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二十七番、日本共産党市議団阿部孝二です。
市民が主人公の市政、福祉・教育の充実、営業と生活を守る立場から質問しますので、明快な答弁をお願いします。
最初に、この七月の豪雨災害で被害を受けられた方々にお見舞い申し上げます。共産党市議団は、農作物被害、住宅、道路、河川などの現地被害調査を行い、被害者からの要望をお聴きし、支援対策について申入れを行いました。この九月議会でも約十五億円の災害予算が計上されていますが、一層の災害支援策をお願いします。
1.市長の政治姿勢について
初めに、鷲澤市長の政治姿勢についてお尋ねします。
村井県政とのかかわり合いで、鷲澤市長は自分の選挙のときよりうれしい。知事を代えることが長野市にとって一番大事だと思っていたと述べたことが新聞で報道されました。
長野市の得票では、村井さんが十万二千七百一票、田中さんが八万二千五百三票、その差は二万百九十八票であります。選挙後の県世論調査協会の調査では、県政の事業や組織の運営は少し変えるのがよいが四十八・八パーセントで最多、村井さんの当選が自民党政治を容認したものではなく、県民の多くは改革の前進を願っています。日本共産党は、田中県政の中で、正すことは正し、是々非々で対応し、今度の選挙では利権県政への後戻りを許さない、県民の暮らし・福祉・教育を守る立場で臨んできました。
そこでお尋ねします。田中県政は三十人規模学級編制を小学校全学年で実施しました。乳幼児医療費を小学校就学前まで所得制限なしで無料化、小規模業者を対象とした入札制度の改革、宅幼老所の建設、公共事業の見直しで借金財政の立て直しなどを行ってまいりました。このような改革をどう評価するのか、お答えください。
市長(鷲澤正一君) |
阿部孝二議員さんの御質問にお答えをいたします。
田中県政の行った改革の評価でございますが、まず三十五人学級編制事業については、市町村が協力金を負担する協働方式となっておりますが、これは県が人件費、市町村は施設費を負担するという大原則に基づき、教員人件費を県の全額負担で実施すべきものであると考えております。また、事業実施に伴い、不足する教室の整備による市町村負担の増加など課題を抱える政策であるにもかかわらず、市町村との事前協議が不足した手法に問題があったと思っております。
次に、乳幼児医療費の小学校就学前までの助成については、子育て支援として有効な施策として認識しております。しかし、市町村に大きな財政負担となる施策であることから、市町村との十分な話合いが必要であったと考えております。
小規模事業者の入札参加については、規模の小さな工事等に指名基準の地理的条件を重視し、近隣の小規模事業者の参加機会を確保することは必要なことと考えております。市では、建設業の許可のない事業者も軽微な建設工事に参加できるようになっております。
宅幼老所の整備については、住み慣れた地域での生活を支える拠点として必要であると認識しており、市では小規模多機能サービス拠点整備への助成を実施しております。
また、公共事業の見直しによる借金財政の立て直しの点では、事業の縮小ばかりに固執するのではなく、活力ある地域経済の活性化による景気浮揚も県政の大きな役割であるという認識の下に、必要な事業は実施すべきであると考えます。主張されていた借金の減少については、確かに県債残高は減少しておりますが、一方でそのために基金を大きく取り崩したり、優良資産の売却によって財源が確保されており、知事の功績と言えるものではないと評価しております。
いずれにいたしましても、村井知事は、県政改革は後戻りさせないと主張しており、田中前知事が最も不足していた対話により県と市町村との信頼関係を築き、創造的な改革が行われるものと思っております。 |
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2.高校改革プランについて
次に、高校改革プラン実施計画は、日本共産党県議団が条例改正を提案し、共同提案で条例が改正されましたが、長野南高校と松代高校との統廃合は行うべきではないと思いますが、村井知事と県教育委員会に中止を求めるように求めます。市長は、昨日、南高校存続を求める会の要望を受けて、高校プランの白紙撤回の請願人になりました。中止要求は当然と思いますが、お答えください。
市長(鷲澤正一君) |
次に、県立高校再編の対象となった本市の長野南高校と松代高校につきましては、拙速に統合する必要性が全く認められないと考えております。統合計画を白紙に戻し長野南高校を存続していただくよう、長野南高等学校の存続を願う会との連名で近々県議会やあるいは県教委へ改めて要請する予定でおります。また、知事と正式に懇談する機会の中でも、市の考え方を申し上げ、理解を求めてまいりたいと考えております。 |
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3.信越放送株式会社の取締役について
次に、信越放送株式会社の取締役についてお尋ねします。
中心市街地再開発事業のトイーゴ、トイーゴパーキングの開発は、総事業費百七億円のうち、国、県、市の補助金と市税投入で約五十億円もの税金が投入されました。トイーゴ及びトイーゴパーキングの開発は、信越放送株式会社を中心に開発しました。長野D1再開発株式会社、株式会社エステート長野、信越放送株式会社、この三つの会社の代表取締役は、信越放送の代表取締役が就任しています。本店住所もこの三つが信越放送の敷地内にあります。
市長は、信越放送株式会社の取締役に平成十四年六月二十七日に就任し、今日まで就任しています。自分の会社、信越放送のために開発を熱心に取り組んできたと言われても仕方のないことです。市長の責任は、三十八万市民の生命、財産、生活と暮らしを守ることではないのでしょうか。
そこで伺います。取締役になったいきさつ、取締役としての報酬、責任、中心市街地活性化とのかかわり合いについて、市民が納得する答弁をお願いします。
市長(鷲澤正一君) |
続いて、信越放送株式会社の取締役についてお答えをいたします。
私は、市長就任後、信越放送の取締役となっておりますが、これは昭和二十六年、県内初の民放として信越放送が創立され、市民の皆様の御要望に対応した地域の最新情報を独自の番組制作により提供するという公共性を踏まえ、長野市として出資したことに伴うものであります。
したがいまして、私が市長に就任する前から長野市長が取締役を引き受けており、役員の責任については、定款に示すとおり会社の重要な事項を決議するものであります。
なお、私の所得等については、政治倫理の確立のための長野市長の資産等の公開に関する条例に基づき公開しておりますので、御覧ください。
次に、中心市街地とのかかわりについてでございますが、平成十二年に長野そごうが破産し、その後に破産管財人や債権者が財産の処分を検討したもので、行政は関与するところではありませんでした。折しも当時、信越放送は地上デジタル放送への転換期であり、また市としては、相次ぐ大型店の撤退により中心市街地の活性化が急務であったことなど、それぞれが大きな課題を持ち合わせている時期でもありました。こうした巡り合わせの中、信越放送が社屋の候補地として自らの事業展開と中心市街地の活性化への協力という観点から、新田町への移転を検討し、信越放送の組織として最終的に決定いただいたものであります。
市としても、中心市街地の活性化のため、とんざしていた周辺の再開発事業との連携が実現し、これ以上ない結果となったものと思っております。自分の会社、信越放送のために開発に熱心に取り組んできたとの御指摘でございますが、私は、私利私欲を脱して長野市の将来を思う心で市政に取り組んでおります。議員さんの発言は、長野市長という公職と個人を意図的に結び付けようとするものであり、甚だ心外であります。
私からは以上です。 |
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4.民営化について
次に、民営化についてお伺いします。
埼玉県ふじみ野市立大井プールで、女子児童の死亡事故が起こり、各方面に衝撃を与えました。私たち市会議員団は、この事件で市長に対し四項目の申入れを行いました。この事件を受けて全国で一斉にプールの総点検が行われ、長野市でも城山市民プールのボルトが外れたまま二年間放置されていたことが分かりました。
そこでお尋ねします。一つは、プールを初め市有施設の総点検を行い、危険箇所については直ちに対処すること。城山プール以外になかったのかどうか。二つ目に、委託事業者及び指定管理者への安全教育、危機管理の対応マニュアルの策定、訓練の強化などを行うこと。三つ目に、違法な下請への丸投げなど指定管理者の管理形態をしっかりと把握し、管理運営について市が責任を持つこと。四つ目に、利益の追求を目的とする民間が公共施設の管理運営業務を行うことは、利益追求と安全確保が対立し、どうしても安全が軽視されがちになります。民間委託と指定管理者制度の抜本的見直しを求めます。お答えください。
鷲澤市長は、国の構造改革、規制緩和政策の下、民間にできることは民間にと進めてきましたが、地方自治体の使命は何よりも住民の福祉の増進を図ることであり、幾ら財政難だからといって経費削減を自己目的に、住民の安全や生命、サービスを犠牲にすることは許されません。
鷲澤市長は、これまでに指定管理者制度で百八十一か所の施設を民間等に任せてきました。今回、百十八の施設で指定管理者の候補団体が決められました。その中には、市営住宅の百二の施設が入っています。市営住宅の入居者は、電灯が切れ暗いので、電灯をつけてほしいなど要望を出したら、住宅課の職員が来て要望を聴いてくれ、電灯をすぐつけてくれたという、うれしい話を聞きました。
市営住宅が民間の営利を目的とした企業に、指定管理者になれば、家賃の滞納がなければいい、滞納整理のため家賃の取立てを行えば利益が増える方式になってしまいます。市営住宅の本来の目的は、収入の少ない世帯に低家賃で入居してもらい、生活に困ったら生活保護など、福祉サービスのあっせんなど親切に行うことではないでしょうか。住宅は生活の基本であり、憲法二十五条で保障されている「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」これを実行するのが市の責務だと思います。市営住宅の指定管理者制度移行の中止を求めます。お答えください。
行政改革推進局長(根津伸夫君) |
私から、民営化についてのうち、プール等市の施設についてお答えいたします。
プール等市有施設の総点検及び危険箇所の対処についてでございますが、さきのふじみ野市の事故を受け、特にプールにつきましては、所管課において改めて施設の点検を徹底するよう指示いたしました。また、プールの排水口については、目視による点検だけではなく、実際に水の中に入って手で触って確認するよう改善したところでございます。さらに、安全性を確保するために、監視員を排水口付近に配置するなど確実な安全策をとり、また関係省庁からの通知に基づき、プールの安全確保のための緊急自主点検等も実施いたしました。
なお、城山市民プール以外には、犀南市民プールでボルトの緩みなど発見されましたが、即対応したところでございます。
次に、事業者への安全教育、危機管理の対応マニュアルの策定等についてでございますが、契約書や基本協定書等において、常に善良な管理者の注意を持って施設等の管理に当たらなければならないと規定しており、詳細には仕様書や危機管理マニュアル等で安全教育、危機管理体制等を定め、安全管理に努めております。また、今回のプール事故に伴い、管理者が自ら吸水口における事故未然防止マニュアルを作成するなど、利用者の安全確保に万全を期すよう努めております。
次に、違法な下請への丸投げにつきましては、それぞれ所管課におきまして指定管理者の管理状況等を定時又は随時把握し、実地指導、監督等を行っておりますが、今後も継続して監督責任をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
次に、民間が公共施設の管理運営を行うことにつきましては、指定管理者制度は、利用者へのサービス向上の観点から公の施設に民間の活力を期待して地方自治法が改正されたものであり、公募によりまして適切な団体に任せることができるようになったものでございます。今後、更に市民サービスの向上、施設の有効活用、経費節減等が果たせるよう評価検証してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅についてでございますが、指定管理者の導入に当たりましては、公営住宅法のほか国土交通省住宅局長からの通知「公営住宅の管理と指定管理者制度について」の方針に基づいております。業務の最終的な決定は市が行うこととしておりまして、管理形態は異なるものの従来市が行ってきた管理内容は継続されること及びサービス内容の向上等が図られることから、導入を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。 |
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5.犀川浄水場と夏目ヶ原浄水場の運転管理業務について
次に、市の水道の六割を供給している犀川浄水場と夏目ヶ原浄水場の運転管理業務を十九年度より民間委託にしようとしていますが、民間委託の撤回を求めます。
市は、浄水場の民間委託問題について、組合に対し七月に説明し、八月に議会に説明してこの九月議会に提案し、来年四月から実施を強行しようとしています。九月議会の補正予算に突然提案する手続に問題があります。
次に、職員組合の合意がなく、反対署名を行っているのに進めていいのか。市民の六十パーセントの人が毎日飲む水を、委託することを市民は知りません。市民に説明もなく合意のないまま強行するのですか。委託経費の削減は、八年間で二千万円にしかなりません。市民の生活と生命と安全に関する行政を民間に任せていいのですか、お答えください。
水道局長(山田修一君) |
私から、犀川浄水場の民間委託について、三点についてお答えをいたします。
水道事業の経営を取り巻く環境は、市民の節水意識の定着、経済情勢による企業のコスト削減等により、水道料金から見ますと、旧豊野町水道事業の統合による影響分を除きまして、平成十七年度では平成九年度と比べ約五億円の減収となっております。そのため、今後の経営に当たりましては、長野市行政改革大綱に沿いまして、更なる経営の効率化を図ってまいりたいと考えております。
今回、その一環といたしまして、犀川浄水場管理運転業務の一部であります浄水システムの運転管理業務を、来年四月から民間へ委託していくものでございます。その手続、安全等についてどうかという質問でありますが、まずこれまでの経過を御説明いたします。
市では、平成十六年十二月に長野市行政改革推進審議会から市有施設の管理運営に対する在り方について提言を受けました。その内容は、浄水場につきましては指定管理者制度を適用すべきとの提言でありました。指定管理者制度は、利用料金制を含め管理運営の委任を可能としておりますが、水道局としましては、水の法的責任等の問題から、水道法に規定されている委託制度、第三者委託により委託していく方針を固め、平成十七年一月の市の政策会議で第三者委託導入を検討していくことと決定し、公表をしたものでございます。その後、既に浄水場の委託を行っております中核市や県内の市町村を視察して調査研究をした結果、今回は水の製造、管理は市が責任を持ち、運転管理業務の一部を委託しようとするものでございます。
今後につきましては、今回の委託を十分検証する中で、委託範囲の拡大、他の浄水場への適用などを考えてまいりたいと考えております。
次に、安全につきましては、今回の委託に当たりましては、水道技術管理者等の資格を持った技術者を常駐できる事業者を条件とするほか、委託担当の職員を配置しまして、十分な引継ぎ、指導のほか業務内容の検証を行いますので、今までどおり市民に安全で良質な水を安定供給することができると確信をしております。
次に、節減できる経費につきましては、八月の初めにお示ししました資料では八年間で二千万円としておりましたが、その後、委託内容の精査等を行いました結果、一浄水場当たりで、年間およそ一千万円の経費削減が図られるものと試算しております。
以上でございます。 |
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6.長野市清掃センターの補修点検の日立造船との随意契約について
次に、長野市清掃センターの補修点検の日立造船との随意契約についてお尋ねします。
六月議会において十八年度焼却施設オーバーホール工事を、随意契約で日立造船株式会社と議会賛成多数で契約しました。福祉環境委員会でも日立造船の犯罪である談合について論議が行われ、誓約書を取るべきとの結論が出されました。六月二十七日付けで市長あてに誓約書が提出されましたが、誓約書の中身を見ますと、二度と犯罪行為である談合はやらないという反省が一つも見られません。
日立造船の談合事件は一九八六年より七十六件、一年間で約三・八件の割合で談合を繰り返し行っている企業です。長野市は、日立造船に対し談合が行われたことを認定し、昨年指名停止措置を行い、今年も談合があったとして十一か月の指名停止措置を行っています。
公正取引委員会は、自治体が発注するごみ焼却炉を巡って日立造船など大手五社による談合を認定し、全国各地の裁判所も談合によって損害を受けたとする住民の訴えを認める判決が相次いで出ています。昨年八月、京都地裁が川崎重工業に十一億四千四百五十万円の返還を命じたのを初め、さいたま、福岡、東京、横浜の各裁判所が住民勝訴の判決を出しています。福岡地裁では、五社に二十億八千八百一万円の返還命令を出しました。五社の落札と五社以外の落札率を比較し、平均六・八パーセント高いことを指摘し、福岡市の損害額は契約額の七パーセントに相当するとしました。
松本市は、日立造船の談合事件があったことで、十七年、十八年を随意契約から競争入札に切り替えて入札を行い、十七年は日立造船以外三社、十八年は二社が参加して入札が行われました。
市の平成十六年度包括外部監査で、清掃センター焼却施設定期点検整備の委託は、他市の同種同規模の委託状況を調査し、検証を行えと指摘しました。清掃センターでは、平成十七年六月に他市八施設を調査しましたが、契約金額の計算が全国都市清掃会議積算要領書と国土交通省の経費率などで行われ、当市とほとんど変わらない結果でありました。
読売新聞の報道で、談合に詳しい前田邦夫教授は、数億円の規模の事業が毎年随意契約というのはおかしい。大手メーカーは技術的な専門性が高いことから高めの金額設定をしがち。競争入札が不可能ならば、監視委員会などを設けて契約額の積算基準を情報公開させ、透明性を高めるべきと述べています。
日本の談合に対する課徴金は、世界に比べて格安になっています。違反対象品目の売上高に対して六パーセントから十パーセントに引き上げられましたが、EUでは会社の総売上の十パーセント以下、米国は違反商品の売上高の十五から八十パーセントの罰金が掛けられています。
そこでお尋ねします。監視委員会の設置を国や県などに要請していくこと。二つ目には、市独自の談合罰則金制度をつくり、二回、三回と談合を繰り返せば、罰金の引上げなどを行うべきと思います。お答えください。
財政部長(板東正樹君) |
談合など反社会的事件への対応に関する御質問にお答え申し上げます。
まず、技術的専門性の高い工事などの価格積算の透明性を図ることを目的といたしました国や県への監視委員会の設置要請につきましては、汚泥処理施設などを巡る談合事件が相次ぐ中、環境省は入札や契約の適正化検討会を設置いたしまして、入札や契約に関する手引きをこのほどまとめ、去る七月に全国の市町村に対し通知がなされたところでございます。
この内容は、処理施設を建設する際の価格積算の手法を初め、入札や契約の適正化を図るための方策が取りまとめられたものでございまして、環境省では、今後、契約情報を収集してデータベース化を図ることとしてございます。これによりまして、今後、施設のメンテナンスに当たりましても、それらのデータを参考にすることで、より適正な価格算定が図られるものと期待しているところでございます。
一方、市といたしましても、専門的な研修に担当職員を参加させるなど職員の能力向上を図るとともに、類似施設の調査や他団体との情報交換による研究を重ねまして、より客観的で透明性の高い適正な設計業務ができますよう、国や全国都市清掃会議など関係団体の指導、協力を求めながら鋭意努力してまいりたいと考えてございます。
次に、御提案の市独自の罰金制度の創設につきましては、現在の工事請負契約は飽くまでも市と事業者との私法上の契約に基づくものでございまして、このような契約の相手方に対して、市の条例で罰則を設けることは困難と考えます。そもそも談合は、法律に違反しているものでございまして、条例に違反しているものではないことから、法令での罰則とは別に本市が罰金を科すことはできないものと考えてございます。
なお、御存じのとおり本市におきましては、本市の入札参加資格事業者が談合などの反社会的行為を行った場合には、措置基準に基づき指名停止措置を講じているところでございまして、特に贈賄や談合などにつきましては、前回の指名停止期間満了から三年以内に再度同様の行為を行った場合には、指名停止期間の短期を標準の二倍にするという特例を定めてございます。
また、本市が発注した工事などにおきまして談合が明らかになった場合には、契約約款に従い、契約を解除するか否かを問わず、請負代金の十分の二に該当する額を賠償金として支払わなければならないことを定めてございまして、談合に対するペナルティーを強化しているところでございます。
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7.高齢者に対する増税の対応について
次に、六十五歳以上の高齢者に対する増税の対応について、自民・公明小泉内閣によるお年寄りに対する大増税、老年者控除五十万円の廃止、公的年金控除二十万円の削減、特別減税の減額で所得税、住民税、市県民税、国民健康保険料、介護保険料など雪だるま式に負担が増えました。市民の方から所得税、住民税、介護保険料、国保料で合わせると新たに十六万円もの負担になったと訴えられました。市への問い合わせは、通常三百件程度が倍の六百件を超えると聞いています。市として、市民税、国保料、介護保険料の特別な軽減策を行えないのか。
その他の対策としては、自分の申告書を見直して更正の請求を税務署に出さなければ負担の軽減にならないと思います。申告の見直しでは、各種の控除が落ちていないかです。障害者控除は障害者認定が必要です。介護認定を受けている人に障害者控除認定書の発行があれば、所得税で最高四十万円、市県民税で三十万円の控除が受けられます。障害者控除認定書の発行は、長野市で十五年二件、十六年ゼロ件、十七年三件、十八年三件となっています。
そこでお尋ねします。市民に広報などを通じて認定書の発行、申告の見直し、更正の請求の仕方を知らせていくべきではないでしょうか。もう一つは、障害者控除認定書の発行の促進を以前求めていましたが、この間の取組についてお答えください。
財政部長(板東正樹君) |
次に、高齢者に対します市税や国保料などの軽減策、また税の申告に当たっての周知内容などに関する御質問にお答え申し上げます。
まず、御質問にありましたとおり、国の税制改正により六十五歳以上の高齢者に対する公的年金控除の見直しや老年者控除が廃止されまして、高齢者の方々にとりましては、市税のみならず国民健康保険料や介護保険料につきましても、その負担が増加したところでございます。
この改正は、高齢化が急速に進展している社会におきまして、国民が元気で、そして安心して暮らしていくためには、高齢者も含めたすべての国民で社会を支えていく必要があり、そのためにもお年寄りと若い世代での世代間の税負担の公平性、また所得に格差のあるお年寄りの間での世代内の税負担の公平性を確保する必要があることから、これまで年齢だけを基準に若い世代と比べて特別に優遇されていた措置が見直されたものでございます。
これら制度改正の目的や考え方はもちろん、国と同様、依然厳しい状況にある本市財政の一方で、今後も高齢化に伴う扶助費などの社会保障経費の増加を見込まざるを得ない現状を考慮いたしますと、現時点における市税軽減策は困難と考えます。また、国民健康保険料や介護保険料につきましても、既に国におきまして三年間で本来の保険料額となるよう、三分の一ずつ引き上げる緩和措置が講じられておりますことから、新たな市独自の軽減策は予定していないところでございます。今回の制度改正の趣旨や考え方を十分御理解いただきますよう、お願いするところでございます。
次に、税の申告に関しての広報につきましては、これまでも広報ながのを通じ、その内容をより分かりやすくお知らせするよう努めてきたところでございますが、御質問にもございましたとおり、控除の種類や内容、控除を受けるために必要な書類、さらには申告の見直しや更正請求の仕方などにつきましても、これまで以上に幅広い情報をより分かりやすい表現でお知らせしてまいります。
また、所得控除の一つでございます障害者控除の認定につきましては、本年三月議会におきまして保健福祉部より答弁いたしましたとおり、早期に広報ながのや長野市介護保険フレッシュ情報への掲載、さらには民生委員さんなどを通じまして広く周知を図ってまいります。
いずれにいたしましても、平成十九年度から国の三位一体の改革に伴い、所得税から住民税への税源移譲がなされます。これまでの改正にも増して大きな改正となりますことから、国や県、税理士会など関係機関と協力し、十分な周知を図ってまいります。
私からは以上でございます。 |
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8.障害者自立支援法について
次に、障害者自立支援法による利用者負担軽減と施設の減収に対する支援策について、福祉環境委員会で障害者自立支援法に伴う川崎市の施策について視察を行ってきました。川崎市では、今まで実施してきた利用者、事業者に対し支援策を行い、利用者の負担が重くサービスが受けられないことのないようにしています。また、事業者に対しても、大幅な収入不足が生じないように支援しています。具体的には、通所サービスの利用者負担軽減では、低所得一の人は国が一万五千円のところを七千五百円に、所得一般では国が三万七千二百円を七千五百円に軽減しています。事業所には、市単独加算事業が行われ、定額、実績、支援体制加算で二十三事業所に対し六億二千七百万円もの予算が付いています。
国は、障害者団体などから支援法に対する改善要求が強まる中で、障害児施設の食費、光熱費の利用者負担を軽減し、障害者施設の新たな報酬の引上げで収入の増加を十月から行っています。
また、各市町村でも独自の軽減策を実施するところが増えています。上田市では九月議会に、利用料を原則一割を五パーセントにする条例提案を行うと報道されています。大分市は、国の利用者負担額に対し五十パーセントの軽減策をとっています。低所得者一で一万五千円を七千五百円に、低所得者二で二万四千六百円を一万二千三百円に、一般世帯で三万七千二百円を三段階の一万二千三百円、二万四千六百円、三万七千二百円にしています。
障害を持っている人が社会参加していくには、障害のハンデ分を社会が補うことは当然のことではないでしょうか。それなのに障害者自立支援法は、利用者に負担を掛け、サービスを受けさせない。施設事業者には報酬を減らし、施設の継続を困難にさせています。
そこで、市は、上田市や大分市のように国基準の利用者負担を五十パーセントに抑える支援、川崎市などの施設事業者に支援をすべきではないでしょうか、お答えください。
保健福祉部長(宮尾和榮君) |
最初に、障害者自立支援法による利用者負担軽減措置と施設への減収に対する支援策についてお答え申し上げます。
十月一日から障害者自立支援法による地域生活支援事業が施行されますので、各市におきまして様々な対応をしております。
法定給付サービスの利用料が、本年四月から原則一割負担となったところでありますので、十月からの地域生活支援事業にかかわる利用者負担につきましては、急激な負担増加とならないよう配慮しながら、適正な負担をいただきたいと考えております。
地域生活支援事業のうち、相談支援、コミュニケーション支援、日中一時支援、これはタイムケアでございます--共同作業所につきましては、従来どおり無料とし、日常生活用具給付、移動支援など個人的便益に直接つながる事業につきましては、費用の一割分を利用者に負担していただくこととしております。
平成十二年に介護保険制度がスタートしたときに、措置制度から契約制度に変わるのと同時に定率一割の応益負担が導入され、今年で七年目になります。介護保険導入以来、サービス費の一割負担は利用者の皆さん、市民の皆さんに定着してきていると感じております。また、当然のことながら低所得の方については、負担軽減制度が用意されております。
サービスを利用する際に一割を負担するようになってからは、利用者側では必要なサービスを選ぶ意識や、サービスの内容が支払った利用料にふさわしいものかどうかチェックする意識が働くようになりましたので、サービス提供事業者側ではサービスの向上に常に気を遣うようになり、サービスの質の向上につながっていると考えております。
負担軽減制度は、まず上限月額制によって一定額以上負担しなくてもよいように、低所得者に配慮されております。この上限月額は、家計に与える影響等をしんしゃくして国が定めたもので、全国家計調査によるそれぞれの所得水準における平均的な生活費を支出しながら負担できる範囲の額に設定されております。それでもなお負担が困難な場合には、更に個別減免、社会福祉法人減免などを適用するようになっております。
なお、長野県では独自の負担軽減制度の必要性について検討しているようでありますので、県の動向も見守りたいと考えております。
次に、施設に対する支援についてお答えいたします。
報酬が月額制から日額制に変更されてから、利用者の健康状態や家庭の事情で通所しない日があり、施設の収入が不安定になることが心配されております。ただし、報酬の支払方法の変更と同時に、利用定員の柔軟化も実施されておりますので、事業者の運営努力、あるいは複数の事業の組合せによる法人全体での採算の確保に期待するところでございます。
本市では現在、施設に対する支援といたしましては、たんの吸引など医療ケアを必要とする重度障害者を受け入れるために看護師を配置する場合、ショートステイで強度行動障害児を受け入れるために介護職員を加配する場合、児童デイサービスで療育に必要な支援職員を加配する場合に、国の定める職員配置基準を上回って職員を配置する経費を市独自で加算しております。
このように、重度の障害者も日中活動サービスが利用できるように施設の受入体制も強化するための支援は必要でありますので、今後も引き続き実施していきたいと考えております。
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9.介護保険制度について
六番目として、介護保険制度の改悪で介護ベッド、車いすなどの取上げについてお尋ねします。
自民党、公明党、民主党の賛成で、平成十八年四月より、要支援一、二及び要介護一の認定者は、介護保険福祉用具、介護ベッド、車いす、ヘルパーやデイサービスなど原則受けられません。経過措置として、従来の利用者もこの九月一杯で期限とされています。長野市の要支援一は五百五十七人、要支援二は五百七十人、要介護一は七百二十二人います。現在、移動用リフトを利用している人は二百人、車いすは二百八十七人、特殊寝台は八百五十四人、床ずれ防止用具三十一人になっています。
今まで活用してきた福祉用具を一方的に取り上げることは、介護保険をつくってきたときの精神から外れます。介護保険制度は自分で介護サービスを選べるというのが、政府の宣伝文句ではなかったでしょうか。そこで、市として、今まで福祉用具を貸与していた人に対し市の支援策を行うよう求めます。
保健福祉部長(宮尾和榮君) |
次に、介護保険における福祉用具貸与にかかわる御質問にお答え申し上げます。
御質問のように、今回の介護保険制度改正によりまして、要支援一、二及び要介護一といった軽度の認定者につきましては、介護保険の福祉用具貸与の品目のうち、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換機、認知症老人はい回感知器、移動用リフトについては、原則対象外とされたところでございます。
その理由といたしましては、要支援等の方は、その心身の状態並びに日常生活の自立の観点において、当該福祉用具の必要性は想定し難いこと。また、今までの制度の実施状況から、福祉用具を利用したことにより、逆に心身の機能低下を助長し、状態を悪化させてしまうという方がかなり見受けられたことから見直しとなったものであります。
ただし、車いす及び移動用リフトにつきましては、その方の心身の状態や生活環境などから、特に必要と認められる場合には、個別に判断し対応できることとされているところであり、本市におきましても、ケアマネジャー、主治医等の意見を聴取した上で、貸与の可否を決定しているところでございます。
介護保険法においては、保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から総合的かつ効率的に提供されるよう配慮しなければならないとし、また保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならないとしております。また、国民の努力及び義務として、国民が要介護状態になった場合においても、進んでリハビリテーション、その他適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持、向上に努めるものとするとしております。
介護保険は、共同連帯の理念に基づき、介護保険に要する費用を公平に負担する社会保険制度でありますことから、自立支援に当たり必要としない保険給付は適切でないと言えます。このことから、本市としては、今回の見直しに対しまして、独自に福祉用具貸与等の支援をしていくということは考えておりません。
しかしながら、必要に応じて、自立した日常生活を送るために福祉用具貸与に代わり得る生活方法等について、理学療法士や作業療法士といった専門家により支援してまいりたいと考えております。また、個別の判断では対応できない特殊寝台については、症状によっては極めて必要度が高い方もおりますことから、県を通じて国へ制度改正を要望しているところでございます。
以上でございます。
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10.トイーゴ及びトイーゴパーキングについて
次に、トイーゴ及びトイーゴパーキングについてお尋ねします。
市は、トイーゴパーキングの駐車場四百三十一台のうち百五十台分を取得、地主の信越放送株式会社と株式会社エステート長野、そして長野D1再開発株式会社と五十一年間の定期借地権設定契約を行いました。契約では、契約終了のときに原状復帰して返還することになっていますが、解体や撤去費用は幾らになりますか。取得説明では、解体費用についての計算が行われていませんのは、なぜでしょうか。
また、トイーゴは九月オープンの計画になっていましたが、普通ならテナントの入居は一年ぐらい前に決まっているのに、いまだにテナントの公表がされていないのは、なぜですか。今後どう対応していくのか、お答えください。
以上で私の質問を終わります。
都市整備部長(中村治雄君) |
私から、トイーゴ及びトイーゴパーキングについてお答えいたします。
トイーゴ及びトイーゴパーキングの建物が完成し、駐車場につきましては九月一日に開業、またトイーゴにつきましてはオープニングセレモニーを九月二十二日に行うこととなっております。
御質問のトイーゴパーキングは、五十年間の定期借地権設定契約により借り上げた敷地に整備されており、契約期間満了時には解体撤去して返還する契約となっております。解体費用につきましては、社会情勢の変化や建物の増改築、また五十年後の再契約等不確定要素が多く、現時点から解体費用を確保しておくことは、現実的ではないと考えております。
しかし、解体費用の負担は重要な問題であります。そこで、長野市は、長野D1再開発株式会社と締結している駐車場の管理協定の中で、解体費用は両者が協議して、それぞれの持分に応じて負担することとしており、協定の締結から十年が経過した段階で取扱いを協議することとしております。
ちなみに現時点での解体費用を試算しますと、約三億円程度、うち長野市負担分は六千七百万円程度と考えられます。駐車場収益の中で確保できるものと考えております。
次に、トイーゴのテナントについてお答えいたします。
トイーゴの一、二階の商業フロアに入居するテナントの確定は再開発組合で行っており、物販、飲食など二十程度のテナントが入居する予定ですが、昨今の厳しい経済環境の中、賃貸条件や風紀上の問題など、交渉に時間を要しましたが、現在最終的な詰めの作業を行っており、来週中には発表できると聞いております。
いずれにしましても、トイーゴ及びトイーゴパーキング、さらにはもんぜんぷら座が一体となり、新田町交差点周辺はもとより、表参道を中心とした市街地の再生に大いに寄与するものと考えております。
私からは以上です。
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