議会報告

2008年9月定例市議会 小林よしかず議員の代表質問

市長の政治姿勢について

原油高騰・物価高に対する市民生活擁護について

非正規職員待遇改善と成果主義人事の見直しについて

平和行政の推進と国民保護法共同訓練

指定管理者制度の見直しについて

消防・防災について

長野駅東口区画整理地内借地・借家人等の生活再建措置について

マンション建設住民紛争とまちづくり条例について

浅川穴あきダムについて

市長の政治姿勢について

 25番、日本共産党市議団小林義和です。
 初めて一問一答方式で質問いたします。持ち時間の中に答弁時間が入っておりますので、時間がちょっと想定できません。質問通告順の変更、あるいは要望にとどめ、今後の委員会論議にゆだねる場合もあるかと思います。理事者の簡潔な答弁をお願いいたします。
 まず、市長の政治姿勢について伺います。

 国政は安倍、福田首相と二人続けて政権を投げ出す事態が起き、正に自公政権の中身、庶民いじめの構造改革路線と、アメリカ言いなり憲法を踏みにじる政治が完全に行き詰まりました。国民は暮らしと平和優先の新しい政治を求めております。
 さて、長野市は1年後が市長選挙です。2001年、鷲澤市長は会社経営者から転身され、聖域なき行政改革、サービス業としての教育、行政に競争原理を、仕事はどんどん民間に任せて、市長はかじ取り、つまりマネジャーに徹すると言い、かじを取ってきた航路は一言で申し上げれば、規制緩和と民営化を主軸とする新自由主義的改革、小泉流構造改革長野市版であります。国政で完全に行き詰ったこの航路に誤りはなかったか、二期目最後の予算編成も進路を変えないのか、市長の市政運営の基本をお伺いいたします。
 当面する市政課題の市長の政治姿勢については、質問者席で順次お伺いいたします。

鷲澤市長

 現在の日本は、国や地方が多額の長期債務を抱え、また少子高齢化という人口構造の変化により、経済も税収も右肩上がりの時代は過ぎ去っているなど、大きな時代の転換期にあると考えます。こうした状況の中で、将来的に持続可能な自治体経営を行っていくためには、行政自身が新しい力、新しい手法を取り入れ、従来の発想を転換していく必要があります。
 そういった意味で、「入りを量りて出ずるを為す」の考えの下で進めてきた財政の健全化や民間感覚を取り入れた効率的な行政運営など、私が今まで進めてきた行財政運営の路線は決して誤りではないと考えております。
 特に、民間活力の導入を軸とした行政改革は私の使命だと申し上げ、指定管理者制度、PFI、保育園の民営化などに積極的に取り組んでまいりました。結果は、まだ不十分であると思っておりますが、引き続きこの路線を継続してまいりたいと考えております。
 今後とも市民サービスの向上と事務の効率化を念頭に置きながら、民間活力の導入、市民と市との適切な役割分担の再構築等により、効率的で持続可能な行財政運営を目指していきたいと考えております。

 また、平成21年度の予算編成については、簡素で効率的な行政経営を実現するべく民間活力の導入等により業務の見直しを行うとともに、昨年度からスタートした第四次長野市総合計画に掲げる重点施策を中心に、必要な財源の重点的な配分による選択と集中を図っていきたいと考えております。
 地方自治体の経営は、今後も厳しい状況が続くものと思われます。本市といたしましては、今後も行政改革に取り組みながら、長野らしさの感じられる魅力と活力のあるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 今、市長の答弁は構造改革路線を変えるつもりはないという、こういう答弁でございました。
 昨日のNHKの世論調査、構造改革路線の見直しを求める、これが47パーセントで断トツでございました。構造改革の名の下で一部大企業のもうけのみを応援し、庶民を痛めつけてきた政治、今立ち往生していることは明らかであります。雇用不安定、賃金所得の低下、税・社会保障の負担増の苦しみ、そこに巨額の投機マネーが原油や穀物など先物市場に流れ込んで物価高騰を招き、庶民生活、農漁業者、中小企業など深刻な事態に陥っていることは周知のことであります。

原油高騰・物価高に対する市民生活擁護について

 そこで、順次お伺いいたしますが、まず原油高騰・物価高に対する市民生活擁護についてであります。

 信濃毎日新聞経済アンケートでは、県内企業の95.9パーセントが原油・原材料の高騰で悪影響がある。63パーセントが製品・サービス価格へのコストの転換が必要であると。40.3パーセントが人員削減などの合理化が必要、政府の経済政策は資源高騰対策、年金医療制度改革を優先せよと答えています。市内のあるクリーニング屋さんは、クリーニングは何から何まで石油製品、ドライの溶剤、ボイラー用灯油、ハンガーやビニール袋までみんな値上げでもうやっていけないと悲鳴を上げています。
 そこで、自治体として国に対し、原油・原材料高を理由とする雇用悪化の防止や価格規制、この冬の福祉灯油など国民の生活支援、中小零細企業の支援、年金、生活保護費等の引上げ、税制の見直しなど、緊急対策を要求するとともに、市独自に市民生活の実態調査を行い、中小企業者などへの直接支援、あるいは新たな融資制度などを検討すべきであります。
 また、平成19年度決算で実質公債費比率が低下したことから、大幅な負担増と補助金削減を押し付ける行政改革大綱実施計画、取り分け市民の生活苦に負担増で追い打ちをかける行政サービスの利用者負担基準、これは見直し、凍結すべきであります。市長にお伺いいたします。

◎鷲澤市長

 原油・原材料費の高騰に伴う雇用の確保等について、国へ要望すべきとの御質問でありますが、本年5月、北信越市長会では、原油価格の高騰等による物価上昇の拡大に対する施策の充実を求める特別決議を行いました。また、全国各地域の市長会からも同様の決議が行われたことを受けた全国市長会では、原油価格の高騰が産業全般に大きな影響を与えていることから、8月8日に国に対して原油価格高騰対策の充実に関する緊急要望を提出いたしました。
 要望内容は、農林水産業や製造業、運輸業の経営安定のため、産業用油種の価格の安定対策と即効性のある新たな補てん措置の導入や資金融通措置等の充実強化を図ること、もう一つは、生活関連製品の安定供給及び価格の安定など、4項目でございます。
 なお、そうした中、8月29日に政府は物価上昇に伴う低所得者等への生活支援策や非正規雇用対策等の推進、中小零細企業等への原材料高騰に対する補償制度の導入などを盛り込んだ安心実現のための緊急総合対策を取りまとめました。今後、政府においては早急に体制を整え、市民生活の安定が確保されるよう、実効性のある対策が行われることを期待しております。

 次に、行政サービスの利用者の負担に関する基準についてお答えいたします。
 これまで各種料金などを算定する際に、統一的な基準がありませんでしたので、行政改革推進審議会に審議をお願いし、その答申を踏まえて7月に市としての基準を定めたところでございます。
 この基準の目的は二つございます。一つは、公益性の度合いに基づいて利用者の負担割合をサービスごとに示すことによって、市民の公平性を確保することであります。二つ目は、コストを出発点にして料金を算定することで市の収入を確保して、少子高齢化など社会の構造的な変化に対応し得る持続可能な行財政運営を実現することであります。
 かつて高度成長の時代には、各自治体が無料又は低料金のサービスを競うといったコストを度外視した行財政運営が行われてきましたが、長期的な視点に立って将来を展望した場合、これからはコストと収入のバランスを考え、行政を正しく経営していかなければならない時代であると考えます。
 したがいまして、議員さんからは利用者負担基準を凍結すべきとの御意見を頂きましたが、以上のような視点に立って、利用者負担の適正化を進めていく考えであります。

 利用者負担の基準ですけれども、最初の段階で政府に対して緊急対策を全国市長会が中心に要求をしていると、これも結構なことで十分にやっていただきたいと思いますが、それと市独自の施策としては、そういう状況を踏まえた上で直接市民の負担になる基準を改めて見直し、こういう状況の中では凍結する、そういうことを改めて要求をしたいというふうに思います。

 それで今、私、市長がかじとり通信というメルマガを出しておりますが、6月に3回連続、長文でお書きになったものを興味深く読まさせていただきましたが、この中で市長は、お金をおもちゃにしたツケはどうなるというタイトルで書いておりまして、投機マネーについて資本主義経済社会がめちゃくちゃにされてしまうと危ぐすると、利益を上げている人がいるはずだ、利益を還元してほしい。このようなシステムを発明した人は重罪と、こういうふうに怒っておいででございます。
 市長は、この6団体で、あるいは全国市長会としてこの事態を受けて政府に要求しているわけですけれども、資本主義の壁を感じておいでなのかどうか、あるいは投機マネーの国際的な規制が必要とお考えなのか、これらは構造改革路線を転換していく、そのことともかかわってまいりますので、改めて市長さんがお書きになったことですので、そのコメントを頂きたいというふうに思います。

◎鷲澤市長

 二つの質問かなというふうに思いますが、資本主義の壁を感じているのかと、あるいは投機マネーというものについてどう考えているんだと、こういうことだろうというふうに思いますが、私は本来の意味の資本主義というのは、やはり額に汗して一生懸命働いて、その働いたことが報われるのが資本主義であるというふうに考えております。
 したがって、壁という意味で感じていることはございません。壁ではなくて、それは間違った方向へ今行き始めているんだと。間違った方向へ少し行き過ぎたんで、それを直そうじゃないかということを主張しているつもりでございます、それが一つ。
 それから、投機マネーうんぬんということでございますが、これも実を言うと、どこまでが投機マネーかということ、最近区別がちょっとつかなくなってきているんでございますが、サブプライムローンというようなものができてきたのは、アメリカで一つの金融工学なるものを発明して、それに基づいた動きというふうに私は思っています。そして、それは本来の資本主義、あるいは我々が学生時代に教わったという言い方がいいかどうか分かりませんが、我々が学んできた資本主義とは相入れないものではないかなというふうに思っておることは事実です。
 しかし、非常に大きな話でございまして、サブプライムマネーのことについてもいろいろ勉強してみましたけれども、メルマガのことをおっしゃいましたので、メルマガで素直に感じたことを私は書かせていただいたと。限界を感じているというよりも、何らかのやはりこれは規制をしていかないとまずいんではないかなというふうに思っていることは事実です。

 以上です。

 何らかの規制が必要だと、ルールある資本主義が必要だと、こういう御答弁でしたので、構造改革路線はそれをゆがめている路線でありますから、引き続きこの点については、ここではこれ以上の議論はしませんけれども、またメルマガにもお書きをいただければと思います。

非正規職員待遇改善と成果主義人事の見直しについて

 続いて、非正規職員待遇改善と成果主義人事の見直しについてお伺いいたします。
 7月、厚労省が発表した2008年版労働経済白書は、非正規雇用と成果主義賃金が労働意欲も生産性も低下させると分析し、その見直しを求める画期的なものでした。労働法制の規制緩和や大企業のリストラ・再編の後押しなど、大企業の成長を労働者の生活より優先する構造改革路線の転換を迫ったわけです。
 市役所が作る官製ワーキングプア、市職員の34パーセントが月給13万円から15万円、非正規の嘱託・臨時職員です。3月議会の私の質問に対して市長は、実態を認め、嘱託保育士の賃金の見直しの検討を約束いたしました。その後、8月に人事院勧告が出まして、初めて非常勤職員の賃金改善指針を出し、常勤職員の高卒初任給を参考に決定せよと勧告しました。この労働経済白書や人事院勧告の立場で保育士を初め、すべての非常勤職員の待遇を根本的に改善すべきです。3月議会答弁の検討状況も含めて見解をお伺いいたします。
 そして、併せて成果主義の問題でありますが、昨年6月議会で私は、成果主義的人事管理は職員の心身をむしばみ、全体の奉仕者としての公務員にはそぐわないと質問しました。市長は、この制度は完璧でない、職員のやる気をどうしたら出せるか、何もやらないわけにはいかないしと、迷っておいででした。
 労働経済白書に沿って人事評価を昇給や勤勉手当に連動し、競争をあおるようなことはきっぱりやめて、職員が市民全体の奉仕者として協力し合って生き生きと働ける人事制度にすればすっきりします。明快な答弁を求めます。

◎鷲澤市長

 初めに、私が約束をしたというふうなことをおっしゃいましたが、私は約束はしておりません。検討をするというふうにお約束をしたわけでございまして、もう何か決めたというふうな御発言は慎んでいただきたいと思います。

 まず、非正規職員待遇改善についてお答えいたします。
 専門職を含む非正規職員については、その責任の度合いや職務内容、業務の専門性、求職状況などを判断する中で勤務条件を定めております。3月議会でも質問のありました保育士については、県内市においては、保育士賃金を見直す動きもありますので、その専門性や責任の度合いなどを考慮しながら他都市の動向も勘案し、今後改めて見直しを検討してまいりますと申し上げたところでございます。

 現在、保育課において平成20年度の他都市の状況、例えば賃金額、あるいは経験年数、能力の考慮の有無、あるいは見直しの経過などでございますが、他都市の状況について調査をしておりますが、多くの都市が改善に向けて翌年度の予算編成までに検討を進めたいとしている状況でございます。今後、調査により得られた情報を検討する中で、見直しをできたらやりたいというふうに考えております。
 非常勤職員全体の賃金については、改正最低賃金法の施行を受け、本年8月に地域別最低賃金の引上げ額が示されており、一つの指針としてまいりたいと考えております。
 また、議員さんから御指摘のありました人事院勧告でありますが、当該非常勤職員と類似する職務の常勤職員に適用されている俸給表の1級1号の月額--本市では4月現在、月額13万5,600円ということだそうですが、これをベースに職務内容、在勤する地域、職務経験等の要素を考慮して決定することとしております。今後示される具体的な内容、勧告を受けた国や他都市の動向等を見極めた上で検討してまいりたいと考えております。
 次に、本市の人事評価制度については、職務行動を評価する能力評価と職員自らが設定した目標に対する達成度を評価する業績評価の二つを柱としております。すなわち職員一人一人がその職務に応じて期待される職務行動ができるよう努力し、目標達成に向かって職務遂行するための制度であります。
 私といたしましても、人材の育成により、市民サービスの向上を図り、組織の活性化と働きがいのある職場を作るためには、必要な制度であると考えております。
 評価の結果については、既に人事異動等に活用しておりますが、今後は給与処遇等を含めた具体的な制度構築を進めてまいりたいと考えております。しかしながら、これは職員間の競争を目的とするものではなく、一つには、努力した職員が正当に評価され、報われる制度として職員のやる気を引き出し、お互い切磋琢磨する中で能力を高め合いながら、より良い職場づくりを行おうとするものであります。
 議員さん御指摘のとおり、職員が全体の奉仕者として協力し合って働くことができる制度となるよう更に改善、充実を図ってまいります。今後、具体的に制度構築を進めてまいりますが、この制度の成否のポイントは評価方法、内容などいかに信頼性の高い、職員にも納得の得られる制度とすることができるかにかかっていると思っております。
 いずれにいたしましても、公務員の評価制度はどの自治体においても試行錯誤しながら構築の途上にあります。本市においても、成功している他の自治体や先進的な民間企業の状況も十分参考にしながら、慎重に検討を進め、職員が意欲を持って生き生きと仕事を進め、市民サービスの向上につながる制度となるよう努めてまいりたいと考えております。

 先ほど私、見直しの検討を約束しましたと申し上げましたので、慎めというような意見を市長から言われることはないと思いますが、それはむしろ慎んでいただきたいというふうに思います。しかし、検討をされているようですので、是非前へ進めていただきたいというふうに思いますが、今、職員は大変この人事制度について実感できない、そして取組に満足できないというふうにアンケートに出ていると思いますが、その辺、総務部長はどんなふうに分析をされているか、お伺いをしたいと思います。

◎鈴木総務部長

 今、小林議員から再質問をいただいたわけでございますが、昨年8月にアンケートを実施いたしました。人事評価を理解しているという職員は約半数と、まだまだ低いという結果が出ています。また、先ほど市長から申し上げましたように、昇給や勤勉手当等に活用するということに賛同している職員は約半数ということで、この辺も改善の余地があろうかなと思っております。
 いずれにしろ、最近は企業等においてもこの成果主義の評価といったものが見直しの傾向にあるというふうに聞いております。市といたしましても、この業績評価の課題がこのアンケートで幾つか分かったわけでございます。特に、必要なことは分かりやすい仕組みにしたらどうかと、それから評価方法について客観性、信頼性を高めるような方法はどうかと、こういうことでございます。
 先ほど市長が申し上げましたように、こういった評価結果に基づいてこれから給与処遇への活用、そういったものを今後検討してまいりたい。
 いずれにしろ、私とすれば、いろいろな角度から評価をするということが必要なんですが、特に部下への指導姿勢そういったもの、また行動規範の遵守、こういった数字に表れていないもの、こういったものも評価の要素に入れるべきであると、こんなふうに私は感じております。
 以上でございます。

平和行政の推進と国民保護法共同訓練

 それでは、次の質問に移ります。
 平和行政の推進であります。

 戦争と平和を考える8月、広島市長平和宣言は、核兵器は廃絶されることだけに意味があるとこのように述べ、また長崎市長は、アメリカの核政策を推進してきたキッシンジャー元国務長官ら4名が発したアピール、核兵器のない世界に向けてを紹介し、核保有国に名指しで核兵器廃絶を求め、来年の長崎市開催の平和市長会議総会で、2010年NPT再検討会議に向けて、世界と日本の非核宣言自治体にも運動を呼び掛けると言いました。
 平和の祭典五輪開催都市・非核平和宣言都市長野市もこの輪に加わり、日本非核宣言自治体協議会、そして平和市長会議への加盟、そして市役所内に平和行政部署を設置していただきたいと思います。4度目の質問であります。前進した答弁をお願いいたします。

 最後は、11月26日に予定されております国民保護法共同訓練であります。
 共産党市議団は、国民保護法に基づく長野市国民保護計画の策定に反対しました。憲法9条を変え、自衛隊を海外に派兵し、そして臨戦態勢の銃後の社会を地域に作っていく国民保護計画のねらいです。今、市民が求めているのは米軍や自衛隊の軍事行動に地方自治体や住民を動員する有事法制のための訓練ではなくて、大きな災害から市民の命、暮らしを守る自治体主導の災害訓練であります。共同訓練は返上すべきです。市長の決断をお伺いいたします。

◎鷲澤市長

 まず、日本非核宣言自治体協議会と平和市長会議への加盟をとのことでございますが、いずれの会も趣旨には賛同いたしますが、長野市といたしましても、平和都市宣言に基づき平和行政を進めております。協議会等に加盟することにより、本市の平和推進にさらにどのような効果があるかの判断が重要であり、その点について今後、更に見極める必要があります。
 また、平和行政を進める部署の設置につきましては、これまでもオリンピックムーブメントの普及啓発を通じたスポーツ振興や一校一国運動を初めとする国際交流の推進、長野市民平和の日のつどいの開催など、それぞれ部局ごとに携わっておりますことから、今後も庁内全体において幅広い部署で平和の推進に取り組んでいくことが重要であると考えております。

 続いて、国民保護共同訓練についてでございますが、国民保護法は武力攻撃やテロなどの緊急事態が発生した場合に、国民の生命、身体及び財産を守るために国、県、市などの役割や国民保護措置を行うための体制整備、訓練、啓発活動の実施などを定めたものであります。
 私は、市民の生命、財産を守ることは行政に課せられた最大の責務であり、基本的な使命であると認識しております。また、テロなどの危機発生時に国、県、市などが連携し、迅速かつ的確に対応できるよう平時から訓練を行い、非常事態に対処することは必要かつ重要なことであります。
 今回の国民保護共同訓練は、長野オリンピックの開催を契機に競技場が整備され、数多くの国際的なスポーツ大会などが開催されていることから、訓練会場に選ばれたものであります。
 また、訓練内容は住民の避難、誘導、救援、情報伝達などであり、地震等の大きな災害にも十分対応できる訓練であります。特に、この訓練においては、職員の対処能力の確認と検証を行い、今後の大規模災害や不測の事態に対処できるものであります。
 私は、我が国の基本理念である平和主義は、今後も尊重されるべきものと考えております。また、武力攻撃等の発生を未然に防ぎ、国民の安全を確保するに当たり、国は最大限の外交努力を行うことが第一であり、最も重要な責務であります。
 しかしながら、こうした外交努力にもかかわらず、万が一あってはならないテロなどの危機発生事象に備える訓練を行うことは、市民の生命の安全を確保するため、本市にとっても必要なことであると考えておりますので、御理解をお願いいたします。

 県内では松本市、それから札幌市は、いずれも両方に加盟をしているということを申し上げておきたいと思いますが、世界中、日本中の都市と手を結んで平和を求めていく、すばらしいことだと思うんですが、再検討をお願いしたいと思います。
 それから、国民保護計画は、病院、学校、公民館などの公共機関を指定公共機関として国の方針に従わせて責務を課すということで、地方自治を壊す、こういうものであります。不参加を改めて申し上げておきたいと思います。

指定管理者制度の見直しについて

 それでは、次の質問ですが、指定管理者制度の見直しについてお伺いいたします。

 指定管理者選定委員会は、今回142施設を選定いたしました。そこで伺いますが、勤労者女性会館しなのきの指定管理者は、株式会社電算、信学会、守谷商会、日本連合警備、アシスト株式会社の共同事業体ですけれども、今回は応募せず未選定です。なぜなのか伺います。
 6月、総務省が指定管理者制度の在り方を検証し見直せと、事務次官通達を出しました。選定の基準設定は、公共サービスの水準確保の観点が重要、適切な評価は当該施設の態様に応じて公共サービスに専門的知見を有する外部有識者等の視点を導入することが重要、協定等には必要な体制に関する事項、リスク分担に関する事項、損害賠償責任保険等の加入に関する事項をあらかじめ具体的に盛り込むこと、委託料は適切な積算に基づくものであるなどであります。
 長野市のモニタリング評価は、市役所内部の施設所管課が行い、今年度の委託料予算も3パーセント、7,600円も削減いたしました。総務省通知から逸脱しております。今後、非公募選定などの拡大や施設職員の配置基準、賃金、労働条件の市職員準拠、そして指定管理者変更時の当該職員の雇用の継続などを公募要件にするなど、業務の安定、継続、質が担保される選考基準と委託料の改善をする。そして、第三者によるモニタリング評価機関の設置、選定委員会の原則公開など抜本的な改革を行うべきであります。総務省通知に対しても、今後どのように検証し、見直すのか見解をお伺いいたします。

◎松倉行政改革推進局長

 それでは、御質問の指定管理者制度の見直しについて幾つかお答えいたします。

 まず、勤労者女性会館しなのきの応募がなかったということでございますが、現在の指定管理者が引き続き応募するのではないかというふうに皆さん推測されたのではないかと、それから施設の内容とか規模から自主事業の展開がなかなか難しい部分があったのかなと、それから駐車場が少ないということなどが考えられます。
 次に、6月に総務省から出されました留意事項に関する通知、議員さん通達とおっしゃいましたが、通知についてでございますが、今後検討、検証、見直しをしろということが幾つかございます。
 まず、戸隠観光施設等のような非公募選定の拡大につきましては、本市で定めております公募によらない指定管理者の選定に関する指針を適正に運用し、選定しております。
 それから、施設職員の労働条件、雇用継続といったものを公募要件、あるいは選考基準とすべきということにつきましてですが、当該部分は、指定管理者の裁量の範囲内とかねがね考えてございまして、雇用主の責任として法令等を遵守することは当然の責務であることから、公募の要件や審査基準とすることは考えておりません。
 それから、第三者によるモニタリング機関の設置ということでございますけれども、評価者の資格、評価基準、あるいは委託の費用、取り分け第三者に任せるということになりますと、設置者としての市の監督・指導責任への影響等の課題がございます。他市の状況等も踏まえ、検討していきたいと考えております。
 それから、選定委員会の公開ですけれども、これもかねがね提案内容の私的利用権、あるいはノウハウ、財務状況、それから信用力といったことに言及することから、非公開としているものでございます。
 いずれにいたしましても、この六月の総務省から示されました留意事項の各項目につきまして、本市ではおおむね適切、妥当に対応していると考えておりますが、更に検証すべき部分について情報収集し、必要に応じて見直してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 適切でないので質問をしたんですが、検討を更にしていただきたいと思います。
 そして、しなのきの問題ですが、モニタリング調査を見ると、集客施設でありながら危機管理マニュアルがない、それからクレームの処理がされない、書類の整備がされない、こういうずさんな運営がされて投げ出したような状況ですよね。これまだ来年の3月まで管理運営が続くわけですが、この辺は安全・安心についてどのような保障をされるのでしょうか、お伺いいたします。

◎松倉行政改革推進局長

 個々の担当課の方で必要性、あるいは緊急性の中で対応しているというふうに承知してございますけれども、当該部分については必要な改善はできたというふうに聞いておりますけれども、更に再確認をした上で進めたいと思います。おっしゃるとおり、あと半年ほどの期間がございます。
 以上です。

消防・防災について

 続いて、消防・防災について一括してお伺いいたします。

 まず、消防の広域化について、県の2本部の推進計画に対して長野市は4本部案で望むとしています。長野県は2012年度末までに広域化すれば、国の財政支援が見込めるため、同年度末広域化の計画です。
 しかし、消防は市民の命と財産を守ることが使命。時間との勝負であります。広域化でなく人員の充実など、地域の消防力強化こそ必要。広域化で基準オーバーとなった消防車が削減され、人員不足も覆い隠されます。三重県が県内消防職員2,379人に行ったアンケートでは、約8割が広域化に否定的でありました。群馬県では、職員の地理不案内など検討課題が多いので、2016年度末までに設定をすると。山口県市長会は、統合実施前に各市町村との十分な協議を求める議案を全会一致で可決したそうであります。
 そこで、長野県も拙速に来年度末までに再編後の組織機構をまとめるのではなく、徹底した情報公開と、幅広い市民や消防団などの参加で十分な時間をかけて議論をすべきですが、長野市としての見解を伺います。

 続いて、小・中学校の耐震化についてであります。
 学校施設の3年間前倒しの耐震化見直し計画が発表されました。これまで共産党市議団も計画の前倒しを求めてまいりした。市長は、記者会見で財政問題と耐震設計で3年前倒しが限度と答弁しましたけれども、根拠は何か。具体的な財政推計と見直しと、39棟の補強や改築の個別の年次計画、B、Cランク施設の平成31年度までの年次計画、二次診断の日程、PTAや関係住民への具体的な説明はどのように行っているのか伺います。
 長野市の耐震化率57.8パーセントは、全国平均62.3パーセントや県内19市平均を下回っており、耐震化は市政の重要課題でありますけれども、財源のことを言うならば、例えばごみ焼却施設の規模やほかの大型公共事業の見直しを行うべきではないか。また、国の補助率のかさ上げがIs値0.3未満のみを対象に3年の時限措置であること、改築は基準が厳しく、長野市には補助金かさ上げの該当施設がないこと、これらの改善や特別措置の対象の拡大など、国に強く求めるべきです。答弁を求めます。

◎峰村消防局長

 私から、消防の広域化についてお答えいたします。

 消防の広域化については、国の方針のとおり、大規模災害への対応能力や財政基盤の強化のため避けては通れないものと認識しております。議員さん御意見の研究協議会で、新消防本部の組織などを決めるのではなく、市民等への徹底した情報公開については、市のホームページ等により情報公開を行い、また消防団には各種会議の開催に合わせて検討内容を説明し、これから始まる研究協議会の専門部会に反映させてまいりたいと考えております。
 次に、十分時間をかけて議論すべきとの御意見ですが、国の財政支援を得るには、平成24年度中に広域化を実現させる必要があります。このため平成22年度までに消防体制の充実などのスケールメリットだけではなく、組織やエリア拡大による課題についても調査研究を行い、広域化の枠組みや運営方式等を決定する必要がありますので、御理解をお願いしたいと思います。
 私からは以上です。

◎鷲澤市長

 小・中学校の耐震化について、何点か御質問を頂きました。

 まず、耐震化計画の見直しについて、3年の前倒しが限度と言った根拠は何かとの御質問でありますが、この耐震化計画の見直しに当たっては、今後耐震性を確保していかなければならない学校施設が159棟残っている現状を踏まえ、耐震化の完了までに何年の期間を要するのか、財政上の問題のみならず、耐震化を請け負う事業者の確保、取り分け構造計算を専門とする一級建築士への業務の集中などを考慮した上で、3年の前倒しが実現可能な計画であると判断したものであります。
 また、耐震化を推進するため、ごみ焼却施設の規模や他の大型公共事業の見直しを行うべきとの御意見をちょうだいいたしました。学校施設の耐震化のみならず、ごみ焼却施設の建設も市政における最重要課題の中にあって、市民のために真に必要な事業・施策をしっかりと見極め、財政の健全化に配慮しつつ、それぞれの事業・施策を着実に実現することであると考えております。
 次に先般の法改正による国庫補助率のかさ上げ措置につきましては、Is値の制限のみならず、改築の要件としてコンクリート強度に対する基準が付されるなど、非常にハードルの高いメニューとなっており、現在改築を計画している学校施設への活用は見込める状況にありません。こうしたことから、さきの県市長会においてかさ上げ措置の要件の緩和や特例期間の撤廃若しくは延長などを国へ要望することを採択し、北信越市長会へ提出することとしたところであります。
 今後とも耐震化の一層の推進に向けて国の支援措置の改善、拡充が図られるよう働き掛けてまいります。

◎篠原教育次長

 小・中学校の耐震化につきまして、ただ今、市長からお答えいたしましたそのほかの御質問につきましてお答えをさせていただきます。
 まず、耐震化計画に伴う財政推計につきましては、過去の改築や補強工事の実績から算出すると耐震化の総事業費は500億円程度を見込んでおりまして、財源といたしましては、国庫補助金や交付税措置のある有利な起債を活用し、負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
 また、耐震化の年次計画につきましては、先ごろ耐震診断結果に合わせまして、優先度ランクに応じた目標年次を公表したところでございますが、各施設ごとの年次計画につきましては、まだ第二次診断を必要とする建物もありますことから、その結果によりましては、優先度の変更もあり得る状況の中で、公表は適当ではないと判断をしております。
 次に、第二次診断の実施につきましては、現在、計画的に進めているところでありますが、耐震補強による対策を予定している建物につきましては、来年度までに完了させてまいりたいと考えております。
 次に、PTAや地域住民、市民の皆様への説明につきましては、個別に説明会を開催するようなことは実施しておりませんが、市のホームページへ耐震診断結果の公表資料を掲載したほか、先月4日に開催された校長会において資料を配付し、説明をしてございます。
 また、元気なまちづくり市民会議において学校施設の耐震化を議題とされた地区も何か所かあり、こうした場を通して、具体的な説明をさせていただいているところでございます。
 私からは以上でございます。

長野駅東口区画整理地内借地・借家人等の生活再建措置について

 それでは、次の質問に移りますが、長野駅東口区画整理地内借地・借家人等の生活再建措置についてであります。

 借地、借家、アパート居住者など区画整理によって家を失う住民の生活再建措置をすべきと、これまで何度も質問いたしました。安心して東口地域に住み続けたいというのが皆さんの願いです。そのために、都市計画法第74条で生活再建措置として代替地や建物の取得、職業の紹介、指導、訓練などを規定し、市条例では従前居住者用住宅を設置しています。ところが、持ち家優先で集団移転の仮住居使用を決め、本来の権利者の入居を排除、地域外に移転させています。従前居住者用住宅に入居している人もいる中で、不公平だと声は大きくなっております。
 これまで借地、借家、アパート居住者で、区画整理で家を失った人は何人で、そのうち従前居住者用住宅入居者、市営住宅入居者、地域外の民間アパートや借家に移転せざるを得なかった人、今後移転しなければならない人等、区画整理地内住民の実態を明らかにしていただきたい。従前居住者用住宅に入れず、民間住宅など他に移転した人の家賃差額補償など、法律で補償する生活再建措置について、長野市はどのように実施しているのか伺います。

◎竹前駅周辺整備局長

 まず、御質問の中にあります都市計画法第74条に規定されている生活再建措置についてでございますが、この条項は都市計画事業の実施に伴い、土地や就労先等を失うものに対して事情の許す限り必要な措置を講ずるよう努めることとしておりますが、土地区画整理事業において原則的に従前の土地にありました権利関係を換地先に移転させる事業であり、借家人につきましても、換地先の借家に戻っていただくことを基本として、個々の御事情に即した移転補償をさせていただいております。このため土地区画整理法第3条の4におきましては、都市計画法第74条の適用を除外しているところでございます。
 一点目の御質問の借家人の移転の状況でありますが、平成17年度までの数値につきましては把握してございませんが、平成18年度、19年度に移転に御協力いただきました借家人は105世帯でございまして、このうち地区内で新たに建設された借家に移転された方は25世帯、地区外へ移転された方は80世帯でございました。いずれも個別に御事情を伺いながら、公営住宅及び民間住宅等を御紹介させていただき、移転に御協力いただいております。
 そして、移転先の内訳につきまして、この2年間に従前居住者用住宅に入居された方はなく、またこのほかの市営住宅及び民間住宅へ移転された方々の数値につきましては把握してございません。また今後、移転をお願いしてまいります借家人につきましては、146世帯と把握してございます。この方々につきましても、個々に御要望などを伺いながら、一層親身な対応に努めてまいりたいと考えております。

 次の民間住宅に移転した借家人に対する生活再建措置の状況につきましては、先ほど申し上げましたとおり、個々の御事情を伺った上で、新たに民間住宅等を借りるための一時金、家財などの移転料、引越しのための休業補償及び標準的な家賃と現在家賃との差額などを補償させていただいておりますが、その内容につきましては、生活再建措置の観点からも、今後実情に即した補償について十分研究してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、従前居住者用住宅につきましては、事業の長期化に伴い、住民の高齢化と住宅の老朽化が進む中、一日も早く事業を完了させてほしいという住民の皆様の強い思いにこたえるため、平成28年度事業完了を目指し、集団移転整備方式を全地区で推進しており、このため仮住宅として当面の間、利用していく方針でございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

 家賃差額補償の基準などもあるわけですけれども、現実に今、駅周辺整備局ではこの生活再建措置を実施していないと、こういう認識であるというふうに聞いております。
 先ほどの区画整理法の規定がどうのこうのと言っておりましたけれども、土地収用法に基づくこの借家人と同じ扱い、そこに根拠があるわけですから、この生活再建補償というのは当然すべきものであります。再度この辺の認識について明らかにしてもらいたいことと、それからこの街に暮らす市民のことですから、17年度以前が分からないとかそういうことじゃなく、実態を調査し、明らかにしていただきたいと思います。その点について再度質問いたします。

◎竹前駅周辺整備局長

 まず、私どもの借家人への補償の基準でございますけれども、これにつきましては、土地区画整理法第78条に規定してございます通常生ずべき損失補償としての仮住宅補償を行っているというものでございます。
 この借家人補償については、いわゆる第一義的には、借家の所有権者たる大家さんにまず住宅を再建していただいて、引き続き借家人にお住みいただくと。そのための必要となる仮住宅について補償するといった内容で補償基準を作成しているというものでございます。
 それから、2点目の平成17年度以前の資料の説明がないじゃないかとおっしゃられましたので、いずれにいたしましても、以前の状況につきましては、今のところ資料としては集計できなかったわけでありますけれども、いずれにいたしましても、そこに住んでいる借家人の皆さんが今後ともまちなかに居住できるような環境を駅周辺整備局といたしましても、これから整備してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 あと家賃差の補償は、年度も4年、3年、2年で更にそこを1年延ばす、こういうことも規定されているわけですよね、基準の中にあるわけです。これに沿って現実にやっていないという実態がありますので、この点については更にきっちりと調べていただき、借家人等の皆さん方の生活権を保障していただくように要望をしておきます。

マンション建設住民紛争とまちづくり条例について

 続いて、マンション建設住民紛争とまちづくり条例について伺います。

 建築確認の民間委託や都市再生特別措置法による規制緩和などでここ数年、市内でもマンションが建設ラッシュで、住環境や景観破壊など大変大きな問題になっておりまして、建設反対運動も増加の一途であります。市が事業者と近隣住民の紛争のあっせんや調整を行うとして、平成17年度に策定した中高層建築物の建築に関する指導要綱、この効果と限界はどうなのか、まず伺います。
 それから、私は、地区計画やまちづくり条例の策定についてこれまで何度も質問をし、提案をしてきましたが、長野市のマンション乱開発を見て、改めて都市計画法に基づき住民参画で法的規制の手段となり得る地区計画の住民届出制度の活用や新たにできた景観法に基づき長野市でも策定された景観計画と景観条例の景観地区の住宅地などへも拡大をする。さらに、特別用途地区や高度地区の活用を図ることなども提案をいたしますが、これらを踏まえた住民が主人公のまちづくり条例の策定が必要です。これまでの市の取組と今後の方針についてお伺いいたします。

◎鷲澤市長

 マンション建設住民紛争とまちづくり条例についてお答えいたします。

 都市計画法に基づく地区計画制度や景観条例などの導入に当たっては、地区の景観や居住環境などを含めた総合的なまちづくりが必要となるため、建物景観の統一や壁面後退など、一定の建築規制となり、土地利用に関する私権の制限や経済的負担も伴ってまいります。
 また、建物の高さが制限されることにより高度利用ができなくなるほか、土地の潜在的な評価が下がることなども予想されることから、地区計画制度などを導入するには地区内の権利者の十分な合意形成が不可欠となります。
 長野市では、これまでに地区内関係者の合意が得られた具体的な例としては、飯綱西区での自然環境保全のために地区計画制度を導入しているほか、良好な住環境形成のため8地区の土地区画整理事業にも地区計画制度を導入しています。また、善光寺周辺や松代地区では、特徴ある歴史的街並み景観を保全するため、景観計画による景観計画推進地区の指定に合わせて高さ制限を行っております。
 今後、新たにこのような制度の導入が必要な地区においては、住民の皆さんが十分議論・検討し、合意が得られない限り導入は難しいものとなりますので、関係住民がまちづくりを進める意識を持って主体的に参加することが重要となります。
 これまで市といたしましても、元気なまちづくり出前講座などにより地域のまちづくりに対する市民意識の醸成を図ってまいりましたが、今後は市全体のまちづくりの在り方とともにより良い景観や住環境を作っていくための地区計画や高度利用地区等の各種制度について研究してまいりたいと考えております。
 また、まちづくり条例につきましては、地方分権の時代において主権者である市民の皆さんが地域づくりのルールを定め、事業者や市と協働でより良いまちづくりを進める制度でございますが、本市においては、まだ十分な議論がなされているとは言えない状況でありますので、今後広くいろいろな御提案をいただきながら議論することが重要と考えております。
 私からは以上です。

◎内山建設部長

 私から、中高層建築物の建築に関する指導要綱の運用、効果、限界についてお答えいたします。

 この要綱は中高層建築物の建築に関しまして、事前の公表、紛争の予防、調整などについて定められておりまして、このことにより良好な近隣関係を保持することを目的としております。
 まず、建築主は建築確認申請を行う前に、建設予定地に計画内容を記載した標識板を設置し、近隣住民に周知することになっております。標識板を設置した場合は、その旨を市に届けることになっており、市は関係区長に通知し、必要に応じて説明会の開催を建築主に求めていただいております。説明会が開催された場合は、その結果を市に報告することになっており、その後のあっせんの参考にしております。
 平成17年から現在までの間に届出を受けた建築物は、95件となっております。そのうち3件についてはあっせんが行われ、一件は階数の変更により、一件は配置の変更により解決しましたが、もう一件は解決できませんでした。
 お尋ねの効果と限界でございますが、事前に公表することによりまして、計画の概要、施工方法などについて周辺住民があらかじめ知ることができ、誤解やトラブルの防止になっている点は効果があると考えておりますが、あっせんに持ち込まれる高さなどについては、話合いがつかないケースもありまして、要綱に限界があると考えております。
 以上でございます。

 時間が迫っておりますので、6番、認知症高齢者グループホーム整備の促進については、建設補助対象を医療生協や農協、高齢者生協など生活協同組合にも拡大し、一地区複数の建設も認めること、7の質問は、市立公民館は社会教育法の理念に沿って直営を堅持し、充実を図ること、以上を要望しておきます。

浅川穴あきダムについて

 浅川穴あきダムについてでありますが、県は浅川ダムの詳細設計に移行するためとして水理実験を行いましたが、この水理模型実験のずさんさ、非科学性はこれまで報道されておりますとおり明らかであります。共産党市議団も全員参加をし、観察をしてまいりました。市の職員も参加されたことと思います。
 長野市民の安全で安心な暮らしを守るのが市長の仕事であります。これまで指摘もされてきた活断層の問題も含めて徹底的な検証を行うまで、この水理模型実験は県も新たに実験は成功というだけではないと、更なる実験と詳細な検証を行うということを言っておりますが、この点について市長としても県に厳しく要請されるようお願いしたいというふうに思いますが、この議会で市長は、議案提案で一言も浅川問題に触れませんでした。改めて簡潔に見解をお伺いいたします。

◎鷲澤市長

 大きく二点について御質問を頂いたと思います。

 まず一点目は、浅川ダムの公開模型実験に対する市の評価はどうかという御質問だろうと思いますが、今回の公開実験はダム周辺の地形を25分の1に縮小して再現した全体模型により常用洪水吐き、流木捕そく工及び減勢工の機能、下流河道への影響の4項目について検証を行ったものであります。
 実験で用いられた水量や土砂、流木については模型という限られた条件の中で想定される状況を可能な限り再現して行われたものと理解しております。また、心配する声もあった常用洪水吐きが土砂や流木により閉そくすることもなく、その他の検証項目についても、所要の機能が確保できていることが確認されたことは大きな成果であったと考えております。
 県では、今回の模型実験を含むダムに関する様々な質問等に対して、今後とも説明責任を果たしつつ、更に実験の検証を重ね、詳細設計に反映していくと聞いており、市としても引き続き注視してまいりたいと考えております。
 次に、二点目の都市型水害と内水対策の強化を盛り込んだ浅川河川整備計画の見直しを県に申し入れるべきとの御質問についてお答えいたします。
 昨年8月に認可された浅川の河川整備計画には、河川改修やダムによる外水対策のほか排水機場の整備を行う内水対策が位置付けられており、さらに遊水地の設置を初めとする対策については、土地利用の在り方など多角的な観点から地域住民と連携して検討を進め、更なる安全度の向上を目指すとされております。
 市としては、現計画を着実に進めていくことが重要と考えており、現時点で河川整備計画の見直しを県に求めることは考えておりません。

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