議会報告

2007年12月定例市議会 原田のぶゆき議員の代表質問

市長の政治姿勢について

行財政運営について

都市内分権について

指定管理者制度について

信州新町との合併について

NTTコールセンター契約について

30人学級の拡大について

後期高齢者医療制度について

障害者自立支援法について

保育行政について

子供の医療費無料化について

生活保護行政について

産科について

浅川治水問題について

東豊線延長と長野豊野線交差点の信号機設置について

 二十七番原田誠之です。日本共産党長野市会議員団を代表して質問します。
 最初に、先日我が党市議団は、市長に対し三百四十三項目にわたる予算要求をいたしました。前向きな御回答をまずお願いしたいと思います。

市長の政治姿勢について

 まず、市長の政治姿勢についてであります。
 参議院選挙で国民が下した自公政治ノーの審判は、日本の政治に新しい局面を開きました。小泉・安倍政権により、国民の声を無視し、悪法をごり押しする政治が繰り返されていました。福田政権でポーズだけでも国民の方に顔を向けないと政治が進まなくなり、世論の動きが政治を動かす新しい情勢となっています。教科書改ざんで沖縄の島ぐるみの闘いで、首相は県民の思いを重く受け止めると言い、後期高齢者医療制度も障害者自立支援法も見直しせざるを得なくなりました。国民の声と闘いで政治は動く、今実証されつつあります。
 市長は、この国民の新しい動向を謙虚に受け止め、自らの政治姿勢に生かすべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、自衛隊の艦隊撤収と憲法九条についてであります。
 テロ特措法が期限切れとなり、インド洋で米軍の給油活動をしてきた海上自衛隊の艦隊が撤収しました。憲法違反の自衛隊が国民世論を受け、政府の方針に反して撤収されたのは歴史的出来事であり、国民の世論と運動の画期的成果でもあります。
 アフガンでは、米軍の対テロ戦争が行き詰まり、アフガン上院で米軍に対し軍事掃討作戦の中止を求める決議をしています。日本が今やるべきことは、軍事掃討作戦の中止を米国政府にきっぱりと言うべきであります。イラクの戦争もアメリカが国連の承認もなしで開始した無法な戦争であることは、国際社会の圧倒的多数の声であり、米軍支援の自衛隊は、速やかに撤退されるべきであります。
 また、安倍内閣の崩壊は、改憲の動きに対する参議院選での国民の審判でもあります。市長は憲法改定に肯定的ですが、参議院選で示された国民の声を受け、憲法の九条を守ることこそ、長野市平和宣言都市の精神も生きるのではないでしょうか、見解を伺います。

 次に、社会保障財源を消費税に求めることについてであります。
 政府税調答申は、社会保障財源を消費税で賄うと述べ、さらに法人実効税率の引下げも求め、首相も同様のことを言っています。貧困と格差を広げる消費税増税はすべきではありません。個人消費を冷え込ませる自民・公明による増税、負担増路線をやめさせ、日本経済を庶民が実感できるような軌道に乗せるためにも大企業、大資産家への応分の負担を求め、軍事費を削り、暮らし、福祉など家計を温める政治への転換が求められています。市長に見解を伺います。

◎鷲澤正一市長

 原田誠之議員さんの御質問のうち、初めに私の政治姿勢に関する御質問にお答えをいたします。
 議員さんからは、今回の参議院選挙の結果を受けて、国民の声、国民の闘いで政治は動く、この国民の新しい賢明な動向を謙虚に受け止め、政治姿勢に生かすべきではないかとの御質問を受けました。
 確かに、国政が大きく変わった参議院選挙でありましたが、私は、今回の選挙により与野党が逆転し、話合いの基盤が作られたことは、政党政治を行う上で大変好ましい状況であると考えております。また、民主主義社会において、国民の声で政治が変わることは当たり前のことであり、その声を真しに受け止め、国民生活を守ることが政治の使命であると思っております。
 もちろん市政においても同じことであります。今後の市政運営に当たりましても、これまでと同様に無私他利の精神の下、常に市民に基軸を置き、その声に十分耳を傾けながら、本市の発展と市民福祉の向上に努めてまいる所存でございます。
 次に、憲法九条についての御質問ですが、毎回お答えしておりますとおり、私は、他国に武力をもって絶対に侵略をしないという平和主義の原理は、堅持していかなければならないと思います。しかし、他国からの侵略行為に対して自国を守るのは当然のことであり、そういう意味からも、私は、憲法を決して不磨の大典にしてはいけないと考えます。
 世界平和に積極的に貢献する平和主義国家としての立場を明確にしつつ、今後も国民の幅広い議論を経て、不断の努力により国民の意思を十分に反映したものにしていかなくてはならないと考えております。
 続いて、社会保障財源を消費税に求めることについてお答えをいたします。
 現在、我が国は国と地方を合わせて七百七十三兆円もの長期債務を抱え、その健全化は喫緊の課題であることは言うまでもありません。一方、高齢化の進行に伴う社会保障経費は増加の一途をたどり、毎年度の国の財政運営に重くのし掛かっているところであります。国民が安心して暮らしていくためには、この社会保障に必要な財源を将来にわたり安定的に確保していく方策を見いだすことが、我が国に課せられた大きな課題でもあります。現在国においては、この相反する大きな課題の解決に向け、様々な議論がなされているところであります。
 そのような中、先月政府税制調査会から来年度の税制改正に向けた答申が出されました。日本の将来を見据えた様々な改革の必要性が盛り込まれておりましたが、消費税については、景気に左右されにくく安定した税収が期待でき、さらにはあらゆる世代が公平に負担する税であることから、社会保障財源の中核と位置付け、将来的な税率引上げの必要性が明記されたところであります。
 この答申を受け、今後、国政の場において議論がなされることになりますが、私は、現在の我が国の税制度は、社会の変化との間に大きなギャップやひずみが生じてきており、国民の生活の変化に応じた新たな税体系の構築が必要な時期に来ているのではないかと感じております。また、現在の我が国の経済状態や財政状況からして、今後、財政の健全化を進めるに当たり、歳出抑制策だけで実現することは非常に困難ではないかと、したがって国民の安心を支える社会保障制度を持続可能なものとするためには、消費税率の引上げを含め、増税に関する議論は避けては通れないものと考えます。
 しかしながら、国民の理解を得るためには、国民にどこまでの負担を求め、そして社会保障の水準をどの程度に維持するのか、国民生活に直結する重要な問題でありますことから、国民に対しその考え方をきちっと示すことが大事だと考えます。
 併せて、国民に新たな負担を求める前に、十分な歳出削減努力、抑制努力、これは当然不可欠でございます。歳出の見直しが不十分なままに、国民に負担だけを求めることがあってはなりません。
 いずれにいたしましても、将来の国民生活を左右する大きな課題でもありますことから、国政の場において十分な時間をかけ、そして国民の目から見ても納得できる結論を出してもらいたいと考えております。

再質問
 それから、最後ですが、さっき市長は憲法の問題で他国から攻められたときには困ると、そのための対応で憲法を変えなければいけないというふうに言われましたけれども、結局は武器を持ってもよろしい、あるいは戦争はやむを得ない、こういう見地の改正をしてもしようがないというふうに聞こえましたが、私は断じて認められないというふうに思います。

行財政運営について

 次に、行財政運営について伺います。
 最初に、国の財政健全化法と長野市の行政改革の基本姿勢についてであります。
 法で言う健全化判断比率は、実質赤字比率に加えて連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の三つを加えました。これまでは病院や施設などの経営状態が悪いだけでは、その自治体を財政再建準用団体の対象とはしないで、経営改善の努力を含めた長期的視野で対応できました。
 しかし、今度の健全化法のやり方では、たちまち早期健全化、財政再生の団体になりかねません。市長は問題ない、心配ないと言っていますが、実質公債費比率が十八・六パーセントのイエローラインで、起債には国の許可が必要という制限が生じます。
 特別会計にとどまらず、自治体の行政全体について国の強い指導による集中改革プラン策定が押し付けられ、これまで以上の行革が心配です。担当課では、三年間で十八・六パーセントの実質公債費比率を国のガイドラインに戻すとしていますが、飽くまでも住民サービスの切下げや負担増となって、市民にしわ寄せするやり方は許されません。市長に見解を伺います。

 次に、行財政運営の基本についてであります。
 行財政運営の基本は、地方自治の精神である住民の安全と福祉、健康を保持するを貫き、市民の暮らしの目線からでなければなりません。さきの長野市議選で、我が党が行った市民アンケートに寄せられた市民の声は痛切であります。減税策が次々となくなり、わずかな年金から介護保険料が天引きされ、前年よりも暮らし向きが悪くなったとの回答は八割を超えていました。これから先、さらに森林税や七十五歳以上の高齢者のためとしている後期高齢者医療制度による保険料の天引きも深刻であります。また、灯油の急上昇も日々の暮らしを直撃しています。こういうときにこそ悪政を押し付ける国の政治から、市民だれもが安心して暮らすことのできる温かい市政が求められています。
 ところが、市長は議会で、鷲澤市政の根幹を成すものとして絶対譲れない原則を改めて強調しました。「入りを量りて出ずるを為す」として、財政構造改革にスピード感を持って取り組むこと、公共分野を行政が担うことが困難なので、行政は効率的にコンパクトに小さな市役所を目指すこと、民間の経営感覚を取り入れ、行政分野の民間への開放を推進し、コストの削減は私に課せられた使命で、聖域なく導入を検討するとしています。
 市長のこれまでの改革と効率、経営感覚導入は、介護手当の削減、成人学校の受講料の引上げなど市民に対する負担押し付けではありませんか。さらに今後、行政サービスに関する受益者負担の在り方を検討するとし、二百五十六事業のコストの算出をし、基準策定後に順次実施するものとしています。
 児童館・センターの有料化やごみの有料化を初め値上げが予定されているところに、さらに平成二十年に行革推進審議会の答申を受け、必要により次々と使用料、利用料の引上げの計画であります。また、目玉としている選択と集中の六項目も福祉の心が欠落し、市民の声にこたえてはいません。暮らし向きが悪くなったとしている市民に対し、これ以上の負担は容認できるものではありません。見解を伺います。

 次に、経費削減を目指す集中改革プランについてであります。
 経費削減を目指す長野市行政改革大綱実施計画の集中改革プランでは、平成二十二年度までに市民と市の役割分担を明らかにし、パートナーシップに基づくまちづくりの推進、また民間の発想を取り入れた行財政経営の転換として、就学援助や高校生の奨学金など暮らし、福祉、教育など徹底した経費削減策を強行しています。
 一方で、実質公債費比率が国の指針を上回っていても、問題でない、基金が二百億円、三百億円もあるから心配ない、企業経営の感覚だと流動資産が多い方が組織は安定すると言いました。平成十五年度から、毎年財政調整基金取崩し額を六十億円前後の予算計上をしていたものが、決算収支の黒字から四年間毎年三十億円も圧縮となっています。様々な要因のうちの一つに歳出削減、つまり切実な市民の暮らしの予算を削り、ため込んできた基金ではないでしょうか。ごみ焼却炉建設費や市庁舎、市民会館の建て替え、合併建設計画を初め投資的経費については精査し、無駄を省き、先に延ばせるものは延ばし、市民の暮らしを守る立場から予算の使い方の転換を求めるものです。見解を伺います。

 併せて、集中改革プランのうち、人事・給与制度の見直しで、旅費と退職手当が改革項目に挙げられています。パッケージ商品と現行の旅費支給事務とを比較、検討し、旅費の見直しを行うというものです。そこで、次のように見直しを提案します。
 現行旅費規定は、宿泊代一万四千八百円、日当三千円などとなっておりますが、経費削減を考慮し、また長野県でも議会や一般職等が行っているように実費支給にするよう旅費規定の改定を求めるものです。さらに、退職手当の改定を言っていますが、財政の厳しい折、市長自らの退職手当制度について、市民の目線から大幅な見直しを求めますが、見解を伺います。

◎鷲澤正一市長

 次に、行財政運営についてお答えいたします。
 まず、本市の財政運営についてでございますが、私は、本市が将来にわたって安定した行政サービスを提供していくためには、まずもって安定した財政基盤の構築が不可欠と考えています。
 現在の本市の財政状況を見ましても、全国の多くの自治体と同様、市税の伸びに大きな期待ができず、そして地方交付税も年々減少する一方で、少子高齢化の進行に伴い、年々増加する扶助費や高い水準で推移する公債費負担など、将来にわたり永続的に市民の生活を守っていくためには、本市にとっても財政の健全化は避けては通れないと考えています。
 本市では、これまでの取組によって、市債残高の減少や基金取崩し額の圧縮に一定の成果が現れてきたとはいえ、依然、財政調整のための基金に依存した財政運営が続き、このままでは近い将来この基金も底をつき、先の財政運営に行き詰ってしまうおそれもあると考えます。したがって、特定の目的のために積み立てられた基金をその目的のために有効活用することは当然のことでありますが、早期に財源不足を基金に依存する状態から脱却していかなければなりません。
 また、十八年度決算において十八パーセントを超えた実質公債費比率についても、本市財政に直ちに影響を及ぼすものではないものの、安定した財政運営を目指すためには早期に改善する必要がございます。
 しかしながら、その一方で、本市が抱える課題や市民が期待する施策も数多くありますことから、財政の健全化を進めつつも限られた財源の中で市民の満足度を最大限生み出すために、各事業の内容精査によって無駄を省くことはもちろん、今の長野市にとって真に必要な施策は何か、今やらなければならない事業は何かをしっかりと見極め、一つでも多くの市民の期待にこたえてまいりたいと考えております。

 続いて、行政分野の民間開放と効率化に関して、使用料の引上げなどこれ以上の負担は容認できないとの御意見に対してお答えをいたします。
 今後本市が進めるべき行政改革の方向性については、長野市行政改革推進審議会において約一年をかけて議論をいただき、十一月の答申を受けて、市として行政改革大綱を定めたところでございます。
 受益者負担の見直しは、サービスの利用者にどの程度負担いただくかという問題であると同時に、市民の税金をどの程度投入するかという問題でもあります。したがいまして、行政改革大綱では、市民負担の公平性を確保するという基本方針に基づいて、受益者負担の見直しを重点的に取り組むこととしております。
 これまで、市民が負担する割合や負担の対象となるコストの範囲などについては、サービスごとに判断してまいりましたが、今後、行政改革推進審議会の意見や市民の意見をお聴きしながら、市としての統一的な基準を定め、公平性の確保と市民への説明責任を果たしてまいりたいと考えております。

 続いて、旅費を実費支給するよう、旅費規定を改定することについてお答えいたします。
 旅費は、旅行中に必要な交通費等の経費であり、議員さん御指摘のとおり、本来は実費弁償とすべき性格のものでございます。しかしながら、旅行中の費用すべてに証拠書類を整えることは、事務の煩雑化につながるとの考え方から、本市では、国家公務員等の旅費に関する法律に準じて旅費を定め、交通費は鉄道の利用を基本にその運賃を、宿泊料や用務先での諸経費に充てる日当は標準的な実費額を定額として支給しているものでございます。
 長野県を初め他市において、旅行中の費用を領収書などの証拠書類に基づき実費精算しているところもありますが、旅行者本人の負担や審査、精算等に要する事務量が膨大になる状況もあると伺っております。
 旅費につきましては、実費弁償という基本を踏まえつつ、効率的な事務処理や経費の削減との整合を図りながら、今後研究をしてまいりたいと考えております。

 続いて、市長の退職手当の見直しについてお答えいたします。
 特別職の退職手当につきましては、特別職の職員等の退職手当に関する条例で定められ、その額は給料月額に在職月数及び支給率を乗じたものとされております。
 退職手当の額につきましては、中核市三十五市で比較しますと、今年四月現在、長野市は人口では二十一番目でございますが、退職手当の額では市長が二十六番目、副市長が二十七番目となっております。
 特別職の退職手当につきましては、今後の市の財政状況、中核市等との比較などから総合的に判断をした上で、必要に応じて特別職報酬等審議会に諮ることも考えてまいります。

都市内分権について

 次に、都市内分権についてであります。
 市民とのパートナーシップをうたい、都市内分権で住民自治に力を入れるために優先施策の真っ先に掲げています。理由は、公共の分野を行政がすべて担うのは困難な時代で、公共は市民と行政が協働で担う、地域でできることは地域でやる、住民自治の原点に戻る必要があると言い、小さな市役所を目指すとしています。政府は、防衛や外交は国がやり、福祉や教育などは地方へという小さな政府の地方版、市役所版で、行政の仕事の一部を地域が担えば財政も軽減できるという発想だけでは、住民発意の地域づくりはできません。
 先日、木曽町のまちづくりについて調査に行ってきました。町長や職員、町民と共に作り上げたまちづくり条例と、それに基づく住民自治の立上げと経過等について、長野市も学ぶべき教訓が多くあるように思いました。
 何よりもまずまちづくり条例は、住民の権利や責務を明らかにし、未来に向かって住民自治を進めながら、広く地域や世界に貢献していくことを目指すとし、木曽町の憲法と位置付け、住民が主役となる自治を実現することが目的と定めています。さらに、町政の基本的事柄について、町が定める最高規範であり、条例制定や改廃に当たっては、この条例を踏まえ、整合性を図らなければならないと定め、地方自治の精神が生かされ、町の主役は地域の住民であることが貫かれています。
 また、まちづくりへの住民参加についても、住民は町の将来に責任を持つまちづくりの主体者で、まちづくりの権利を持つとし、国籍、民族、性別、年齢、社会的・経済的環境にかかわりなく平等の立場で参加することができるとし、満二十歳未満の青少年や子供たちにも参加の権利があることを明記しています。さらに、住民参加の原則の中に、町の企画立案、実施や評価についても住民参加を保障するとしています。
 このような自治体の憲法、最高規範であるまちづくり条例、自治基本条例の制定は、全国の流れとなっております。長野市も都市内分権推進計画と住民自治組織を立ち上げるのと併せて、木曽町のように住民自治組織の設置も含めたまちづくり条例、自治基本条例を速やかに検討し、制定することを提案しますが、見解を伺います。

 長野市の都市内分権推進事業は、試行錯誤はあるものの十地区で設置済みなど滑り出しました。本来、自治の担い手となる住民、議会、行政が役割分担をしながらも、なおかつ行政が住民主役の立場から、住民の自主性を尊重し、押し付けを廃して地域住民が自発的に設立するものでなければ本物ではありません。また、財政構造改革による集中改革プラン並びに集中と選択という効率を前提の財政編成過程での住民自治協議会の位置付けでなく、飽くまでも住民自治の精神を前提で進めるべきでありますが、見解を伺います。

 これまで地域を代表する組織は区長会でありましたが、平成二十一年度までに三十地区すべての地域で住民自治協議会が設立され、地域を代表する機能を持つ組織を作るとしています。さらに、平成二十二年度からは依頼事務、諸団体統合などが行われ、団体補助金は一括交付する計画となっています。
 まず、各地区にはそれぞれ固有の事情があり、先行している地区と数年の開きがありますが、スケジュール先にありきではなく、飽くまでも地域住民の納得や合意を前提に進める必要があります。また、まちづくりや地方自治の研修など十分に行い専門職員を育て、困難と思われる地域に派遣し、立上げの支援が重要であります。見解を伺います。

 木曽町の一つ一つの住民自治組織は、一千世帯足らずでありますが、そこへ支所長を事務局長として派遣し、まちづくりや事務処理などで支援に当たっています。長野市の住民自治組織は支所長に地域支援の任務を命じてますが、地域が大きいだけに、日常業務に加え住民自治協議会への援助は、二重の任務で荷が重く大変であります。特に、補助金の一括交付ともなれば、予算も肥大となり、きちんとした会計処理が求められます。進ちょく度合いや必要性を考慮し配置するとしていますが、規模が大きいことやそれぞれの地域に合った個性あるまちづくり、住民自治にふさわしい組織づくりのためにも早期の配置が必要と思います。見解を伺います。

 現在、住民自治協議会の立上げが進んでいますが、様々な教訓があります。学者など専門家を初め各市町村の経験、市内の先行組、準備組などの活動の教訓を学び合うシンポジウムの開催を提案します。市民、行政、議会が一体で、一層地域づくり、まちづくりに貢献できるのではないでしょうかお伺いします。

◎根津伸夫企画政策部長

 私から、都市内分権についてお答えいたします。
 まず、自治基本条例についてでございますが、自治基本条例は地域社会の課題に市民、議会、行政がどのように取り組むかの理念や仕組みを法的に規定するという重要な条例であると認識しております。
 このことにつきましては、都市内分権審議会でも議論をいただきまして、平成十八年一月の答申の中では、多くの市民が住民自治協議会を認知し、活動が活発になるなど、住民自治がほう芽期から育成期へと進展した段階においては、今後の長野市における自治の在り方を定める指針として自治基本条例を制定することを提案しますとされております。また、条例の制定に当たり、行政主導で行う旧来の手法では、その条例本来の趣旨に反するものでございます。
 現在、住民自治協議会が平成二十二年度の本格実施に向けた設立の段階であることから、拙速に条例を制定するのではなく、今後、市民、議会、行政それぞれの立場で十分調査研究を進めながら、住民自治協議会の活動の成熟度を見極めつつ、適切な時期における制定を市民の皆様と考えてまいりたいと思います。
 また、現在進めている都市内分権は、これまでのすべての地域に対する一律・一括方式から、地区住民と市が協働して地域が実情に応じたまちづくりを推進するとともに、住民自らが主体的に地域課題の解決を図ることで、地域における自己決定と自己責任の原則の実現を図っていこうとするものであり、住民自治協議会は地区を代表する組織として、その活動の推進を担っていくものでございます。都市内分権は、より住民の主体性を実現するための仕組みづくりであると考えております。

 次に、期間にこだわらない、地域住民の納得と合意についてお答えいたします。
 住民自治協議会の設立に当たっては、飽くまでも地域が主役となる取組であることから、地域住民の合意形成が前提であると考えております。一方、全市を挙げた取組である都市内分権の推進に当たっては、明確な目標年次を定め、市民の皆様にお示しすることが地域における検討に具体性をもたらし、設立へ向けた取組が加速する面があると考えております。
 それぞれの地域が抱える実情や課題は個別のものでありますから、市といたしましては、地区活動支援担当を中心に、これから課題等の解決に向けた支援に全力を尽くすことで、住民自治協議会の設立を促進してまいりたいと考えております。

 続いて、専門職員研修と配置についてお答えいたします。
 地方分権が進展し、基礎自治体の責務がますます大きくなっている現在においては、市職員は、政策形成、立案等の多岐にわたる能力に加え、まちづくり活動においては、地域の現状や課題を的確に把握した上で住民と共有し、その課題を解決するための具体的なアイデアや手法を提案できる能力が求められております。これらの能力は、特定の職員だけではなく、市の業務のあらゆる分野で不可欠であると考えております。
 一方、住民自治協議会での主要メンバーの方々が地域における様々な活動を通じて得た知識や経験は、大きなまちづくりの資産でございまして、正に行政と市民の協働の場において、まちづくりに対する意識の向上が図れるものと期待するものであります。
 そのために、今年八月に長野市区長会が主催した先進地の住民自治活動のリーダーを招いての研修会や、各地区で実施されている地域住民の先進地研修、あるいは全職員を対象とした研修会など、今後も継続して実施することかが、長野市全体のまちづくり意識の高揚や知識、技能のボトムアップを図る上で重要であると考えております。

 次に、補助金の一括交付に関連して、地域の特色を生かした個性ある組織づくりについてお答えいたします。
 市では、市が主導して設置した各種団体の連合組織や市からの委嘱制度を廃止し、これら団体等へ交付されていた補助金を住民自治協議会へ一括交付することとしています。この一括交付金は、使途を限定せず、また人件費にも充てることができるよう検討を進めていることから、特定の地区課題に重点的に予算を配分するなど、それぞれの地域に合った個性あるまちづくりが可能になるものと考えております。
 なお、地区活動支援担当を中心とした市の支援につきましては、平成二十二年度以降も当面は継続する必要があるものと考えておりますが、その際には、これまで支所で担ってまいりました各種団体事務の多くが住民自治協議会に統合されることになるため、実質的な事務量は変わらないものと考えております。
 また、住民自治協議会の成熟度等を総合的に勘案する中で、将来的には住民主体の事務局設置に向けた取組と支援が必要になるとも考えております。

 最後に、経験交流シンポジウムに関する御提案についてお答えいたします。
 さきに申し上げたとおり、長野市区長会が主催して先進地の事例を学んだり、多くの地区が自分たちの地域特性に合った先進地へ視察研修をする中で、お互いに意見交換や経験交流を図っております。また、既に設立された住民自治協議会の代表者が集い、情報や意見を交換する任意の連絡会も開催されており、このような機会に得られた活動事例や取組手法などの情報を、各地区へ提供してまいりたいと考えております。
 これらの状況からしまして、当面はこうした各地区の取組を支援することとし、各地区の活動状況を見極めつつ、議員さん御提案のシンポジウム開催などにつきましても検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

指定管理者制度について

 次に、指定管理者の指定問題についてであります。
 行政は、財政が厳しいことを理由に、サービス向上を建前にしながら、提案制度や入札を行い、安い委託料で経費を削減することが最大の目的で指定管理者制度を導入し、民間会社に事業を委託しています。しかし、問題点も多くあります。
 まず、事業者選定についてであります。戸隠体験市民農園やりんごの湯など地域と結び付き、事業を展開している地元事業者や団体が選定から外されました。行政として地元企業や団体を育て、雇用を促進し、地域の活性化につなげる指導、援助の役割を果たすのが行政の任務です。中央大手のプロフェッショナルが企画し、プレゼンテーションを行えば、強みを発揮するのは当然です。選考に当たっては、地元住民の意向を反映し、地元企業育成の立場を明記した募集要項、選定基準を設けるよう基準の見直しを求めますが、見解を伺います。

 次に、選定委員会の公開についてであります。
 三年から五年で指定期間が切れ、改めて応募し、事業者を選定することになります。その際、市民の声やモニタリング評価など反映し、選定委員会で指定を決定しますが、どのように評価、審査し選定するのか、選定経過と結果について透明性を期すため、選定委員会を公開にすべきと思いますが、見解を伺います。

 次に、指定管理者に指定した公の施設で働く労働者の実態についてであります。
 長野市が施設を指定管理者に委託したことにより、約一億円の経費削減効果を見積もっています。委託料を安く抑え、経費削減となりますが、指定管理者は、安い委託費で人件費初め諸経費を賄うことになります。管理を民間に任せても公の施設です。そこで働く労働者の仕事は、市民にサービスを提供する公務、公共性の伴うものです。労働条件を確保し、働く環境を向上しなければ優れた人材は確保できず、奉仕者としての役割も果たせません。正規、非正規雇用の実態や平均賃金、労働時間、残業手当、雇用の継続など、どのようになっているのかお伺いをします。

◎松倉一紀行政改革推進局長

 それでは、私から指定管理者の指定問題についての御質問にお答えをいたします。
 まず、指定管理者の選定に当たりましては、御承知のとおり学識経験者等から構成される指定管理者選定委員会において、提案者の事業計画等の提案内容に基づき、まず市民サービスの向上、それから施設の有効活用、そしてコストの削減が図られているか、さらには団体さんの財務状況等も踏まえた総合的な審査を行い、安定性に優れた指定管理者としてふさわしい候補を選定しておるところでございます。
 御質問の地域・地元住民の意向を反映し、地元企業育成の立場も明記した募集要項、選定基準を設けるとのことでございますけれども、指定管理者制度は公の施設の管理運営を広く民間ノウハウも活用して運営するということのため、競争原理に基づいた公募を原則としておるものでございます。公の施設は、設置目的とか利用状況、立地等がそれぞれ異なるため、施設ごとに募集要項を定め募集を行い、選定に当たりましても基本的な選定基準に加え、こうした施設の特殊事情も考慮して審査を行っておるところでございます。
 しかし、地域のコミュニティの醸成、あるいは市民活動の促進など、地元住民さんが主に利用し、地元での管理が適切な施設、あるいは障害者福祉施設等で利用者の状況を考慮する必要がある施設については、公募によらない指定管理者選定に関する指針というものを設けてございまして、これに基づいて地域・地元住民や施設利用者の意見、意向をお聴きするなど、制度を適切に運用しております。
 地元企業・団体の育成や雇用の促進についてでございますが、今までも地域団体などでのコンソーシアム、いわゆる共同事業体を組んで、それぞれのノウハウを持ち寄って応募することをお願いしたり、説明したりしてまいりました。当然、もとより地元企業・団体さんの育成、雇用の促進というものは、非常に大事、重要な事項と考えておりまして、積極的な提案、御参加を期待しておるところでございます。
 次に、選定委員会の公開についての御質問でございます。
 選定委員会では、提案内容に申請団体のノウハウ、意匠とか財務状況が含まれることから、申請団体の信用力等を害するおそれがある、また審議における率直な委員さんの意見交換等が不当に損なわれるおそれがあるということから、非公開としているものでございます。
 次に、各施設における雇用や労働条件等の労働実態についての御質問でございますが、こうしたことは指定管理者の裁量の範囲内と心得ておりまして、雇用主の責任として労働基準法などの法令等を遵守することを求めておりますので、把握ということはいたしておりません。
 なお、市では募集要項や協定において、施設の管理運営に要する各種法令等の遵守、あるいは有資格者の配置などについて明記するとともに、随時・適時のモニタリングを実施し、適切な運営をお願い、また指導をしているところでございます。
 私からは以上でございます。

信州新町との合併について

 次に、合併についてであります。
 市長は、長野市議選の最中に、議会事務局長を急きょ信州新町の副町長に派遣しました。だれがどこから見ても、合併絡みではないかと推測するのはごく当たり前のことです。合併受入れに市民の納得と合意が必要です。相手が合併したいからと軽々に受けることはできません、副町長を派遣した理由はどこにあるのか。信州新町住民の合併に対する世論も様々です。当該議会の多数派を理由に、市長自ら合併促進に走ることがないよう慎重な対応を求めますが、見解を伺います。

◎鷲澤正一市長

 次に、信州新町の副町長に職員を派遣した理由との御質問についてお答えをいたします。
 信州新町の副町長につきましては、派遣ではなく職員が退職をして副町長に就任したものでございます。このことにつきましては、信州新町町長からの要請によるものでございますが、私といたしましては、合併絡みというよりは、本市職員が本市で培った行政経験、行政手腕を町の行政に生かす機会を得たという観点から、その要請を前向きに受け止め対応したものでございます。
 なお、本年四月には、本市を退職した職員が山ノ内町の副町長に就任した例もございましたが、望まれて特別職に就任し、本市での行政経験を生かして活躍することは、大いに喜ばしいこととして受け止めているものであります。
 続いて、合併に関する見解をとの御質問についてお答えいたします。
 地方財政が悪化している中で、持続可能すら危ぶまれる自治体が存在していることは事実であり、将来の国と地方の形を見据えたとき、市町村合併の更なる推進が必要であると感じております。
 私はかねてより、住民総意の下での合併協議の申入れについては、長野広域圏の中核的都市として真しに対応したいと申し上げているところであります。御質問にありましたように、現在周辺町村の中には本市との合併を推進したいとの動きもありますが、当該議会の意向のみならず、飽くまでも住民総意であることを明確にした上での合併協議の申入れがあれば、真しに対応してまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上です。

NTTコールセンター契約について

 次に、NTTコールセンターの契約についてであります。
 長野市は、NTTコールセンターを、もんぜんぷら座に設置することを決めました。貸付けに必要な費用は、もんぜんぷら座改修工事費で四億七千二百三十万円、債務負担行為で一億九千四百三十万円、合計六億六千六百六十万円となります。さらに、企業進出による雇用拡大のための雇用促進助成金は、雇用者一人につき二十万円で、四百人として約八千万円、改修費と合わせれば約七億五千万円ほどの支出となります。
 市民の財産を七億円余も出して改修し、貸し付けるわけでありますから、家賃も税金も入るからと安易な貸付けは容認できるものではありません。様々な理由で早期の撤退はあり得ることで、ダイエーがその見本を示しています。長野市の側に損害が出ないように、それに歯止めをかけた契約は、ごく当たり前のことであります。
 ところが、長野市が借主、NTTの子会社NTTソルコと交わした契約は、契約期間十年四か月で、契約の解除は契約の開始日から五年間で、想定する特別な事情--社会情勢又は事業情勢により業務が継続できない場合、NTT東日本において情勢により業務の縮小又は廃止となった場合、会社更生法、倒産、廃業等により会社が存続できなかった場合でない限りできないものとすると明記してあります。
 ところが、特別な事情の四つの約束事については、契約書に書かれておらず、長野市の側が特別な事情を想定しているだけであることが分かりました。相方と交渉し、四つの特別な事情をどうして確約できなかったのか、ふに落ちません。貴重な市民の財産を貸し付けるのですから、早期撤退を許さず、市民に損害を与えないように、入居に伴う賃貸借契約には違約金や保証人を付けることを強く要求します。見解を伺います。

 NTT関連子会社との契約については、極めて慎重な対応が求められています。NTT東日本の社長は、一一六センターを集約するというものを更に進めてまいりたいとして、固定電話の顧客対応拠点を大幅に削減したい。二年間でコールセンターや料金センターなどの拠点を、現状から八割から九割に減らす方針であります。人員も約三割減らし、経営資源を光インターネットの事業強化に移していくとしているのです。固定電話の移転受付などは、四十三あるセンター数を、二年後をめどに十拠点程度まで集約し、一か所当たりの規模を拡大するとしています。長野市で行う一一六の電話の受付、移転、各種サービスの受付業務が合理化の対象となっているのです。七月の臨時議会の反対討論でほぼ同様のことを指摘いたしました。現状をどう把握し対応しようとするのかお聞きします。
 また、改めて市民に損害のないように、NTTとの厳格な契約を結ぶよう求めるものであります。見解を伺います。

 次に、派遣労働者が多いと聞きますが、雇用の創出四百人とは正規雇用なのか、雇用促進のための助成金は最終的には幾らになるのかお伺いします。

◎伝田耕一都市整備部長

 私から、NTTコールセンターの契約についてお答えします。
 もんぜんぷら座の未利用階の改修につきましては、本年四月にNTT東日本長野支店から全体では五百人、新規雇用としては約四百人の規模を持つコールセンターとして施設利用が可能かの打診があり、本市としては、まちなかに約四百人規模の新規雇用が創出されることで、既存市街地に活気が出ることや新たな財源の確保ができることなど、中心市街地の活性化にとって大きな魅力と考えたものでございます。
 また、全体で五百人規模の消費者が中心市街地に生まれることから、周辺商店街への波及効果が大きく、中心市街地活性化の更なる起爆剤となるものと考えております。未利用階であった五階から八階がコールセンターの入居により一体的に施設利用ができることや専用の駐車場を持たないことから、公共交通機関の利用促進にもつながるなど、コンパクトなまちづくりの先例になることなども考え、もんぜんぷら座を積極的に活用することに踏み切ったものでございます。
 六月に入り、未利用階の活用方法や必要な機能について検討し、NTT東日本より正式に借用の申込みがあり、急きょ七月に臨時議会を開催いただき、一般の事務スペースとして利用可能なレベルまでの改修費や、劣化している外壁などを補修するための予算をお認めいただいたものでございます。
 なお、NTTが業務に使用するための特殊な工事は、借主側のNTTの予算で行うこととして、お互いの工事区分を明確にした上で九月から工事に入り、五階及び八階については、市としての工事が十一月中旬に完了し、現在はNTT側が二重床の工事や内部の配線工事などを実施しているところで、十二月下旬にコールセンターの一部業務開始を目指しております。

 次に、入居に関する賃貸借契約でございますが、契約交渉の当初、NTT側は民間を初め一般的に行われている二か年の契約を考えておりましたが、数多く協議した結果、最終的には約十年の契約期間で、その後の契約更新もできることとし、特別な事情がない限り、契約解除権の行使を行わないことなど、長期の契約期間を初め、通常の建物賃貸契約条件と比べて破格な契約の締結が十一月二十日付けでできたものであります。また、このほかにも三か月分の家賃に相当する金額を保証金として頂くことや、長野市所有の施設を傷めた場合の損害金や原状回復に係る条項も明記してあります。
 加えて、NTT側として必要な工事や備品類で約六億円〔訂正済〕と本市とほぼ同程度の投資を行うと聞いており、早期の撤退を危ぐした御要望の違約金や保証人は必要ないと考えたものでございます。

 次に、NTTのコールセンターの合理化についてですが、新設する長野市の施設へ近県の一一六業務の集約化を図ると聞いており、長野市のコールセンターをほかに集約化するとは聞いておりません。少なくとも契約期間は、長野市のコールセンターは存続するものと考えております。

 次に、雇用体系、雇用促進のための助成金についてお答えします。
 NTT側から年内には、補助金にかかわる認定申請の手続を行いたいとの申出を受けておりますが、現時点では正確な雇用の人数、雇用形態に関する詳細な計画の説明を受けていないため、助成金額等については判明できない状況でございますので、御理解をお願いします。
 私からは以上でございます。

◎伝田耕一都市整備部長

 先ほどの答弁の中で、NTT側の出資する金額を工事、備品類について約四億円というふうに申し上げましたが、六億円に訂正させていただきます。

再質問
 それから、先ほどNTTのコールセンターの問題で、破格の契約だというふうに言われましたが、数字は別として、どうして早期撤退の場合に想定する特別な事情について四つのうち三つは会社側の事情ですよね。あとの一つは天災ですから、これはやむを得ませんけれども、少なくとも会社の事情でいろいろな社会的な状況、倒産うんぬんという話だけで、それももうしようがないと、早く撤退してもやむを得ないというふうなものになっていたとすれば、問題だというふうに思うんです。
 これでは、本当の契約になりませんので、市がわざわざ改修までして貸せる市民の財産ですから、早期撤退については、きちんとした契約をするのが当然、私はそういうふうに思いますが、一体なぜそれが破格の契約というふうに言えるのか御答弁願います。

◎鷲澤正一市長

 原則的なお話をしますと、こういう問題は需要と供給の問題なんですね、需要と供給なんですよ。要するに、我々はあそこに何かが来てもらいたいと、是非来てほしいということを最初から言っているわけです。それに対してだれも出てこないという状況の下で、たまたまこういうすばらしい話が出てきたと。
 そこで契約行為というのは、どうしたって法律は何もないわけですから、そんなことは、契約すればいいわけですから。そのときに、どうしてもこの場合には、供給側というか借りていただく人たちの立場が強くなることは、私は基本的には仕方がないことだと。それじゃ駄目ですよって言われたらどうする。私の方とすれば、その方が困るので、それは契約の相対の問題ですから、あなたがおっしゃることは理想論としては分かりますけれども、それはあり得ない。と同時に、今現在の契約そのものについては、相当NTTもこちらに妥協しているということは事実であります。
 ですから、私は決して不当な契約ではないというふうに思います。十分長野市としては採算のとれる取引であると、私はそう思っています。
 以上です。

 供給と需要の問題というふうに言われましたが、私は別にあそこを貸してはいけないという話を言っているわけじゃありませんが、問題は後でまた言いましたけれども、NTTが今の社会的状況の中で、どんどん合理化を強めていく中で、社長が言っているように本当に短期間で更に合理化していくと、集約していくというふうに言っているわけですから、そういうこともきちんと対応してこういう形にしたのかということで心配なんです。
 だから、市長はそういうふうに簡単に言いますけれども、私どもは飽くまでもきちんと責任持った対応をしていくべきだと、私は思うわけです。一点、そこら辺どうなんですか。

◎鷲澤正一市長

 通常のいわゆるこういうものの契約というのは、例えば二年の契約もありますし、もちろんもっと短い一年の契約もあるかもしれませんけれども、これを十年の契約にしたってこと自体が、大変そういう意味では破格の契約だと、私はそう思っています。
 ですから、その間にもちろん担当者の方は、非常に厳しく契約交渉というのはやっているわけですよ。やっていても私も全部一々聞いているわけじゃありませんけれども、非常に厳しい契約交渉の中で、今現在の契約がようやくまとまったということであります。そういうことであります。よろしくお願いします。

改めて厳格な契約を、つまり保証人を付けたり、違約金を付けたりなどを含めた厳格な契約を改めて求めるものあります。

30人学級の拡大について

 次に、三十人規模学級の中学まで順次拡大についてであります。
 いじめや不登校、就学援助を受けざるを得ない様々な悩みを抱える児童・生徒が増えています。一人一人の子供たちに学力初め学校生活のすべてにおいて温かく丁寧な指導、援助は欠かせません。取り分け中学生の第一歩は、中一ギャップと言われるほど心身共に悩みを抱えるときであります。
 こういうときにこそ、小規模学級実施以来不登校児童が減少している小学校の教訓を生かし、中学生にも拡大してほしいは、保護者や現場の先生方の切望であります。長野県が六年生まで全額負担を表明しました。今までの五・六年生までの市負担分を活用し、中学一年生から順次拡大するよう求めますが、見解を伺います。

◎小泉敬治教育委員会委員長

 私から三十人規模学級、これは三十五人学級編制でございますけれども、その中学校への拡大につきましてお答えを申し上げます。
 学級編制につきましては、御承知のように、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律がございまして、国が定める標準を基に都道府県教育委員会が基準を設定し、市町村はその基準に従って学級編制を実施しております。その基準に沿って編制されました学級数に応じて配置された教職員の人件費は、原則県が負担するものでございます。
 本市が小学校五・六年生で三十五人学級編制について協力金を支払う協働方式で実施してまいりましたけれども、これは教育的配慮からの特例でございます。学級編制やそれに伴う教員の人件費は、県の責任で行うところであり、御提案いただきました中学校への三十五人学級編制の拡大は、市で実施することは困難でございます。
 中学校では、不登校問題を初めとして様々な課題を抱えている生徒たちに、細やかな対応をしていくことが不可欠でございます。学校現場では、学級編制とは別に、生徒への個別相談に当たる体制や学校の実情や課題に応じて対応できる教職員の配置が望まれているものと受け止めております。
 したがいまして、教育委員会といたしましては、県に生徒指導、身体的に障害をお持ちの子供がおりますので、その障害、そして外国籍等々の必要な支援加配を強く要請してまいること、そして本市の特別支援教育支援員の配置につきまして、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

後期高齢者医療制度について

 次に、福祉行政についてであります。
 最初に、後期高齢者医療制度についてであります。
 これ以上高齢者を冷たく扱わないで、年寄りは早く死ねという制度だねと、痛切な声が聞かれます。この制度の導入は、自民・公明が国会で強行し、作られたものでありますが、七十五歳以上のすべてから保険料が徴収され、長野県は均等割、所得割で一人当たり一か月の保険料は、五千四百十八円となります。
 国民健康保険の加入者は、現在の国保料よりも高くなる人が多くなります。長野県社会保障推進協議会が長野市の国保料と比較した結果、夫婦いずれかが国民年金のみの収入という世帯で、現行より負担が増えることになります。最も多くなるのは百二十五万円の世帯、国保料十二万一千二百円が十三万一千六百円となり、一万四百円増えることになります。また、所得二百万円以下の世帯のほとんどが負担増となります。同団体では、保険料の算定方法は、所得割と均等割を組み合わせ一律に徴収すると、均等割の比率が高いと、所得の低い人たちの方が負担割合は大きくなると指摘をしています。
 さらに、ひどいのは現行制度との大きな違いは、保険料の年金からの天引きであります。年金月一万五千円以上、年額十八万円以上の人は、介護保険料と合算をされ、高齢者医療保険料が年金から天引きとなります。また、家族に扶養されている低所得者も含むすべての高齢者が、漏れなく保険料が取られます。
 ひど過ぎるので、国民世論に押されて見直しを言い始めた政府ですが、市長は本制度の長野県広域連合の長であります。お年寄りいじめのこの制度は、見直しどころか中止、凍結しかないのではないか、また政府に対してこの立場で意見を上げていくことが求められますが、見解を伺います。

 年金が一万五千円未満の後期高齢者は、保険料を窓口に納めに行くか口座振替となります。長野市には、この対象となる人は何人いるのか。
 また、七十五歳以上の高齢者は、被爆者や障害者と並んで短期保険証や資格証明書の発行はしてはならないとしていました。ところが、法の改悪で条文が削除され、保険証の取上げが可能となったのです。資格証明書で病院へ行けば実費となります。高齢者は国保料を納めることが精一杯です。受診を控えることになり、社会的弱者を見捨てることになります。お年寄りの命や健康を守る立場から対応を求めます。見解を伺います。

 さらに、わずかな年金から介護保険料と後期高齢者保険料が合算されて徴収されるため、残った年金だけでは食べていけません。生活が一層困窮し、生活保護を受けざるを得ない人たちが増えることが予想されます。しっかりした救済措置が必要となります。対応を求めます。
 制度は複雑難解でお年寄りには理解しにくく、高齢者が知らないまま四月を迎えることになってしまいます。対象の高齢者に分かるよう徹底すべきであります。広報だけでは無理があります。丁寧な周知徹底を求めますがお答えください。

◎下條年平保健福祉部長

 私から、福祉行政についてお答えを申し上げます。

 まず最初に、後期高齢者医療制度についてお答えをいたします。
 後期高齢者医療制度につきましては、現行制度における現役世代と高齢者世代の負担の不公平感を解消し、医療費の適正化を目指すこと、さらには負担能力を勘案しつつ、現役世代と高齢者で共に支え合う制度として設けられることになったものでございます。今後、超少子高齢社会に向かって突入する日本が、国民皆保険制度を将来にわたり持続可能なものとするため、必要不可欠な医療制度改革の一つであると考えておるところでございます。
 保険料につきましては、十一月二十七日に開催されました広域連合議会におきまして、後期高齢者医療に関する条例が議決をされまして、被保険者一人当たりの平均保険料が年額六万五千十七円〔訂正済〕になったものでございます。本県の保険料は全国的に見ても低額に抑えられており、算定単位である二年間、この保険料が用いられることとなります。
 後期高齢者医療保険制度に移行される方のうち約八割は、現在、国民健康保険の加入者でございまして、その点で国民健康保険料との比較は大変大きな関心事でございますが、所得の状況及び世帯の構成の状況ともそれぞれ様々な方がいらっしゃいますので、御指摘のような現行の保険料よりも負担が増える方のみではないということでございます。また、特に影響の大きい低所得者の負担軽減策といたしまして、所得状況に応じまして、均等割額の七割、五割、二割を軽減する方策が講じられております。
 年額十八万円以上の年金受給者の後期高齢者医療保険料と介護保険料との合算による天引きにつきましては、合算した保険料が年金の二分の一を上回る場合には、納付書払いや口座振替によります、いわゆる普通徴収を行うこととされておりまして、一方、被用者保険の被扶養者で、これまで医療保険料を納付されてこなかった方につきましては、後期高齢者医療被保険者となった月から二年間は所得割は課されず、均等割額は五割を軽減することとされておりましたが、さらに激変緩和及び負担軽減に向けた方策といたしまして、二十年四月から九月までの六か月間は保険料を免除、十月から二十一年三月までの六か月間は九割を軽減する措置を行う政府の方針が示されたところでございます。
 これらの措置につきましては、高齢者の置かれている状況に配慮し、激変緩和をより拡充することによって、スムーズな制度の移行が図れるよう考慮して進められているものでございます。また、生活困窮等により保険料の納付が困難な場合につきましては、徴収猶予の制度もございますので、窓口で御相談をいただきたいというふうに思います。

 次に、納付書払いや口座振替によります普通徴収の対象となる方の人数についてでございますが、県広域連合が保険料算定に当たりまして、所得データから抽出をいたしました数字をベースにしますと、約五千人程度と考えております。

 次に、短期保険証及び資格証明書の発行に関してでございますが、県広域連合では、滞納者と直接接触をし、納付を働き掛ける機会を確保するために、有効期間の短い被保険者証を発行する予定であるとして、さらに特別な事情がないにもかかわらず、納期限から一年間経過しても納付がない場合に、弁明の機会を付与した上で被保険者証の返還を求め、資格証明書を発行する予定であるとしております。
 しかしながら、発行に際しましては、災害、盗難等の特別な事情がないのに滞納している者が対象者でございまして、市町村が行います納付相談を通じまして、滞納者の世帯状況を十分把握した上で交付するものとしておりまして、特別の事情の有無が判断できない場合においてまで、機械的に交付するものではないとしております。長野市におきましても、県広域連合と十分に協議を行って対応してまいります。

 最後に、丁寧な周知徹底の対応をとの御指摘でございますが、既に広報ながのの本年七月一日号に一度目の掲載を行いましたが、来年の二月一日号に本年度二度目の記事掲載を行い、同月中には県広域連合が作成をしたパンフレットを全戸配布して理解を深めていただく予定になってございます。また、関係機関や高齢者の訪れる機会の多い施設へのポスターの掲出などによりまして周知を図ってまいります。
 市といたしましては、今後も長野県後期高齢者医療広域連合と連携を密にいたしまして、来年四月の制度開始に向けて万全の準備を整えてまいりたいと考えております。

◎下條年平保健福祉部長

 先ほどの答弁の中で、後期高齢者医療の被保険者一人当たりの平均保険料額につきまして六万十七円と申し上げましたが、正しくは年額六万五千十七円でございますので、御訂正をお願いいたします。

再質問
 それぞれ御答弁いただきましたけれども、何点かあるんですが、最初に一点、広域連合の後期高齢者の医療制度の問題で、先日、私ども学習会開きましたけれども、そこでこういうことが可能だというふうに言われましたので、お尋ねをいたします。
 これは連合長が鷲澤市長でありますので、一番ふさわしいかもしれませんが、三つあるんですが、まず一つは、連合が独自に減免の助成制度を作ることは可能であると、条例を作って減免することは可能だというふうに言われましたけれども、極めてひどい制度でありますから、国も手直しせざるを得ないという状況に追い込まれていますが、そういう意味で、今、保健福祉部長さんから御答弁いただきましたけれども、それだけでとても救済できるような状況ではありませんから、独自の減免制度を作ることは可能じゃないかということが一点と、もう一つは、長野市独自に単独に減免の制度を作ることも条例を作れば可能だというふうにも言われましたけれども、これも検討する必要があるんじゃないかということと、もう一つは、長野県に対して助成要望を当然していると思いますけれども、制度が制度でありますから、いわゆる保険料等の減免を含めた分の助成もしていいんじゃないかというふうに思うわけですが、その辺前向きな検討をすべきだと思いますけれども、御回答をよろしくお願いしたいと思います。

◎鷲澤正一市長

 私、細かいことは余りよく分からない部分がありますが、私の感じていることだけ申し上げます。
 まず、三番目の県に対して助成要望ということですが、これは県に対して、現在助成要望をしております。まだ現在、回答はありませんけれども、先日知事にお会いして、これはどうしても出してほしいと要望してきたところでございます。
 それから、連合が独自に減免の制度が可能かどうかということですが、これをやるとすれば、どういう意味でこうおっしゃるのか、私よく分かりませんけれども、基本的には保険料をどのくらいにするとどのくらいの、減免するということは保険料を下げるということですから、それだけサービスを落とすということになりますよね。そういうことが可能かどうかというのは、私ちょっと分かりませんけれども、それはやろうと思えばできる。
 具体的に言うと、今現在、連合がやっておることの中で、例えば葬祭費を落とすことは可能なんだそうです。可能なんですが、それを可能にしても、結果的に言うと、連合は一切関係ありませんということで落とすということは、それはいいんだそうですけれども、実はそうやると、必ずそれは、いわゆる市町村の負担にそれはなると、当然そういうことになるわけですね。
 今まで葬祭費に関しては、例えば国保で見ているわけですから、それが広域連合の後期高齢者の方へ移った段階でなくなるというのは、ちょっとどう考えても不合理じゃないかと、こういうようなこともありますので、要するに独自の減免制度ということが、どういうことをおっしゃっているのか私よく分かりませんけれども、独自に減免すれば、その分について全体的には、多分サービスは落ちるんだろうと、そういうふうに思っています。
 以上です。あと私の分からない部分は、保健福祉部長に。

◎下條年平保健福祉部長

 原田議員さんの再質問の関係にお答えをいたします。
 ただ今市長の方からお答えをした部分につきまして、若干補足的になるかと思いますが、御了承いただきたいと思います。
 一点目の広域連合が独自に保険料の軽減措置を行うことは可能でないかという部分でございますが、市長が申し上げたとおり、葬祭費等を削ればという部分はございますが、例えば現在のサービス水準をそのままにして減免を行うということになりますと、収入がその分なくなるわけでございますので、その分はどこからか財源を持ってこなければならないということになります。広域連合につきましては、独自財源と言われますいわゆる自主財源は持っておらない団体でございますので、この辺についてはちょっと難しいのではないかというふうに思ってございます。
 それから、長野市が独自にという部分でございますが、市の考え方等を申し上げますと、この制度につきましては、国が決めた全国同一の算定方法に基づきまして保険料が算定をされておるという制度でございますので、私どもとすれば、市で独自に減免措置をということは考えておりませんので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

 大事なことは、後期高齢者医療制度は最悪一万五千円以内の年金の皆さんからも容赦なく保険料を差し引くということですから、残れば残った分で暮らさなければならないというものがありますので、本当に医者に行くなということと同じだというふうに思いますので、是非だれもが安心をして、自分の病気を治せるという仕組みづくりが必要ですから、そのことを前提で対応してもらいたいというふうに思います。

障害者自立支援法について

 次に、障害者自立支援法についてであります。
 障害者の日常生活に欠かせない福祉や医療のサービスを受けるたび、費用の一律一割自己負担は大変です。施設を利用しているMさんの場合、一日働いて工賃は三百円で一か月六千三百円、利用料は施設利用料が一か月四千八百円、移動支援利用料が一か月三千二百円で合計八千円、差引きで千七百円の負担となります。働きに来ているのに、お金を支払うなんてとても納得できない。これまでほとんど費用はかかっていなかったものです。応益負担は直ちに撤回してほしいと痛切な訴えであります。
 また、施設側でも、運営費の自立支援給付金は日割り計算なので、障害者が休めばその分差し引かれ、また障害者からも利用料をもらうことができません。利用者さんが休んでもスタッフは休めず、きちんと体制を整えておかなくてはなりません。施設の運営は赤字寸前で火の車です。利用料の減免策、施設に対する助成など講じてほしいとの要望ですがお伺いします。
 また、長野市として、利用者の負担軽減、日割りを定数制にするなど、国や県に対して改善要求してほしいと思いますが、見解を伺います。

◎下條年平保健福祉部長

 次に、障害者自立支援法についてお答えをいたします。
 障害者自立支援法によります新たな障害者福祉制度は、旧制度からの急激な変革であることなどから、多くの課題が出てきております。国におきましては、障害者自立支援法の円滑な運営のための特別対策といたしまして、平成十八年度から二十年度の間に総額一千二百億円を盛り込んだ改善策を実施し、障害者自立支援法による制度を着実に定着させていくことといたしました。

 まず、利用者の費用負担の更なる軽減としまして、平成十九年度、二十年度の二か年にわたりまして、通所、在宅のサービス利用者について軽減の対象を市民税所得割十六万円未満の世帯まで拡大した上で、一割負担の利用者負担上限月額を四分の一まで引き下げておりますが、本市においての平成十九年度におきます利用者負担の軽減に要する経費といたしまして、利用者一千二十一人の六十九パーセントに当たる七百五人に対しまして、約三千七百万円ほどを見込んでおるところでございます。
 また、制度の移行に伴う事業者の激変緩和のため、収入減の影響を受けている事業者に対しまして、従前の月払い報酬額の九十パーセントを保障するとともに、送迎費用の助成などをしているところでありますが、本市においての平成十九年度における従前報酬額九十パーセント保障に要する経費といたしまして、二十九事業所に対しまして五千六百万円、送迎費用の助成といたしまして、二十四事業所に対しまして二千七百万円ほどを見込んでおるところでございます。
 これらの利用者負担軽減及び事業所の激変緩和のための特別対策に要する経費につきましては、国、県が四分の三、制度の実施主体であります長野市が四分の一を負担して行っているものであります。こうした財政措置を講じた上で、自治体間格差が生じないよう全国共通の制度として国が改善策を講ずることは当然のことだというふうに考えておりまして、今後の更なる対策及び継続を期待しているところであります。

 次に、国、県への制度の改善要望についてでございますが、昨年も要望したところでございますが、先般、十一月三十日にも全国市長会から国の施策及び予算に関する要望を関係省庁へ提出しております。障害者福祉施策のうち、障害者自立支援法に関しましては、まず一点目として、自立支援給付及び地域生活支援事業について、自治体間格差を解消するとともに、超過負担が生じないよう地域の実態を踏まえ、十分な財政措置を講ずること、また利用者負担等について一層の軽減策を講ずること、二点目として、各種サービスについて生活実態とのかい離や地域格差が生じないよう、障害程度区分判定や支給決定基準等について統一的な基準を設けること、三点目として、利用者負担の軽減や事業者に対する激変緩和措置については、今後の実績等を十分に踏まえて、平成二十一年度以降の対応について検討することなどを要望したところでございます。
 現在、国におきまして障害者自立支援法に規定されています施行三年後の制度見直しに向けて、利用者負担の在り方や事業者の経営基盤の強化などについて検討をしておりますが、与党のプロジェクトチームがまとめました障害者自立支援法の見直しについての中間報告の骨子案によりますと、平成二十年度までとしている現行の負担軽減策を二十一年度以降も実質的に継続する、また現在年収六百万円以下としている負担軽減の対象世帯の範囲につきましても、年収八百九十万円まで拡大することなどを検討しているようでございますので、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。

保育行政について

 次に、保育行政についてであります。
 市立保育園の運営委託や民営化について、集中改革プランで期限を決めて保育園の見直しをうたっています。子育てに不安を抱える世帯への支援を強化し、保育ニーズに対応するには、運営委託と民間への移管が最善だとしていますが、良い保育のためというよりも、行財政運営のために進められているとしか思えません。既に、公募を前提で民営化スケジュールが明らかにされ、平成二十三年までに四園が民間への移行対象としております。
 そのうちの一つ、三輪保育園は、選考委員会で社会福祉法人でないミツワ会が委託先となりました。社会福祉法人の認可取得を前提でミツワ会に決められたのです。保育の実績のない団体がなぜ委託先として決まったのか、長期の展望に立ち、将来性のあるビジョンが評価されたとしていますが、これまでは提案型の事業発注の場合、経験や実績が重視されて選定されていたはずです。しかもミツワ会よりも、社福の資格もあり、実績もある団体が応募しましたが、選定から外れました。なぜか、選定の経過は明らかにすべきです。また、今後は選定経過と結果が市民に分かるように、選定委員会は公開とすべきであります。見解を伺います。

 次に、無認可保育所への支援についてであります。
 小規模保育所補助金制度は、長野市が中核市となって以来、長野県から受け継いできましたが、二〇〇六年度をもって打ち切りました。理由は、周辺に保育施設ができたからというものでありますが、集中改革プランの一環で、補助金削減の対象とされたのであります。長野県は継続しており、全国の中核市でも同様に打ち切らず制度が生かされ、公・私立保育園の透き間を埋める補完的保育の役割を果たしているのです。
 無認可保育所は、産休明け、延長、一時預かり、休日、二十四時間、特定、学童、さらに幼稚園や小学校の長期休みの保育など、保護者の多種多様なニーズにこたえて頑張っております。現在市内には、二百人の無認可保育所に通う子供たちがいます。保護者の無認可保育所への期待も大きく、どの子にも平等に光を当てる支援策が求められており復活を求めますが、見解を伺います。

◎下條年平保健福祉部長

 次に、保育行政についてお答えいたします。
 まず、三輪保育園の委託先選考についてお答えをいたします。
 三輪保育園の委託先選考につきましては、幼児教育等の有識者や地域関係者、また保護者の代表等によります計八名の委員で構成されました三輪保育園委託・移管先選考委員会で慎重に審議をしていただきました。
 選考に当たりましては、応募書類審査や団体の代表者及び園長予定者等によるプレゼンテーションやヒアリングを行った後、全体審議を行った上で、各委員において団体の理念や委託後の保育運営に対する考え方、職員配置や収支計画など、三十七の評価項目について評価が行われました。その評価を基に、三輪保育園の委託先として最も適している団体について各委員による投票を行った結果、ミツワ会に決定されたものでございます。また、投票の結果につきましても、委員の総意をもって確認、了承をされたところでございます。
 選考理由につきましては、保育園運営に対する強い熱意と意欲が感じられるとともに、運営体制についても選考基準を満たすものであったこと、また保育に関する要望が多様化する中で、子供や保護者、地域社会の願いを酌み取り、子育て課題を地域に根ざして克服していく保育園の将来展望が具体的に示された点が、高く評価されたものでございます。特に、現在の三輪保育園の保育内容を生かした具体的な保育プランが示された点が、選考された大きな理由と感じておるところでございます。市では、この選考委員会の選考結果を最大限尊重して、委託先として決定した次第でございます。
 また、選考委員会を公開とし、選考経過と結果について明らかにすべきとの御意見でございますが、市の審議会等の会議の公開に関する指針に基づきまして、本選考委員会では、公開、非公開につきまして、その都度諮った上で進められたところでございます。選考経過につきましては、その選考の過程において審議が公開されることにより、選考委員会としての公正かつ円滑に評価することが妨げられ、審議に支障を来すおそれがあることから、選考委員会において選考基準について検討していく段階で、非公開と決定をされたものでございます。
 選考結果の公表につきましても、応募された三団体に対する評価や各委員がどのような意見を述べ、どの団体に投票したか、またどの団体が何票獲得したかといったことまでが公表されることによりまして、社会的かつ公の福祉に影響が出るおそれがあるため、この部分については非公開と決定をされたものでございます。
 なお、今回の選考に関しまして、できる限り公開することに努めることとし、本市ホームページにおきましても、審議会情報や民営化に関する内容の中で、選考委員会の会議の経過及び選考結果について掲載をしておりますので、御理解をお願いいたします。

 次に、小規模保育所運営費補助金についてお答えをいたします。
 御質問の昨年度まで長野市が実施をしておりました小規模保育所運営費補助金につきましては、認可外保育施設すべてを対象としたものではなく、認可保育所が設置されていない地区の保育需要を補うために、特定の認可外保育施設に対し交付をしてきたものでございます。その後、認可保育所が建設され、認定こども園も開園され、地区の保育環境が改善されてきておりますことから、昨年度をもって廃止をさせていただいたものでございます。
 本市は、認可保育所を中心に保育機能を充実させていく考えでありまして、待機児童を出さないよう努めているところでございます。また、長野県の補助事業につきましても、国の指導監督基準を満たすような施設に対して交付されるものでありまして、すべての認可外保育施設を対象とするものではないと認識をしております。
 認可外保育施設に対します市の取組といたしましては、認可外保育施設が児童に対する適切な保育を実施するよう、国の指導監督基準に基づきまして年一回の立入調査を実施し、指導を行っています。今年度も十月から十一月に実施をし、設備や保育内容等について詳細に調査を行いました。その結果、基準に満たないものについて改善するよう指摘事項として通知し、改善報告の提出を求めております。今後も認可外保育施設に入所する児童が適切な保育を受けられるよう、施設に対し継続的に指導を行ってまいります。
 また、認可外保育施設といっても、その内容は様々でございまして、古い木造家屋の二階を利用する施設や給食設備が不十分な施設もあり、さらには児童福祉施設としての認識の薄い経営者もいる状況でございます。市といたしましては、認可外保育施設としての位置付けを含め、施設環境の改善と乳幼児の処遇向上に向けて、その指導方法や補助制度の必要性など、引き続き検討をしてまいりたいと考えております。

子供の医療費無料化について

 次に、子供の医療費無料化についてであります。
 今、子供を産み育てる世代には、規制緩和の名の下に労働法制が改悪され、低賃金、ワーキングプアなど安心して子供を産み育てる環境ではありません。
 東京都では、十月から中学三年生まで医療費の一割助成の実施に踏み切りました。山梨県でも、来年四月から完全窓口無料化に移行するようでありますが、今無料化への年齢引上げや窓口無料化は全国の流れとなっております。
 長野市も人口減少が続いていくことを考えれば、思い切った子育て支援の一環として、医療費の無料化を小学校卒業まで拡大することを求めるものであります。長野市単独で六年生まで引き上げるとすれば、対象人数は約四万五千人、五歳から六歳の医療費実績を基に所得制限なしでゼロ歳児から小学校六年生まで対象として推計すれば、財政負担は約七億七千万円となります。
 医療費の自己負担分の助成や窓口無料を行えば、減額措置などペナルティーが科せられますが、県内では、県の対象年齢に上乗せして行っているところが四十五市町村あります。子育て世代は年収が低く、働くこともままならない人が多く、医療費の出費が大きなウエートを占めています。子育て支援は欠くことができません。新たに三億円ほどの上乗せで実施できるのではないでしょうかお答えください。

◎下條年平保健福祉部長

 続きまして、子供の医療費無料化につきましての要望についてお答えをいたします。
 お尋ねの福祉医療費の給付方式につきましては、県と市町村が共同で設置をいたしました福祉医療制度のあり方検討委員会におきまして検討した結果、県下統一の方式として、受給者証の提示により給付が受けられる自動給付方式を採用したものでございます。この方式につきましては、あり方検討委員会の提言に基づき、三年ごとの見直しを図ることとなっておりましたが、本年二月の市長会定例会で、長野県から給付方法の見直しは実施しないということで御説明がございまして、市としてもこの方針を尊重してまいりたいと考えております。

 次に、医療費の給付対象を小学校卒業まで拡大していただきたいとの御要望でございますが、関係法令や医療保険制度による影響を大きく受ける福祉医療費給付制度は、健康保険法の一部改正、また障害者自立支援制度などの施行によりまして、給付金額が年々増加をしております。このような中で、県の補助金などの新たな財源を確保することなく市単独で事業を拡大することは、現在の厳しい財政状況の下では困難なものと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、福祉医療費給付金制度を適正な負担を求めつつ、長期的に維持、存続することができるよう財政的な視点も含めた制度全般の見直しが必要なことから、社会福祉審議会に見直しを諮問し、本年度中には最終答申を頂く予定となっております。

生活保護行政について

 次に、生活保護行政についてであります。
 生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を国が保障するためのものです。北九州市で、申請すら認めない無法な水際作戦と保護打切りで三人が餓死、自殺に追い込まれました。働かなければ死ぬしかないという冷たく無情な政治がこのような結果を作り出しました。憲法二十五条で生存権を保障している経済大国日本で、社会保障から排除され、命が奪われることがあってはなりません。
 福田首相は、生活保護について申請権を侵害しないことは言うまでもなく、侵害していると疑われる行為自体も厳に慎むことが必要と答弁しています。長野市の福祉事務所の保護申請の状況は、平成十三年から五年間で相談件数は倍の七百五十六件、申請件数も約倍の二百八十件となっており、急増しています。相談件数と申請件数とに開きがありますが、福祉事務所の説明では、北九州のような水際作戦、申請許否はしていません、丁寧な対応に努めています、窓口相談における職員の対応を見てほしいと言われました。どのような相談者にも人格や尊厳があり、人権を尊重し、生活や人生相談に対応してほしいと思います。
 先日、福祉事務所で生活保護の相談に来られた方が、相談と申請に三日間で六時間もかかり疲労こんぱいしたという話を聞きました。改善すべき点だと思いますがお伺いいたします。

 生活保護の相談の場合、駆け込み相談が多く占めています。毎日の食べるものがない、家がない、寒くて死にそうだなどというものであります。このような緊急事態の場合、生活保護の対象となっても、住居がなければ申請も受給もできません。借家があっても、保証人を探すのは容易ではありません。福祉事務所が保証人となって借家に入居できるよう、配慮すべきではないでしょうか。
 また、緊急事態の場合、なべかま、布団などすぐにでも必要という場合もありますが、準備資金など速やかな対応で安心して生活できるようにすることが必要です。それぞれについてお伺いします。

◎下條年平保健福祉部長

 次に、生活保護行政についてお答えをいたします。
 生活保護は、生活に困窮する者が、利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを活用することを要件とし、さらに扶養義務者の扶養及び年金等、他の法律による給付を優先して活用することとする補足性の原理が生活保護法に規定をされておりまして、保護を受ける上で極めて重要な事項となっております。
 こうした保護制度の特徴から、相談に来庁された方に対しまして、生活や病気などの状態、他の制度の利用や活用できる資産の有無等について詳細にお話をお聞きし、預貯金等の資産を保有している場合は、その資産の活用をお願いするほか、年金等の内容が不明な場合や同居の親族にもお越しいただく必要がある場合につきましては、再度来庁をお願いしております。
 保護の申請時におきましては、申請書、資産申告書などへの記入、扶養義務者への照会のために親族の所在地とその援助の可能性の確認、また活用できる資産がないことを再確認するために、銀行や生命保険会社へ照会を行うための各種書類への記入をお願いしております。
 また、保護を受けることに伴って生じます権利や義務等についての説明のほか、今後の就労の可能性、年金や各種福祉制度の受給、利用についての確認など、受給開始後に申請者に実施していただくことについての説明も行っております。このように、補足性の原則に基づき、各種の調査を行うほか、生活保護は個人ではなく世帯での認定が基本であるため、世帯の人数や状態など、相談の内容によっては、要件の確認や聞き取りなどに時間がかかってしまう場合もございます。
 このため市では、生活保護のしおりを作成し、説明を分かりやすくするように工夫したり、また入院中や要介護状態などで容態が悪く、来所が困難な場合は、担当員が現地を訪問して相談、申請を受けるなど丁寧な対応に心掛けております。
 このように、相談者や申請者に制度の趣旨や内容を詳細に説明し、また申請者の方からも御協力をいただくことにより、適正な生活保護の運用に努めておりますので、御理解をお願いいたします。

 次に、福祉事務所が保証人となって借家に入居できるように配慮すべきではないかということについてお答えいたします。
 生活保護事務につきましては、長野市福祉事務所長に対する事務委任に関する規則によりまして、市長から福祉事務所長に委任することとされておりまして、これに基づいて福祉事務所長は生活保護事務を行っておりますが、この中に保証人に関することは規定がされておりません。
 一方、長野市で保護を受けるためには、生活保護法で定められている要件を満たすのは、飽くまでも本人でございまして、福祉事務所はその申請書が受理できるようお話を伺いながらサポートをしております。このため、市がその要件を整えるためだけに保証人になることは、生活保護法の趣旨から適当でないと考えており、福祉事務所では借家入居の際の保証人となることは行っておりません。
 なお、住居の確保が困難な方につきましては、相談の中で公営住宅の申込方法を紹介したり、民間のアパートの入居契約において保証人の確保が困難な場合は、民間の保証制度の利用を検討することを助言しております。
 また、救護施設でございます旭寮にホームレス用のベッドがあるため、空きがあれば入所を検討し、おおむね三か月の入所期間に新たな住居の確保や自立のための求職活動を行うよう指導をしております。

 次に、緊急事態の場合の準備資金などの対応についてお答えをいたします。
 生活保護には一時扶助という支給項目がございまして、保護開始時において、最低生活に必要な炊事用具、食器等の持ち合わせがない人等のために制度化されております。例えば、ホームレスの方がアパート住まいを開始したり、救護施設へ入所した場合には、この制度を活用しておりまして、緊急事態の準備資金としての役割を果たしておるものでございます。
 私からは以上でございます。

産科について

 次に、産科についてであります。
 今新しい子供の命と女性の命を守るためにも、産科に対する緊急の対策と医療の在り方を抜本的に見直すことが求められています。国の妊婦搬送実態調査では、照会件数、滞在時間など緊急事態に対応できないことを明らかにしています。いずれも処置困難、対応中、医師不足など医療体制の不備が問題となっているのです。
 長野市は、現在病院と診療所を含めて産科は二十四か所、産婦人科医師は三十八人です。この体制でこれまで妊婦搬送など緊急事態に対応してきましたが、照会、滞在時間など問題はなかったのか、今後の産婦人科の医師確保の動向はどうか、市民の命や健康に責任を負っている市民病院は増床となりますが、産科の設置を検討すべきと思いますが、見解を伺います。

◎芝波田利直生活部長

 私から、産科問題に関する御質問のうち、市民病院にも産科の設置を検討すべきではないかという御質問にお答えをいたします。
 市民病院では、設立時における地域医療機関との調整の中で産科を設置しておりませんが、少子化が進み、出生率が低下する中、市内では既に実績のある他の医療機関において円滑に産科医療が行われておりますので、現状では産科の設置は必要ないものと考えております。
 今後、地域の産科医療が大きく変化し、市民の皆さんや医療関係者の皆さんからの要望が出てまいりましたら、検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◎近藤俊明保健所長

 妊婦の救急搬送についてお答えいたします。
 本年十月、消防庁は、救急要請における産科・周産期傷病者搬送実態調査を取りまとめて公表いたしました。本市では、平成十八年に百十六件の搬送があり、そのうち搬送先が決まっている者及び最初の照会で搬送先が決まった者が百十四件、二回目の照会で決まった者が一件、三回目の照会で決まった者が一件という状況でございます。
 照会先の医療機関が手術中であることもありますが、今後も円滑な救急搬送が実施できるよう、医療機関、消防、行政が参加した長野地域メディカルコントロール協議会において、連絡調整に努めたいと考えております。
 次に、産婦人科の状況でございますが、本市では分べんを取り扱う医療機関において若干の余裕があり、いわゆるお産難民が生ずる状況にはありませんが、本市内の医療機関は近隣自治体住民の医療についても一定の役割を担っており、周辺の医療機関の状況についても注視していかなければならない状況にあります。
 現在、国では緊急医師確保対策として、国レベルの緊急臨時的医師派遣システムの構築、病院勤務医の勤務環境の整備等に取り組んでおりますが、地域的な医師の偏在の解消、地域医療を担う病院等の運営に対し財政的な措置の充実を図ることなどについて、市長会などを通じ、県、国の地域医療への更なる取組を強く要望しているところでございます。
 以上でございます。

浅川治水問題について

 次に、浅川治水問題について伺います。
 村井知事に替わり、浅川ダムは穴あきダムとして復活をし、県は国の認可を取って強行する構えであります。鷲澤市長は、もろ手を挙げて賛意を表明しています。
 しかし、流域住民からは、穴あきダムでもダムはダム、造ってほしくないとの声が圧倒的です。ダムよりも暮らし応援との住民の思いにこたえ、浅川の治水問題における到達点、さらに穴あきダムとはどういうダムかなどについて検証する学習会が開かれました。
 穴あきダムの安全性について問題点が指摘をされました。穴あきダムは、超過洪水が起こると、放流量が突如急上昇し、流入量に相当する流量が放流すること、水位がピークに達した後、貯水池水位が急降下し、貯水池側岸の地滑りや崩壊を誘発する可能性が高いこと、浅川の穴あきダムは、放流口が一・一平方メートルと極めて小さく、ごみ、流木、土砂で詰まりやすいこと、さらに放流口一・一平方メートルと、長さ六十メートルのごく細い放流管に砂の混じった水を流せば、流量の多いときは砂は押し流されるが、流量が減少するにつれて砂は管内に徐々にたまり、詰まる可能性のあることなど、講師からは、穴あきダムでも安全性や建設の必要性など問題点の多いことを指摘しております。
 また、新潟県中越沖地震で原発の上にある活断層の再調査が大問題となり、全国の原発の地盤調査が必要と指摘されています。危険で無駄なダム建設は中止し、ダムよりも暮らし応援の市民の声にこたえ、県に対してダムの建設中止を求めるべきであります。見解を伺います。

◎和田智建設部長

 私から、二点についてお答えをいたします。
 最初に、浅川治水問題についてでありますが、浅川の治水対策につきましては、昭和六十年にダム建設事業が採択されて以来、各種の検討委員会による多くの議論を経て、治水安全度を初めとする様々な治水対策案の検討がなされるとともに、地質の安全性や断層などの課題について、長年にわたり十分に時間をかけて慎重に審議がなされてまいりました。これまでに河川法に基づく住民の公聴会や学識経験者の意見聴取で了承され、今年八月に国の認可を得た現在の河川整備計画は、その集大成であろうと考えます。
 また、放流口につきましては、県は万全を期すため、ダム上流部での流木止めなどの対策を行うとともに、その大きさや形状については、現在発注されている概略設計や水理模型実験により、具体的な検証を行っていくと聞いております。
 度重なる水害に苦しんできた流域住民の悲願にこたえ、安心して暮らせる地域の環境を実現するためには、浅川の治水対策が不可欠であることから、国の認可を得た河川整備計画に基づき速やかに事業実施されることが最も重要であると考えます。市といたしましては、引き続きこの計画に基づく整備の促進について県に要望するとともに、事業実施に当たっての進ちょくが図られるよう支援してまいりたいと考えております。

再質問
 それから、いっぱいあるんですけれども、浅川のダムの問題で、ちょっと改めて角度を変えて、さっき質問したんですけれども、余り答弁の中ではありませんでしたが、先日、東京電力が五日の新聞に載ったんですけれども、東電活断層認めるというふうに書いてありました。
 私が言いたいのは、活断層に対する新しい考え方、評価の仕方が変わってきて厳しくなったと、こういうふうに言われております。日本中の原発、今調査し直ししてあちこちで原発の下に活断層があるというふうなことがありますので、当然、浅川のあそこのダムも活断層が走っている、こういうふうにも言われていますから、きちんとした対応をしなければいけません。
 そういう意味で、改めて活断層などの調査をどうしても必要だと私は思います。これは市長も自らダムを造ることは大いに結構だと言っておりましたけれども、改めて下流の皆さんは大変心配していますから、きちんとした調査をしなければならないと、私は思います。

東豊線延長と長野豊野線交差点の信号機設置について

 次に、東豊線延長と長野豊野線交差点の信号機設置についてであります。
 長野豊野線から東豊線の延長は、交通渋滞や安全な通行を確保する上でも欠かせません。交通事故多発交差点でもあり、死亡事故も発生しています。先線の拡幅、改良は急を要しています。一刻も早い安全な生活道路になるよう、信号機設置も含めて改良促進を事業主体の県に要請していただきたい。現在の取組の状況と見通しについて伺います。
 以上で質問を終わります。

◎和田智建設部長

 次に、東豊線の延長と県道長野豊野線との交差点への信号機設置についてお答えいたします。
 東豊線の未整備区間の大部分は、一般県道長野豊野線でありますが、交通量は平成十七年度の調査で、十二時間当たり九千二百三十四台と多く、また沿道周辺には長野高専、皐月高校等が立地していることから、歩行者の通行量も多い状況であります。
 しかしながら、その現状はこれらの交通量に対して良好な環境とは言えないことから、緊急な整備が必要であると認識しており、県においても道路整備の中期計画案に位置付け、来年度から測量調査等に着手する予定と聞いております。市といたしましても、事業が円滑に進められるよう協力してまいりたいと考えております。
 また、交差点への信号機設置につきましては、地元地区から長野県公安委員会に対して信号機の設置要望をしていることを承知しております。長野市といたしましても、地区の要望をお伝えするなど一層の働き掛けを継続してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

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