般図書館司書に関する保護者へのアンケートが行われ、五百二十四人が回答し、その集計結果が三校PTA会長の名で豊野地区の全保護者に文書により報告をされました。図書館司書の必要性については、八十七パーセントが認め、司書の賃金補助の減額に対し六十七パーセントが支援は必要と答えています。
 支援の方法として収益事業で支援し、足りない分については各世帯で負担する。その場合は幾らぐらいが限度かとの問いに対し、五百円くらいが一番多く四十二パーセント、千円くらいは四十パーセントでした。必要性は認めるが、それが各家庭負担になると厳しいとの実態の表れではないでしょうか。また、この中で百八十人近い方が意見を寄せたとお聞きしています。

 先日、保護者など二十人ほどで集まる機会がありましたが、全員が図書館司書の役割は大きく、勤務時間を減らすなという意見でした。ある人は、子供が途中の転校で教室に入れない時期、図書館で気持ちをほぐしてもらってから教室へ向かうことが続き、不登校にならなかった経験を語りました。図書館は単なる本を読むところだけではない、子供の居場所づくりだし、一人一人の子供へ目を向け、子供に合わせた本選びのアドバイスをしてくれる司書の存在の大きさを語る人もいました。幽霊部屋ではなく毎日人がいていただくこと、生きている図書館が大事との意見もありました。
 子供たちが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く、たくましく生きる上で欠くことができない読書活動の推進のために力を入れるべきと考えます。
 豊野西小学校では、児童一人当たりの貸出冊数は、八年前の五十三冊から昨年は百四冊と伸び、また不明本は毎年ゼロ冊であると報告されています。これは、学力形成の面への成果、また子供たちが物を大切にする心情面での育ちや他人への思いやりとなって現れてきていると言われます。
 以前、私は少子化対策特別委員会の調査の中で、今の子供たちに何が必要かと尋ねたとき、コミュニケーションの力だと教育委員会の担当者は答弁されました。人の気持ちを理解するのは言語の力、豊かな言語能力の発達に図書館充実は欠かせません。

 そこで、市長にお尋ねします。
 思い切った補助金の増額で、一刻も早く目標達成を全市的に実現し、充実できるように望むものですが見解を伺います。
 長野市子ども読書活動推進計画がありますが、平成十九年度からおおむね五年間、二十三年度までの計画期間を定めています。数値目標について、学校での取組では読書ボランティアの協力による読書活動の実施、学校図書館図書標準の達成を目指すための数値目標だけが掲げられていますが、ここに図書館司書勤務時間の項目を設けるべきと思いますが見解をお聞きします。ボランティアももちろん大切ですが、系統的に子供にかかわる人的配置を教育委員会として保障するのが当然ではないでしょうか見解を伺います。

◎市長(鷲澤正一君)
 私から、佐藤議員さんの学校図書館に関する御質問にお答えをいたします。
 議員さんの御指摘のとおり、学校図書館は子供たちにとって読書活動等を通して言葉を学び、表現力や想像力を高め、豊かな情操力をはぐくむことができたり、学習効果を高める上でその役割は大きいものであると思います。
 さて、経済情勢が混迷する中、市の財政も非常に厳しい状況において、これまでも申し上げてきておりますが、本市においては福祉や環境問題、中山間地域の活性化等様々な課題がある中、真に必要な施策は何か、そして今やらなければならない事業は何かをしっかりと見極め、施策や事業を厳選し、そこに財源を集中させる選択と集中を更に徹底していく必要があります。
 教育においても、学校施設の耐震化は、最優先で取り組まなければなりませんし、子供たちの放課後の居場所づくりも急務となっておりますことから、快適で安全な教育環境の整備を重点施策として取り組んでいるところであります。
 そのような中で、学校図書館については、これまでも充実に努めてきたところでありますが、今後も予算の編成に当たりましては、市の財政事情や施策の優先性を見極めながら対応してまいりたいと存じます。
 合併前の豊野町のこのことについての施策というのは、確かに私どもとしても敬意を表するところがあるわけでございますが、しかし長野市全体を考えたときの財政状況によって施策の優先性を考えるということが当然のことであろうというふうに思っております。 しかし、三十年ぐらい前の話になりますか、私が長野市のPTA会長をやっていたころの話ですけれども、その当時の中村教育長さんにこのことを、私もよく分からないまま陳情したことがございます。そのときのお答えは、人件費より本をその分たくさん渡した方がいいよねというふうにお答えになったことを今思い出しているわけでございます。
 ただ、時代は変わっております。どんどん変わって豊かな時代になり、そしてそのころからだんだんいろんな形の中で、そういう図書館司書にも少しずつ日が当たり始めてきているということは事実であります。それは、これから一挙に行くかどうかということについては、私はまだ良く分からない、予算編成に当たって十分検討していきたいと思っています。
 以上です。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 小・中学校の図書館の御質問にお答えいたします。何点かございますので、順にお答えをいたします。
 まず、御質問の図書館職員の一年間の平均勤務時間数でありますが、およそ小学校が六百九十時間、中学校は六百八十時間となっております。
 次に、児童・生徒一人当たりの図書の貸出冊数と、図書館職員の勤務時間の関係でありますが、昨年度の状況を申し上げますと、一人当たりの図書の平均貸出冊数は、小学校が約七十三冊、中学校が約十三冊という状況の中で、勤務時間数が市の平均よりも多い学校のうち、半数の学校は、図書の貸出冊数が市の平均よりも少なくなっているということ、いわゆる勤務時間が多いから比例して貸出冊数が多いわけではないということでございます。
 また逆に、勤務時間数が市の平均よりも少ない学校のうち、半数の学校は、図書の貸出冊数が市の平均より多くなっている学校があるなど、勤務時間数と一人当たりの貸出冊数との間に特に相関関係は見当たりません。
 次に、不明本の多い学校の年間の冊数でありますが、市では改めて調査を行っておりませんが、今後その観点からも必要であれば調査を行いたいと考えております。
 次に、学校司書職員について、市が目標としております一日五時間、年間二百十日を全小・中学校七十七校で実現するために必要となる経費は、およそ六千四百万円と見込まれます。なお、市といたしましては、早い段階でこの目標を達成したいと考えておりますが、経済情勢が厳しい状況にありますことから、目標を達成するまでに何年かかるかということは、今お答えはできません。

 次に、長野市子ども読書活動推進計画の数値目標に図書館司書勤務時間の項目を設けるべきとの御質問でございますが、長野市子ども読書活動推進計画は、平成十九年度からおおむね五年間を計画期間といたしまして、長野市のすべての子供が、いつでもどこでも自ら進んで読書活動を行うことができ、健やかな成長につなげられるように、積極的に環境を整えるため策定したものでございます。
 活動推進のための基本方針といたしましては、一として、子どもが読書に親しむ機会の提供と読書環境の整備・充実、二として、家庭、地域、学校等の連携・協力による社会全体での取組の推進、三として、子どもの読書活動についての普及・啓発、この三本の柱を掲げ、家庭、地域、保育園・幼稚園、図書館、そして学校のそれぞれの関係機関が連携をとりながら子供の読書活動の推進を図っているところでございます。
 計画の推進に当たりましては、取組の中から特に重点となるもの五項目について数値目標を設定しております。数値目標のうち、学校での取組としては、読書ボランティア等の協力による読書活動の実施校、そして国で示している学校図書館に整備すべき蔵書の標準である学校図書館図書標準の達成校を設定しております。
 図書館司書の勤務時間を数値目標に設けるべきではないかとの議員さんからの御提案でありますが、この計画は中間時点の点検として平成二十一年度当初に調査、取りまとめを行う予定となっておりますので、今後調査等に併せ、研究をしてまいりたいと考えております。

 次に、人的配置を教育委員会で保障すべきではないかとの御質問でありますが、学校の教職員の配置は県費負担が原則であります。これまでも、学校図書館職員の配置につきまして、図書館運営に欠かせない職員といたしまして県に対し要望しておりますが、実現していない状況であります。そのことから、現在のところ学校へ補助金を交付し、学校で職員を配置している状況でございますので、御理解をお願いいたします。
 私からは以上でございます。

 確かに市長がおっしゃるとおり、かなり時代の変遷の中でこの充実が行われてきたことは、私もそう思います。平成十四年の八月に、子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画というものが閣議決定され、その後五年間で六百五十億円の学校図書の充実のための交付税措置を行いました。その後、二〇〇七年度からの新五か年計画では一千億円、つまり年間二百億円の財政措置を行っております。
 ところが、長野市の場合を見ますと、平成十八年については図書購入費の予算額小・中学校合計で四千七百六十七万六千円、これに対して、基準財政需要額は四千四百万五千円として、これを上回っておりますが、しかし平成十九年につきましては、図書購入費は四千六百七十八万三千円で、基準財政需要額六千八百十四万七千円に対し予算措置率は六十八・六パーセントであります。長野県全体の七十・七パーセントよりも低い額になっています。国の積算目的がはっきりしているものについて、学校の設置者として子供の教育環境に力を入れるべきではありませんか見解を伺います。
 また、本来図書館司書又は職員については、市が採用し賃金や報酬が支払われるべきであると私は思います。しかし、各学校が任用する形をとって、司書手当補助金として交付しています。PTAや各家庭から徴収する集金で人件費相当に当たる支出をすることについては問題はないのでしょうか見解を伺います。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 交付税の措置額とですね、実際の執行額における、その数値は今持ち合わせてございませんので、もしあれでしたら、また後ほど御説明をさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、市長の方で答弁をさせていただきましたように、議員さん御指摘のとおり、学校図書館の果たす役割は大変大きいものというふうに思ってございます。ただ、どうしても大変財政状況が厳しい中におきまして、教育委員会におきましても学校施設の耐震化など、その取組が急務になっているような事業が山積しているわけでございます。
 そういう中におきまして、可能な限り図書費の補助金の充実には努めているところでございますが、どうしてもやっぱり市の財政事情や施策の優先性というものを考えなければならないと。そんな状況の中におきまして、その優先性を見極めながら対応しているといった状況でございます。
 その補助金につきましては、目標額に対しまして、私どもとしても学級数によりまして六十から八十パーセントということで、そのことは十分認識してございます。ただ、その補助金の中でですね、十分にその学校側の方でその中で執行している学校もございますし、また学校によりましては、それに対していわゆるPTAの方からですね、それを補てんするといった形で、学校の事情の中で、その必要ということの中で執行しているというふうに認識をしてございます。
 以上でございます。

 私は、長野市全域の均衡のとれた施策というのは必要だというふうに考えています。しかし、施策は後退ではなく発展が重要であると考えるものであります。特に、子供の教育環境にかかわることについては、私は成果が明確に現れ、そしてそのことは認めておられるわけですから、是非ともこれは全市的に補助金を増額し全市的にですね、図書館充実を図る見地から、この増額を早急に図っていただくよう求めるものであります。
 確かに、財源の集中あるいは優先性ということは、それぞれのところでは当然あります。しかし、このことについては子供たちの将来にわたっての非常に重要な事項でありますので、私は早急にここは補助の増額を求めて、次の質問に入ります。

リンゴの価格暴落と農業振興について

 リンゴの価格暴落と農業振興について伺います。
 今、リンゴの価格暴落で深刻な状況が広がっています。このままでは、とても農業は続けられないと悲鳴に近い声を上げた四十七歳の青年農業者の声を聞きました。その方は、三十七歳まで民間の会社員でしたが、そこを退職し、退職金を元手に中古の農作業機械をそろえ、自分の家の畑だけでは足りず、人の畑も借りて就農したそうです。十年たっても経営は厳しく、切り詰めても切り詰めても追いつかず、妻も外に働きに行き出したとのこと。
 市場へ出したリンゴが何と一キログラム八十円にしかならなかった。取り箱十八キログラムで千四百四十円、もちろん傷物ではない贈答にできる一番良いものだった。大体今まではキログラム二百円、箱にすると三千五百円相当が相場だった。自分は食べる物を作っているが、第一次産業が一体これでいいのかと訴えておられました。
 また、中野市のジュースやジャムを作る加工事業者が、荷受けすると言った途端、二十から三十箱のリンゴ箱を載せた軽トラが国道に三百メートルも並んだとの話も聞こえています。収量が多くだぶついたため、あるいは大手流通資本がプライベート商品として仕入れるため、買いたたいて値決めするため全体の値を下げていると指摘をする人もおります。
 国際的な経済状況の中で、肥料も農薬も段ボールなどの資材は、今年は軒並み値上げをいたしました。そうした状況の中で、このリンゴの値段では、採算どころか生活費が出ない深刻な事態であります。来年に向けての生産意欲も疲弊する状況であります。
 本来、これだけの価格暴落があると価格補償制度が下支えになるのですが、昨年からはそれもありません。私は、是非長野市として国と県に対し価格補償制度の復活を強く求めていただきたいと思いますが見解を伺います。

 今年九月に明らかになった事故米・汚染米輸入の事件は、本来食料にならない米を、もうけのために食料として長期間、広範囲に大量に横流しされたという悪質な事件で、何を食べたらいいのか、何を信用したらいいのかと食に対する不安を国民全体に広げた事件でした。農はすなわち食であり、命であります。国の土台でもあります。しかし、農業は自然条件に大きく左右される非効率的な産業ですので、政治の支えが必要であります。食料の自給率を五十パーセントに引き上げて、安全・安心な食料を生産、供給するためにも、私は農家の所得補償や農産物の価格補償を国の制度として根幹に据えることが重要だと考えています。マネーゲームで破たんした金融機関に何十兆円もつぎ込むのではなく、食料こそ今こそ必要だと考えるものです。

 さて、そこで長野市の農業振興について伺います。
 市の主要作物の水稲--稲でありますが、稲とリンゴの支援強化が大変重要であると考えますが、この点で市の見解はいかがでしょうか。
 以下、具体的な施策について伺います。農業後継者対策として効果が上がっていること、また今後の課題は何でしょうか。耕作放棄地の実態と解消策についてはどうか。リンゴの販路の拡大についての取組はいかがでしょうか。
 私は先日、小学校五年生の親子でもちつきをして、半年間の稲を作る授業で指導に当たっていただいた農家の皆さんを招いての収穫祭を催しました。親の世代も、うすやきねでもちをつくことがなくなっているため、貴重な経験の機会となりました。子供たちが学習発表で田んぼの草取りでオモダカに触れたのですが、農家の方が、お母さんたちはオモダカ分かりますかと聞くほど、農業や田んぼに触れる機会がなくなっていることを実感しました。
 しかし、十一歳の子供たちが実際に苗を植え、草取りをし、かまで稲を刈り、天日で干し、脱穀をする一連の作業を通し得たものは大きかったと思います。農家の方は、PTAの会員でもいらっしゃいましたが、子供との交流を通じ農業に希望が持てるようだと語って喜んでおられました。こうした体験が農業を見直すことにつながり、将来の後継者につながればと私は考えるものであります。

◎市長(鷲澤正一君)
 佐藤議員さんの御質問にお答えをいたします。
 リンゴの価格補償制度について及び市の主要農産物である水稲とリンゴの支援強化について御質問いただきましたが、関連がありますので一括してお答えをいたします。
 本年のリンゴの価格動向につきましては、わせ種から低迷が続いておりまして、十二月に入り贈答需要の高まりにより、若干市場相場が上向いている状況にはありますが、依然として価格の低迷が続いております。
 市内産地におきましては、JAを中心として販路の拡大など対策をとっておりますが、景気の低迷による果実の消費量が伸びない中で、肥料などの生産資材の高騰が加わり、厳しい経営状況が続くものと見られます。
 リンゴの価格補償制度は、平成十三年度から国の制度として果樹経営安定対策が実施されておりましたが、その後品質の劣る果実の出荷が増加し、市場価格全体の低下を招いたことから、平成十八年度に廃止となりました。また、この間に農業者の高齢化や農家の担い手不足から園地整備が遅れ、生産基盤の弱体化が懸念される状況となったことから、国は平成十九年度には政策の大きな転換を図っております。
 新しいリンゴ支援策については、果樹産地の構造改革を進め、担い手の経営安定と所得の確保により、国産果実の安定的な供給を目指すものであり、具体的には優良品目・品種への転換などであります。これに伴い、長野市内でも、果樹産地がJAを中心に国の支援を活用し、産地の改革に取り組んでおります。
 このような制度の経過から、価格補償制度の復活は難しいものと考えられます。市としましても、優良品種への更新補助などの果樹振興事業により、産地の構造改革を積極的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、水稲に対する支援強化についてお答えいたします。
 米は国民の主食として重要な食料ですが、国は米などを生産する水田作などについては、規模拡大による安定的な農業経営を図るため、担い手への農地利用集積を進めることとしております。また、外国との生産条件の格差を是正するための直接支払制度として、水田経営所得安定対策がありますが、この対策は、認定農業者や集落営農などの担い手へ支援を集中する施策として実施しているところであります。
 本市では、農業公社を設立して保有合理化事業による農地の利用集積を進めるとともに、新規参入を支援するなど、多様な担い手の育成を図っております。また、認定農業者に対しては、農業機械の導入に対して補助金を交付するなどにより、直接支払を受けることのできる水田経営所得安定対策への加入を促進しております。
 本市の水田農業は規模が小さく、自家消費用の米づくりが大半を占め、五十アール以上の農家は二百戸に満たない状況にあり、また農業従事者の高齢化を考えると、今後は農作業の共同化などによる集落営農への取組に力を入れ、稲作支援をしてまいりたいと考えております。
 さて、本定例会の冒頭でも申し上げたことでございますが、みどりの移動市長室で豊野町土地改良区を訪ねました折に、豊野町では独自の固定客などの安定した販路を持ち、売上額が千万円単位となる農業経営を行っている果樹農家の組織があることをお聞きいたしました。やる気と工夫で農業が変わるという言葉に感銘を受けた次第であります。このような元気な農家が多くなることを期待しております。
 以上です。

◎産業振興部長(米倉秀史君)
 私から、まず最初に農業後継者対策についてお答え申し上げたいと思います。
 本市では、農業を発展させていくため、新たな農業就業者や後継者育成が必要であるということで担い手育成事業、それから新規就農者育成対策事業等を積極的に推進しております。担い手育成では、認定農業者制度を推進しておりまして、平成十九年度末では二百二十九名の方を認定しておりまして、着実に増加しております。
 また、新規就農者育成対策事業としまして、就農促進奨励金支給事業を平成五年度から実施しておりまして、対象者は近年増加傾向にありまして、十九年度ではこれまでで最多の十七名となっております。
 一方、課題としまして、後継者で組織します長野市農業青年協議会がございますが、今年度は七名の新規会員があったものの、現在の会員は六十五名ということで、ひところに比べて減少してきているのが課題であります。これから、この協議会については、その役割について見直しをしてまいりたいと考えております。
 耕作放棄地につきましては、昨日も答弁しましたけれども、全体で一千五百十・七ヘクタールということで、そのうち耕作不可能というものが五十四パーセントになっているところでございまして、今後長野市耕作放棄地解消対策協議会において進めていきまして、市の解消計画を策定していきたいというふうに思っております。
 リンゴの販路拡大につきましては、長野県では麻布十番信州農林産物祭りや、それから台湾での信州フェアなど開催して販路拡大に努めておりまして、本市でも首都圏で開催します長野市の観光と物産展などのイベントを通じまして販路拡大に努めているところでございます。
 また、地産地消推進計画という市の計画もございまして、地産地消の協力店による販売とか農産物の直売所での販売等を積極的に努めているところでございまして、また長野市農業公社のマーケティング推進部とも連携をしまして積極的に販路拡大に努めているところでございます。
 以上であります。

◎教育次長(篠原邦彦君)
 先ほど議員さんの御質問で、資料がなくて後刻答弁ということで申し上げました。
 十九年度図書に係る交付税六千八百十四万七千円、図書購入額に四千六百七十八万三千円ということで、これが充足していないということでございましたが、このほかに学校図書館の充実のために、司書手当に三千七百万円ほど、それから図書システムの臨時職員や、また図書システムなど、これら経費すべて合わせますと、およそ一億円の経費を支出したものでございます。
 以上でございます。

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