議会報告

2007年3月定例市議会 原田のぶゆき議員の一般質問(3/9)

住民自治協議会について

母子寡婦福祉資金貸し付け内容の改善について

長野市立図書館について

三登山の産廃について

浅川治水問題について

 30番、日本共産党長野市議団の原田誠之です。通告に従い質問します。

1.はじめに、住民自治協議会について伺います。

 長野市は、地区の特性を生かした活動を、総合的かつ柔軟に行う組織として、住民自治協議会の設立を促しています。知恵や工夫を凝らし、試行錯誤を繰り返しながら設立や、準備をしているところが各地域で広がっています。長野市の区長会は、地域を代表する機能を持った「住民自治協議会」が生まれるので、この組織の立ち上げに向け、市の充分な支援を求める提言をしています。

 そこで、先ず、市長に伺います。
 市長は住民自治協議会について、各種団体を統廃合して地域の中を整理し、みんなの力を発揮できるように「新しい自治の仕組みを作る」ことだと言っています。各種団体を統廃合し、本庁の業務を地域で肩代わりしてもらう。つまり、業務の押しつけとなっては、自治は形骸化してしまいます。住民自治は、住民の自主的・自覚的参加と活動が基本であり、住民の創意と工夫が生かされて初めて、本格的な自治が成り立ちます。巷で聞こえる、「本庁の業務を減らし、地域にゆだね、財政難を乗り越える」という発想では住民自治は育ちません。住民自治における市長の基本姿勢について見解を伺います。

次に、活動における財政支援についてであります。
 住民自治協議会のさきがけとして活動している若槻地区では、公募委員を含め4つの部会が、環境パトロールや、子どもたちとの交流を含めた文化活動、ボランティアの協力を得てのスノーバスターズ隊、子どもたちの「見守り隊」は200人が登録し活動中です。しかも、「あなたの知恵と力で、若槻を住みよい理想の地域に変えます」と銘打ち、全戸に公募委員を応募する情報紙「コミニテイわかつき」が配布され、住民の力に依拠しようと努力も始まっています。思い思いの生活観を持った住民が、力を合わせ協働し、より良いまちづくりに挑戦しているのです。
 ところが、積極的な活動計画で行動しようにも、裏づけとなる財源が乏しくては、住民の要望にこたえるにふさわしい、充分な活動は制限されます。全市的には設立途上であり、公平性から先行している地域に特別に要望どおりに支援できないとのことであります。それにしても、長野市の重要施策の一つである都市内分権にかかわる19年度予算は、昨年度比約400万円減額し、3事業で1600万円余はあまりにも少なすぎます。「地域のやる気を醸成するためにも交付金の増額を検討して欲しい」と、区長会や立ち上げた地元の強い要望であります。
 また、これから立ち上げる地域で、世帯数の少ない場合は、一律と世帯割を含めてもごく少額であり、活動ができないとの指摘もあります。充分な配慮が求められます。
以上について見解を伺います。

 次に、住民自治協議会が活動する拠点施設についてであります。
 住民自治協議会は、多くの団体が住民のさまざま要望をくみ上げ、自主的、自発的に計画を組み立て協働して活動を積み上げています。それに必要な会議等は頻繁に行われ、行事の開催も多岐に及びますが、活動するよりどころの会議室など施設および駐車場が手狭であります。行政が地域住民の自主性に依拠して、地域にかかわる本庁業務はじめ、まちづくりを願うのであれば、それにふさわしい活動拠点施設充実のために支援してもいいのではないか。見解を伺います。

 次に、住民自治協議会と公民館についてであります。
 公民館は社会教育法にもとづき審議会まで設置され、生涯学習はじめ、地域でもさまざまな行事が行われ、まさに、教育、学術、文化における交流と親睦の重要な役割を担い地域に定着し、住民自治協議会の中でも主力団体の一つとなっています。ところが、長野市は公民館を指定管理者導入で、住民自治協議会を指定管理者に指定することを検討したいとしています。
 市民参加や市民と協働するといいながら、市民の自主的な活動が狭められないか。社会教育法に基づき、地域の団体役員や学識経験者が運営審議会に加わり、地域に根ざした活動を行っていますが、本来の活動が停滞するのではないか心配となります。地域住民と密接につながって活動している公民館の指定管理者導入については、検討からはずす選択を求めます。見解を伺います。

◎鷲沢市長

 「住民自治における市長の基本姿勢」についてのご質問にお答えいたします。
 私は、市長に就任して以来、市民の皆様とのパートナーシップによる「長野改革」を目指し、「元気なまち ながの」を実現するため、全力で市政運営に取り組んでまいりました。
 その大きな柱の一つが、「分権・改革」、すなわち「都市内分権」であります。「地域の個性を生かした住民主体のまちづくり」の推進と「住民自治の確立」を目指すことであります。
 ご承知のように、本格的な地方分権時代の到来により、国と地方、行政と住民、それぞれの適正な役割分担のあり方が求められております。「自己決定・自己責任」の原則の下、これからの自治は官によって管理監督されるのではなく、個々の自立した市民が自らできることは自ら取り組み、個人でできないことは隣組で、隣組だけで解決できないことは、自治会や区が、それでも足りないことを市が行う。そして、市で足りないことを県や国が行っていくという、いわゆる「補完性の原理」に基づいた自治体運営が求められております。
 特に、少子高齢化の進展に伴い、コミュニティへの帰属意識の希薄化が問題視される中で、本市の将来を見据え、コミュニティ活動や行政サービスを更に向上させていく、すなわち、市民との協働による「真の住民自治」の基盤づくりが必要であります。  そのためには、まず、「コミュニティの再生」が不可欠と考えております。
 本年度からスタートした都市内分権の推進に当たっては、まちづくりの主役である地域住民のやる気を喚起し、「自分たちの地域は自分たちでつくる」という自治意識の下に、より多くの皆様の参加により、自発的・自主的なまちづくり活動に取り組んでいただきたいと考えております。
 このため、住民自治協議会の設立に当たっては、行政主導ではなく、地域住民の皆様が主体的に議論・検討していただく中で、地域に合った活動しやすい組織としていただきたいと思います。地域課題の解決のための事業についても、地域の皆様が本当に必要とする事業を取捨選択して実施できるよう、地域でまちづくり計画などを策定し、実施事業を決定していただく必要があります。
 そして、住民自治協議会の設立、運営、活動を通じて、住民一人ひとりが地域の一員であろことを再認識し、まちづくりへの理解を深めるとともに、共に協力し活動する中で、絆を深めていただくことが、地域全体の地域力や自治力を高めることになると考えております。
 また、決して、市からの押し付けではなく、「自助・互助・公助」の精神に基づき、住民自治協議会が、住民の皆様の英知と力を結集し、市と対等の立場で、地域のまちづくりに取り組んでいく仕組みこそが、「真の住民自治」の基盤であります。
 いずれにいたしましても、「コミュニティーの再生」と「補完性の原理」を柱として、主役である市民の皆様の創意・工夫を生かすとともに、行政は、市民の皆様のまちづくり活動を積極的に支援していく「都市内分権」に全力で取り組んでいくことが、私の使命であると考えております。
 今後とも」市民の皆様とともに、長野市にふさわしい「都市内分権」を推進し、「住民自治」の実現を目指してまいりたいと考えております。

◎企画政策部長

 住民自治協議会についての質問の内、活動における財政支援、活動拠点につきまして、お答えいたします。

1. まず、「住民自治活動における財政支援」についてでありますが、「ずくだし支援事業交付金」は、地域住民の皆様が地域課題を主体的に解決し、地域の特性を生かして自立したまちづくりを行えるよう、住民自治協議会の運営や地区内の課題を発見・解決するために実施する事業に要する経費を対象とした、財政的な支援制度であります。
 交付金の上限額の算出基礎といたしましては、運営費分や事業費分の算出に当たっては、それぞれ、均等割と世帯割の合計額としており、議員さんご指摘のとおり、世帯数が少ない地区においては、どうしても少額となるものでございます。 この支援制度の創設に当たりましては、本年度が都市内分権のスタートの年であり、今後、順次、各地区で住民自治協議会が設立されていくことから、設立されない地区との均衡を保つ必要があることや、既存の他の補助制度が引き続き活用できることなどに配慮し、交付金の額を算定したものであります。
 今後、各地区における住民自治協議会の設立状況や活動の状況を見ながら、また、各種団体の見直しや各種団体等に対する補助金の見直しなどを踏まえ、特に、過疎化や高齢化が著しい中山間地域などや世帯数の少ない地区に対する交付金のあり方についても、検討してまいりたいと考えております。
 また、住民自治協議会においては自主財源の確保が必要であると考えております。
 市といたしましても、今後、全国の先進的な取組み事例について研究を進め、合わせて市内で既に設立され活動している住民自治協議会の状況等も踏まえながら、自主財源の確保のための手法について、「住民自治協議会の設立及び活動マニュアル」に新たに追加してお示ししていきたいと考えております。

2. 次に、「活動拠点」についてでありますが、地域住民の皆様が地域活動を行う上で、住民自治協議会の拠点確保は重要であると認識しております。
 現在、庁内において活動拠点専門部会を設置し、市内30地区における活動拠点の確保について検討を進めておりますが、住民自治協議会の通常の活動拠点といたしましては事務室程度と考え、役員会や部会などの各種会議や総会の開催につきましては、支所や公民館施設等をご活用いただきたいと考えております。
 検討の中では、支所、連絡所、市立公民館などの既存施設内で活動拠点を確保していくことを原則として考えております。しかし、地区によっては、施設が狭隘であることにも十分配慮し、その他の公共施設や民間施設など広範囲での検討が必要であります。
 市といたしましても、地区の実情に応じて、地域の皆様と協議させていただき、地域の皆様が活動しやすい拠点の確保に努めてまいります。

◎島田教育次長

 公民館は、議員さんがおっしやるとおり、地域における生涯学習、各種住民活動の拠点と心て、地域に根ざし、活発にご利用いただいております。17年度の利用実績では、市立公民館27館の合計で、5万9000回、105万人を超えている状況です。
 また国民健康保険中央会の調査、研究結果では、長野県の平均寿命が高いことの要因の一つに、2位以下を3倍以上引き離す公民館数の多さ、身近な生涯学習、生きがい活動の拠点の存在があるとされました。だれもが、いづでも、どこでも自由に学べ、成果が評価され、生かすことができる生涯学習の拠点として、公民館が市民生活に果たす役割りは、大きなものがあります。
 教育委員会としては、このような重要な役割りを持つ市立公民館が、時代の変遷、社会の変化に呼応しながら、さらに機能を高め、地域の皆様に役立つ施設であり続けられるよう、検討、努力を続けているところです。その際には、指定管理者制への移行も含めた、あらゆる選択肢を比較し、公民館の最善のあり方について検討していく必要があると考えております。

2.次に、母子寡婦福祉資金貸し付け内容の改善についてであります。

 母子家庭の母親は、仕事を掛け持ちし、必死で働いても「子どもを社会に送り出したときには、自分の体がぼろぼろになっている」といわれるほど、深刻な環境におかれています。ここに追い討ちかけるように、自公政権は児童扶養手当の削減、生活保護の母子加算廃止という冷たい施策を強行しています。働きながら必死で子育てをしている、母子家庭にたいする行政の温かい支援が急がれています。
 長野市の10代~50代の母子世帯は、5年間で760世帯増え、4031世帯で、無利子か3%という低利子の、母子寡婦福祉資金を利用している家庭は489件、330世帯で利用度の高いものです。そのうち、75%が修学資金や支度資金など、教育資金が主なものです。母子家庭の子どもは不十分な教育しか受けられず、成長の可能性が阻まれることがあってはなりません。時によっては「命の綱」であります。そこで、母子寡婦福祉資金制度が利用しやすいように、貸付内容の改善を求めるものです。
 経済など社会的動向から、母親の収入が大きく減少したり、修学資金を活用して高校や大学にいったが就職できずに返済不能になるケースが増えています。滞納率は49%で母子家庭の生活事情が深刻であることを痛感します。にもかかわらず、貸し付けの対象者が市税および市営住宅など未納のものには、利子補給金を対象外にしました。また、元金の返済未納分について、ゼロ金利時代なのに、10.75%の違約金を課すのは母子世帯に対しては、あまりにも過酷過ぎます。国は、償還率を高めるよう指導を強めていますが、違約金の金利引き下げはじめ、必要によって違約金免除、支払い免除など十分な配慮を求めるものです。また、連帯保証人には、一定収入と年齢の厳しい条件がついています。10年返済ですので両親を保証人対象とするには年齢が高すぎる場合もあります。この厳しい時代に連帯保証人をお願いするのは至難なことです。母子家庭の母親が資金に窮したときは、駆け込み資金が必要となります。修学資金となれば保証人なしでも速やかに貸付けるなど、十分な配慮が欲しいものです。
 さらに、貸付申請日から審査・決定を通して毎月25日に口座へ支払われます。修学・就職にかかわる資金の用立ての場合には、一時市が立て替えるなど工夫し、支払うまでの期間を短縮することが求められています。「返せる保証がないと貸してくれない」が先にありきでなく、サラ金に手を出さず、安心して利用できるよう制度の改善を求め、以上について見解を伺います。

◎保健福祉部長

 母子寡婦福祉資金貸付制度は、母子及び寡婦家庭の経済的自立の助成と生活意欲の助長を図り、あわせてその扶養している児童の福祉を増進することを目的とした制度であり、平成11年の中核市移行に伴い、長野県から事務が移管された事業であります。
 この制度は、母子及び寡婦福祉法に基づいた運用を行っており、児童の進学後必要となる授業料や書籍代等に充てるための修学資金や、進学に際して必要な被服等に充てるための就学支度資金など13種類の資金で対応いたしております。
 母子寡婦福祉資金の貸付状況につきましては、新規・継続分をあわせて、事務移管後の平成11年度が87件でありましたが、平成17年度は57件、今年度については、2月分までで49件であり、その貸付けのほとんどが、修学資金や就学支度資金となっております。
 母子世帯を取り巻く状況が厳しい中、償還者が滞納するケースが多くなっており、滞納額が年々増加している状況であります。これは、貸付けを受けた後、償還時までの間に生活状況が悪化したり、児童が就職後返済する予定でいたものが、就職ができずに返済が滞ってしまっていることなどが要因と考えております。
 市といたしましても、貸付金の申請にみえる母子世帯の状況を考えれば、利用しやすい制度であることが望ましいとは考えるものの、現状においては、この制度が法律で明確に規定されているため、違約金の金利引き下げや違約金及び支払い免除などにつきましては、困難であります。 また、連帯保証人につきましても、法律で定められておりますが、償還者が亡くなられたり、自己破産をした場合などは、連帯保証人に償還をしていただく必要があることや、平成17年度の決算状況が滞納件数198件、滞納額が約 4,440万円と毎年増加している現状においては、滞納を滅少させ安定した貸付制度を図る観点からも連帯保証人は必要なものと考えております。
 なお、申請の際には、申請者の生活状況がそれぞれ違うことなどから、必ず母子自立支援員が対応するなど、できるだけ申請者の立場になって、相談に応じるよう努めております。
 また、申請を受け付けてから、月初めに行なう貸付審査会で貸付けの可否を決定し、毎月下旬に貸付金の支払いを行っておりますが、議員さん御指摘のように状況に応じて、貸付審査会の回数を増やすなどして支払までの期間の短縮を図ってまいります。

3.次に、長野市立図書館について伺います。

 行政の文化度は「市民の図書館の利用度の動向」が、一つの指標とも言えます。長野市には38万人口で、南北に2つの図書館と移動図書館、さらに公民館に分室があり、あわせて市民の読書冊数は、年間140万冊で市民一人当たり3.8冊です。松本市は22万人口に9図書館、読書冊数は、135万冊、市民一人当たり6.1冊で長野市の1.6倍です。この現実を見ただけで、図書館を通して文化の香る長野市とは言いがたい、図書館行政の貧しさが伺えます。
 地方行財政調査会の調べでは、中核市17図書館のうち、長野市は蔵書数、管理費で最低クラス、管理費のうち人件費は23.6%で最下位となっています。しかも、正規職員数では、比率で2番目に低い鹿児島市立図書館が16人、長野市立図書館は6人で少ない方で際立っています。
 最近、蔵書へのいたずらが増え、実態をケースで展示していますが、これらのチェックや整理を含め、市民が気軽に利用できる図書館の充実が求められています。松本市のように、市民の身近なところに図書館の存在が必要であります。長野市の場合、手狭ではありますが、現在活用している27公民館の図書館分室を拠点に、パソコン、電話などの貸し出し予約と、返却もできるような仕組みをつくることや、図書館分室を移動する専用車を増車し、新しい本の入れ替えの頻度を高めること。また、住民自治協議会が順次設立されていますが、地域の資料・情報を収集強化し活用を図れば、図書館や分室の利用や読書冊数は増えるものと思います。懸案の北部地域の図書館の建設と併せて見解を伺います。
 2005年度の調査では、長野図書館だけで見ても、年間貸し出し冊数82万冊、職員一人当たり30,428冊を取り扱っています。松本市の中央図書館では、24,588冊で、長野市の方が年間6千冊も多いものとなっています。長野市は正規職員6名、嘱託職員21名で維持管理しており、全国でも超ハードの管理体制となっているのです。本の貸し出し、資料の蓄積、サービス提供には、司書など専門性と経験ある図書職員の一定の体制は欠くことができません。人件費など労働条件も含め、他市並みに正規の専門職員の順次強化を求めるものです。
 次に、図書館の民営化についてであります。聖域なき民営化を進めている長野市ですが、図書館の指定管理者導入で、利益の対象となる民間に移行はなじまず、全国にもほとんど例がありません。図書館の指定管理者導入について見解を伺います。

◎島田教育次長

 図書館分室につきましては、市立南部図書館を拠点として、篠ノ井公民館を除く26公民館に設置しております。
 議員さんのご指摘のとおり、分室と両市立図書館とは、コンピューターでつながれてはおりませんが、新刊本の配本や、利用者からのリクエストにお応えして、本を購入したり、長野、南部両図書館から本をお回しするなどのサービスを行って対応しているところでございます。
 また、住民自治協議会が設立され、地域の皆様と行政との協働により、徐々に住民自治へ気風が醸成されつつある現在、図書館分室がその要望に応えられる蔵書を備えておくことは重要でございますので、選書を行う際は充分に考慮してまいりたいと考えております。
 市立図書館では、来年度、図書館システムの更新を予定しております。
新システムにおきましては、インターネットを利用してパソコンや携帯電話からの予約が可能となる予定であり、より、ご利用いただきやすくなるものと考えております。
 分室にもこのシステムを導入して貸し出し・返却ができるようにするためには、分室のある公民館の施設・設備の整備、職員の配置、本の配送などの課題があります。
 平成17年度に、長野市立図書館分館設置検討委員会からいただいた答申の中で、分室のあり方についても、ご提案いただいておりますので、検討してまいりたいと考えております。
 図書館の分館設置につきましては、この検討委員会から、犀川の北と南にそれぞれ最低1館ずつの分館が必要であるとの答申をいただいており、計画的な実現を図るため、生涯学習施設の建設計画の中に盛り込めるよう、検討しているところであります。
 長野図書館ではここ数年、開館時間の繰上げや延長、祝日開館、1回当りの貸出冊数を増やすなど、利用者サービスの向上に努めてまいりました。その結果、平成17年度の貸出し冊数は、5年前の約1.5倍になるなど大幅に利用が増加しております。この急激な貸出しの伸びに応じるため、来年度は嘱託職員2名の増員を予定しております。
 正規職員の強化をとのことですが、図書館に関しては、その特性から、資料検索の技能、豊富な情報源の知識、積み重ねた経験などの専門性を持つ、司書資格のある嘱託職員を充てることで対応してまいりたいと考えております。
 次に図書館の指定管理者導入についてですが、公立図書館は、図書館法により利用料等を徴することはできないことから利用が伸びても収入はなく、指定管理者にとって利用が多くなればなるほど経費が増える可能性があり、民営化しても必ずしもサービス向上に結びつかない施設であります。また、数年毎に指定管理者が交代すれば、今まで蓄積してきた貴重な文化情報である図書等の収集、整理、保存の継続性が失われる可能性と共に、情報ツールに精通し検索スキルをもつ経験者もいなくなる恐れがあるなど課題も多いことから、指定管理者制度に移行した他市の状況を調査するなど、研究してまいりたいと考えております。

4.次に、三登山の産廃について伺います。

 当初最終処分場として始まった施設は、現在、中間施設として事業を続けています。要壁が立ち規模は拡大する一方に見えます。最近は、雨が降ると地下水や表流水が田んぼの用水を汚濁し、数箇所ある湧き水にも影響が心配との声が住民から寄せられました。長期間、産廃施設として営業をしてきたが、かつて埋め立てられたものはどうなっているのか。いつまで続くのか。取り返しのつかないことにならないか。撤去・復元して、緑の山に戻して欲しいと懇願されました。水質検査・ボーリングを含めた地質調査の必要性が求められています。
 また、隣の飯縄町では、同じ林道使用問題の裁判で通行禁止の判決が出されました。長野市の場合、住民と力を合わせれば同様の可能性はあるのか。以上について見解を伺います。

◎産業振興部長

 林道三登山山麓線の通行禁止の可能性についてですが、飯綱町地籍の通行禁止につきましては、旧牟礼村が、「牟礼村林道の通行及び使用に関する規則」に基づき、事業者の林道使用申請を不許可としたため、事業者は、この処分の取消しを求めて提訴しました。
 長野地方裁判所では、不許可とした村の主張が認められ、原告が控訴しておりましたが、昨年6月、東京高等裁判所で控訴が棄却され、長野地裁の判決が確定いたしました。
 長野市分につきましては、「長野市林道の通行及び使用に関する規則」を平成7年に制定・施行しておりますが、当該事業者は、規則を施行する以前から林道を使用しているため、通行を規制することは困難な状況です。
 また、現在は中間処理場から廃棄物を搬出しており、林道しか接道していないことから搬出の完了まで、林道使用に条件を付けて許可をしていくしかないものと考えております。
 次に、水質検査につきましては、環境部では本年度は「山千寺」や「新池」などのほか、新たに1箇所の水質検査を追加し、計6箇所の水質について、ダイオキシン類を含む検査を行っておりますが、有害物質は検出されていない状況であります。
 なお、来年度は地域住民の皆様からの要望等を踏まえ、国の環境基本法に定められた「人の健康の保護に関する環境基準」や「要監視項目」などの水質検査項目を追加して、周辺環境の調査を実施するとしております。
 今後は、庁内連携を図り、事業者に対する指導を強化してまいりたいと考えております。

5.次に、浅川治水問題で伺います。

 市長は、「ダムサイト付近には地滑り地はなく心配ない」と言われましたが、大滝ダムは試験湛水により、4キロ上流の代々続く安全な集落が地下水の影響で地滑りを起こしました。浅川流域一帯は典型的な地滑り地を含む軟弱なところです。安全と言い切れるのでしょうか。
 下流の長沼は昨年7月の豪雨で、道路が水没、車が通行不能になりました。千曲川に流れ込めない水による内水被害の解決が下流住民の願いです。新幹線に関わる「確認書」に込められた住民の切なる思いです。
浅川の水害は下流の内水災害であり、「上流にダムを作っても治水効果は薄い」と先の県議会での土木部長の答弁です。最近の浅川の水害で明確に外水による被害はあったのか。58年、59年、平成7年も典型的な内水被害でありました。ダムより下流の人口密集地や数本の支流など、8割に近い雨が浅川に流入ですから、下流の水害にダムは効果のないものです。
 多くの住民は、100億円をダムに使うなら、下流域の遊水池の設置、都市型水害対策など、内水対策や千曲川改修に優先して力を入れるべきだと言っています。見解を伺います。以上で私の質問を終わります。

◎鷲沢市長

 浅川の治水対策についてお答えいたします。
 はじめに、ダムの安全性についてお答えいたします。
 代表質問でお答えしましたように浅川においては、すでにダムサイトや湛水区域全体を網羅する形で詳細なボーリング調査等が行われ、その結果の評価かちも十分な安全が確保できるものと考えております。
 また、今回の穴あきダムの計画においては、湛水する範囲が縮小されること、また常時水を貯めていないことなど、地すべりの検討・解析に関しましては、従前計画に比べて有利な条件となると聞いております。
 また、実施にあたっては、押え盛土(もりど)等、所要の対策を講じることで安全が確保されるものと考えております。

 次に、「下流の内水被害にダムは効果がないのではないか」とのご質問についてでありますが、ダムは外水対策を主自的としており、ダム地点で100tカットすることにより、上流から下流に至る河川改修幅を縮小することができ、治水対策として効率的なものであります。
 浅川における災害については、昭和4年以降これまでに 7回の堤防決壊の記録が残っております。
 この様なことから、治水安全度1/100を確保するための、ダムと河川改修による外水対策は必要なものと考えております。

 次に、「ダムより内水対策や千曲川改修を優先して力をいれるべきである」とのご質問についてでありますが、洪水時においては外水被害のほうが甚大なものとなることから、「治水専用ダム」と「河川改修」を優先的に実施するものであります。
 しかしながら、浅川につきましては、内水による被害も深刻なものでございますので、内水対策として最も有効な「浅川排水機場の増強」を河川整備計画に位置付け、実施するとしたものであります。
 下流域の遊水地の設置につきましては、効率的な場所の選定問題などがあることから、今後も地元の皆様と協議して進めていく必要があると考えております。
 また、都市型水害対策につきましては、市といたしまし ても、調整池設置や各戸貯留施設等「流すから貯めるという総合的な治水対策」を基に、今後も引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に千曲川についてでありますが、上下流における整備のバランスや予算上の問題から、立ヶ花狭窄部の開削、弱小堤防の改修、無堤地区の解消など、抜本的な改修には相応の時間が必要になると思われます。
 市といたしましても、抜本的改修や適切な維持管理がなされるよう、関係します同盟会と一体となって、今後も国・県に対して強く要望してまいりたいと考えております。

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