議会報告

2007年6月定例市議会 野々村博美議員の一般質問

公立保育所の民営化について

子育て支援について

放課後こどもプランについて

三輪支所の拡充について

 28番日本共産党長野市議団野々村博美です。

1.最初に公立保育所の民営化について伺います。

 厚生労働省は公立保育所への運営費や施設整備補助を廃止し、株式会社やNPO法人も保育に参入出来る規制緩和を行い民営化路線を加速させています。将来的には公立同様、民間保育所も国は財政責任を持たないことも予想されます。
 行き過ぎた規制緩和路線の弊害が顕著になっている今日、未来を託す子ども達を守っていくためにも我が党市議団は公立保育所の民営化には反対致します。
 平成16年度から予定していた三輪・下氷鉋・川田保育園の民営化計画は、保護者と住民の大きな反対で、その計画は強行できないまま4年が経過しました。しかし今年度三輪保育園民営化委託・移管先選考委員会が開催され、過日第2回目が開かれました。
 当初、民営化の計画は3園だったものが城東保育園が加えられ、4園になり、具体的なスケジュールが示されました。またあまりに大きな反対の声に押され、「長野市保育所等あり方懇話会」が設置され、提言が市長に提出されました。この提言では、民間活力の活用については、公共性を持つ非営利の社会福祉法人であることが必要とし、公立と私立の連携こそ重要で、単純に比較することを戒め、行政と保護者の話合いで懸案となっている事項は、説明と議論を尽くし、信頼関係を構築する必要があるとしました。そして全園の民営化はさけるべきとしました。
 当初は「あり方懇」の提言をもとに、方針を決めるとされていました。ところが今や全園民営化が打ち出され、保護者との合意がないまま、強引に民営化が進められようとしています。
 また当初は運営を全て民間へ移管するというものでしたが、保護者の不安があるので、運営のみを委託する公設民営方式とするとしましたが、その後民営化の手法として、他の公共施設と同様指定管理者制度の導入が打ち出され、具体的なスケジュールまで示されました。ところが現在は指定管理者方式ではなく、民間委託方式に再び変えられました。
 保護者の皆さんは、説明を聞くたびにその中身が違っていると嘆いておられましたが、この間の議会での説明さえ、この様に大きく変わっているのですから、保護者が混乱し、不信感が広がるのは無理のないことです。
 道理のない民営化路線をその場しのぎの説明ですませ、何とか批判をかわしながら押し進めてきた結果ではないでしょうか。
 あらためて公立保育園の役割を明確にし、「あり方懇」の提言を重視するよう求めるものです。ご見解をうかがいます。

 三輪保育園については、市側と保護者側が合同で行ったアンケートで、今なお民営化について理解できないが46.6%、よくわからないが19.3%、合わせれば66%の保護者が合意していません。さらにこの数字以上にアンケートに書き込まれた保護者の文章には「コスト削減のために子供たちにしわ寄せしないで」という思いがあふれ、また民営化すればもっと効率的に子育て支援ができると説明していることへの不信が綴られ、「説明してもらえばもらうほど、不信感と割り切れなさを感じます」という言葉に象徴されるよう、子育て支援と言いながら子育て中のお母さんたちから大きな不信を長野市は向けられてしまっています。
 アンケートの中で出された疑問に誠実にこたえることもなく、見切り発車という強引な手法で委託・移管先選考委員会が開催されました。私も2回の委員会を傍聴いたしましたが、今後大切なことは保護者の皆さんの気持ちを酌み、十分な審議時間を保証し、疑問に丁寧に答えていくということです。しかし前回の委員会では、委託先の門戸を広げたほうが良いという見解を持つ委員さんからは、持ち帰って検討できるよう配慮してほしいとする保護者代表に対して、時間をかける審議について、「他の市民に説明がつかない」など保護者会代表に圧力をかけるような意見も出されました。
 約束通り1年の引き継ぎ保育を保証し、また委託先を専攻する前に、引き継ぎ保育をどういう体制で行うのかなど、今まで出された保護者の疑問とともに、新たな段階での疑問に対しても十分な合意と納得、理解が得られるよう時間をかけた審議を求めたいと思います。
 また委託・移管先選考委員会ということですが、委託先がそのまま移管先に連動するというのはいかがなものでしょうか。委託した結果どうなったのか、その検証がしっかりされなければ、移管することはできないはずです。
 以上見解を伺います。

2.次に子育て支援について伺います。

 6月1日より日赤病院で、病後児保育が開始されました。保育園の子どもだけでなく、未就学児全般を対象とすると言うことですが、多くの子育て中のお母さんが安心して子育てできる支援策の一環として、利用して貰えるよう期待したいと思います。しかし広い長野市にたった一カ所ではとても利用できないという声が既に出ていますし、時間帯が10時から4時ということで、働くお母さんにとってはとても実態にあった利用時間ではありません。早急に拡充が求められます。今後の予定について伺うと共に、民間頼りではなく、長野市が責任を持って充実していく姿勢が必要と思います。ご見解を伺います。

 子育て世代が働きやすい職場作りについて伺います。
 過日出生率が6年ぶりに上昇したと発表されました。しかし今後子供を産む年齢の女性の人口が減少していくため、少子化傾向に歯止めはかけられないというのが大方の見方となっているようです。政府の少子化対策は1990年代は保育所の整備などが中心でしたが、出生率の低下に歯止めをかけることはできませんでした。02年に「働き方の見直し」を打ち出しました。当然のことと思います。不安定雇用が若者を中心に激増する中、家庭をもって子どもを育てることが困難となっています。総務省の統計によると雇用に占めるパートやフリーターなど非正規社員の割合は今年1~3月期で33.7%と過去最高となっています。また子供が産まれても、長時間過密労働でお父さんの育児参加はしたくてもできないような事態です。若者と子育て世代が安定した暮らしができるよう雇用を改善してこそ、出生率の改善につながります。

 そこで伺いますが長野市では「次世代育成行動支援計画」の中で「民間企業との連携」を掲げ、「企業における育児休暇、介護休暇制度の普及促進や男性が子育てしやすい職場づくりに取り組む」としています。あわせて正規雇用の拡充、労働時間の短縮などにも言及し、企業トップへの働きかけなど市としても強めていただくよう要望します。これまでの取り組みと成果、ご見解をうかがいます。

3.次に放課後こどもプランについて伺います。

 市長の施政方針でも述べられましたが、子どもの放課後対策について今年から「放課後子どもプラン」が創設されました。すでに推進委員会が発足され、検討が開始されたとのことですが、満杯状態になり、希望する子供たちを受け入れることができない児童館、児童センターがこの新たな事業の中で根本的な改善が図られることを心から期待したいと思います。
 厚生労働省の基本的なスタンスは「放課後子ども教室」と「学童保育」長野市の場合は児童館・児童センターになるわけですが、この二つの事業を「一体的あるいは連携」して推進していくが、一本化を目指すものではなく、これまでの学童保育の役割や機能を損なわない、サービスの質を低下させないというものです。
 そして学童保育の数を2007年度中に2万か所にすると大幅に設置目標を引き上げ、39億円増の158億円としました。この方針の中で新たに長野市の現状に照らして、早急に改善が求められてくる点として、児童数が71人以上の学童保育については3年間の経過措置後に補助金を廃止するという点です。多くの児童センターがこの基準を超えている中で、「放課後子ども教室」だけでは対応できないはずです。すでに小学校区に一か所としてきた児童館・児童センターだけでは対応できず、児童クラブを作ってきたところもありますが、今後ますます重要となる児童の放課後対策が後退することのないよう、要望します。ご見解をうかがいます。

 また過日の社会福祉審議会に児童館・児童センターの利用料について有料化の諮問がされました。この有料化の狙いが、児童館・センターの規模の縮小を狙ったものであってはなりません。共働き家庭や母子家庭の子供たちが学校を終えてホッとして「ただいま!」と帰ることのできる生活の場を奪う結果になることのないよう、無料化の継続も含め、十分な配慮を願うものです。

 また三輪児童館など老朽化が著しい施設については、放課後子どもプランの実施に当たっては国の施設整備費も増額となっているわけですから、新改築についてもしっかり検討していただくよう要望します。
 さらに構成員や、非常勤職員の方々の待遇改善についても、この機会に改善を検討していただきたいと思います。
 以上ご見解を伺います。

4.三輪支所の拡充について伺います。

 4連絡所が支所に格上げされ、利用者が増加しています。利用者が増えただけでなく、戸籍の届け出や住民票の移動、国保や年金の受け付けや相談などもあり、一件の手続きに時間がかかり、待ち時間が長くなります。その結果、受付窓口が狭いという問題とプライバシーが守られないという事態となっています。また車いすの方がスムーズに入れません。早急な改善をお願いしたいと思います。今後の見通しとご見解をうかがいます。

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